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「XPS 15 2-in-1」は絵師の夢をかなえるか 人気イラストレーターが徹底検証

こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。今回は、7月にデルから発売されたノートPC「XPS 15 2-in-1」をレビューさせていただきます。XPS 15 2-in-1は、通常のノートPCのようにも、フリップしてタブレットのようにも使えるノートPCです。

 お絵描き用という視点で気になる仕様としては、15.6型で4K解像度の液晶、筆圧4000段階に対応した新世代のペン、Intel製でありながら、AMDのディスクリートGPUを内蔵した大変パワフルなCPUを搭載していることが挙げられます。

これでどんな夢があるかというと、仕事に使えるデスクトップ級のパワーをもったお絵描きメイン機と、ノートPC、家での仕事にも、帰省やイベント時にも使える4K液タブが、この1台で手に入るのでは、ということです。

 この夢をかなえる有望な製品としてワコム「MobileStuidio Pro 16」もあります。素晴らしい描き味と、一体型ならではの設置や運用の楽さを持った製品です。ですが、今となってはやや貧弱なCPUや、お絵描き用途のGPUのコストとして納得しづらいQuadroの採用、ノートPCでもなく、15.6型のモバイルノートとしては大きく重いボディーなど、悩ましい点も幾つかありました。

 それではXPS 15 2-in-1で夢はどこまでかなうでしょう。早速見ていきます。

外観と機能をチェック

 まずは外観を見ていきます。非常に外装の仕上げの良い、ソリッドなデザインのノートPCです。

画面をフリップすれば、タブレットスタイルになります。

ベゼルが極小なため、15.6型としては小さいフットプリントで、閉じた状態では十分に薄型す。カジュアルにとは言いづらいですが、収まるバッグも探しやすく、持ち歩きやすいです。MobileStudio Pro 16はバッグに17型級のノートPCが入る容量がないと運べなかったので、だいぶ楽になる印象ですね。

 USBはType-C端子のみで、Type-A→Type-A変換アダプターが1つ付属します。Type-Aが本体にないのは、現状ではやや運用しづらい仕様です。

 付属の新世代ペン「Dell プレミアム・アクティブ・ペン」は、Microsoftペン・プロトコル(MPP)と、ワコムAES1.0および2.0に対応していて、互換する他機種でも使用可能です。

ペンは単6電池で駆動し、最大で約1年もつとのことです。お絵描きに使うとそれよりは短くはなりそうですが、あまり頻繁な交換は想定しなくてもよさそうです

ペンは、サイドボタンや上側のボタンの機能や、筆圧と傾き検知の強度を設定することができます。

 ペンの重さは電池込みで約20gでした。筆記用としては上質感がありますが、お絵描き用としては、大きさに対してずっしりしすぎてベストとは言いづらいです。

設定画面を撮影し忘れてしまいましたが、本機は電源に接続されている間、ユーザーが決めた量より充電しないよう設定する機能が備わっていて、半分や70%などの低い値に留めておくことで劣化を軽減することができます。

 バッテリーは充電サイクルと保存状態の両方の要素で劣化していきますが、充電サイクルをあまり重ねない利用スタイルでは、保存時の状況が影響する割合が増します。このため、家でメインPCレベルでバリバリ使いたいノートにはぜひ欲しい機能です。

 本機から新たに採用された方式のキーボードにも注目してみました。磁気とバタフライ構造を組み合わせた薄型の「MagLevキーボード」です。ストロークが非常に浅くて底打ち感は当然ありますが、反応のない板をたたいている感じではなくて、クリックがハッキリしているので確かに入力している感触があります。軽い力でパラパラとたたく癖をつければ不快感もなく、素早く入力できそうです。

とはいえ、良いことばかりではなくて、個体の問題かもしれませんが、スペースキーが妙に硬かったり、打鍵音が大きいのは気になりました。打鍵音は細かい硬質のパーツが震えるようなカチャカチャ・チキチキ音が強くて、少し耳ざわりです。

 また、スピーカーから音声を流した場合にはキーボード全体のパーツが共振しているのか、大音量でない場合にも音が濁り、ボリュームを上げると音割れしたかのようなビビリ音が聞こえてしまいました。これは全体から感じる高級感からは想像しがたいことなのでもったいないです。キーボードの完成度は次モデル以降に期待、といったところでしょうか。

 さて、これでだいたい、どういうスタイルのPCかは分かったと思います。いつもならすぐにペン性能のチェックに入るのですが、今回はチェックしておきたいことがあります。

外観でも機能でもないけどチェックしておきたい強み

 外観・機能でも性能でもないですが、押さえておきたいことがあります。サポートの強さです。本機はいろいろなサポートプランを購入時に付加できます。

 公式通販サイトを見る限りでは、この機種に付加できる最⻑の出張修理付き保証は「4年間 Premium Support オンサイト保守」で、執筆時点で2万100円でした。これは、1台買って保守を付ければ、(データさえ死守していれば)ハードウェアのバックアップがない状況で4年は過ごせる、ということです。

 そうしたサポートがない、例えばCintiqシリーズなどでは、業務などに使用していて不意に故障が起きた際、1週間またはそれ以上何もできない期間が発生してしまいます。これを避けたいならば、予備機を持つか、供給が安定している機種ならばいつでももう1台買える予算を確保しておく必要があります。

 個人的にはCintiq Pro 16を使用していて、同じ機種の予備機を持っています。修理歴も2回あるので活用できていますし、Cintiq Pro 16は価格も安くて箱も小さいので気軽に予備機を持てるのですが、24型などの大型液晶タブレットを持ちたい人には費用面でも保存スペースの面でも負担が大きくなりますし、基本的に使う予定のない予備を持つというのも心理的なハードルはあると思います。

 また、MobileStudio Proなどのオールインワン形式の機材で制作を賄おうとしている人は、修理に出してしまったら手元には何もなくなるので、ペンタブレットなどで補うこともできず、故障はより致命的になるでしょう。

 つまりオールインワン形式の機材ほど、素早くて頼れるサポートが重要で、サポートが得られない場合には予備が重要になります。この機種は上で述べたような頼れるサポートが、予備を持つのと比べものにならない安さで提供されています。この点は本当に強いと思います。

ペン性能をチェック

 さて、それでは早速(やっと)ペン性能を見ていきましょう。今回のペンは4000段階の筆圧検知や低遅延、傾き検知などを搭載した新型で、描画性能の高さが訴求されています。

 プロトコルはSurfaceなどで使用されているMPPと、ワコムAES 1.0と2.0に対応していますが、以後、特に断りが無い場合はワコムAES2.0での結果として見てください。また、筆圧や遅延の測りかたに興味がある方は過去の記事(iPad Pro 10.5とSurface Proを比較 人気プロ絵師によるお絵描きレビュー)を参照してください。

筆圧

 まずは筆圧のデッドゾーン、オン荷重を調べます。

14gです。ボールペンなどの感覚で書く「筆記寄り」だと思います。ペンの自重が20gと重いので、画面を寝かせて使用すれば多少のデッドゾーンは打ち消されます。ですが、お絵描きなどで画面を薄くなでるような筆圧で描こうとすると、出ないな? と思ったらぽろっと出るような唐突感があります。

 プロトコルをMPPに設定した場合も、筆圧の設定を硬く、または柔らかく設定した場合も、オン荷重がこれより小さくなることはありませんでした。

 最大検知筆圧は今回は測っていませんが、CintiqやIntuosシリーズより小さくて、筆圧を強くかけたときの頭打ち感があります。これはSurfaceのペンと似た感触で、ほとんどのシーンでこの領域の筆圧は使わないと思いますが、筆圧が強いタイプの人は気を付けたいポイントです。

遅延

 続いて遅延を調べました。

6/120秒ということで、2017年の速くなったSurface Proと同等です。十分に速いと思います。

 ここで不思議だったのが、Microsoftストア版のOneNoteだと3/120秒という超低遅延の結果が出たことです。Surface ProでもペイントよりOneNoteの方が速い結果になっていたのですが、これほどではありませんでした。1年で処理の仕方が更新されたのかもしれません。

ジッター

 次は個人的に重視している点、ジッターについて調べました。ジッターとは、斜め線が波状に曲がる現象のことで、平行線を何本か引くことによって、手ブレでなくてパターン状に発生しているのを観察しやすくなります。定規で直線を引く方法ではなくフリーハンドで描くのは、静電気センサーに影響を与えないためです。

意識してペンを立てて持った状態でもやや不安定で、普通に持ったり、平均より傾けて持った場合にはかなりグニャグニャと曲がります。ジッターについては、ワコムの技術が載っているからといって油断ならない、というのは昔からありましたが、プレミアムをうたった最新世代のペンでも相変わらず存在するのは残念です。

視差

 次は視差についてです。まず、画面からペン先までの厚さは非常に小さいです。Cintiq Proより小さくて、感覚的にはiPad Proに近いです。

また、Cintiqシリーズなどの電磁気センサータイプと違って画面四隅でズレが出ないのも大きな利点です。Windowsは画面四隅に細かいGUIが集中しやすいですし、1mmや2mmずれるだけでも操作ミスが増えますが、本機は問題ありませんでした。

ならばCintiqシリーズより優れているのかというと、そう簡単でもないです。Cintiqシリーズはカーソル位置をキャリブレーションする機能があるので、液晶ユニットからペン先までの厚みがあっても画面中央あたりの集中して描きやすい範囲の視差は小さくなるよう調整できますし、ユーザーが自然に感じる「空想上のペン先」にも対処しやすいです。このあたりはiPad ProやWindowsタブレットでも、お絵描き用途を重視するなら対応してほしい要素ですね。

実用上は、視差の小ささから得られる精緻感やダイレクト感はジッターが大きいと台無しになりますので、片方が優れているだけではあまりうれしくないです。

パームリジェクション

 本機はタッチ検知をオフにできませんので、パームリジェクションもチェックしておくことにしました。結果としてはとても優秀で、手のひらの横の面が触れた場合にはほとんどの場合タッチは検知されませんでした。それでも、小指の関節などの「点」に近い部位が触れた場合にはタッチとして検知されてしまいますので、そういう手の置き方をしないよう癖をつける必要はあります。

 また、ペン先がホバー範囲(触れていないけどカーソルが追従する高さ)にある場合には、ペン先の右下、左利きの持ち手の場合はペン先の左下の一定の範囲だけがタッチ拒否されます。これもなかなか良い仕様で、右手でペンを使いながら、左手の指でツールパネルを触る、という操作がしやすいです。

といったところで……良い面もありますが、お絵描き用としては重視せざるを得ない2つの性能、筆圧とジッターが優れていないという、極めて惜しい結果でした。この時点での感想としては、

  • お絵描き用としてはメインには無理、予備としても積極的には選びづらい
  • ペンは生産性ツールとしてならば十分OK
  • 生産性ツールならばペンは本体に挿入したい

です。

 それでは、実際にお絵描きに使ってみて、実際の使用感や、ここまでで気付けなかった点について見ていきましょう。

お絵描きでチェック

 早速描いていきましょう。今回は仕事場でCintiq Pro 16を置いていた部分にそのまま本機を据え付けて描いていきます。ラフから彩色までがCLIP STUDIO PAINT、画面効果やレタッチなどの仕上げがPhotoshop CCです。

ラフ

 今日はいつもの魔女の妹さんを描いていくことにします。ラフについては自分はガツガツと荒く描いていくタイプなので、ペン性能はあまり大事ではないですが、遅延が大きいと気になりやすいです。

摩擦の感触については、Surfaceシリーズのような、ちょっとゴムっぽいヌルヌルとした感じです。Cintiq ProやMobileStudio Proのようなサラリとした気持ちよさはありませんが、摩擦がないよりは線が安定しやすいです。ベストではないですが、光沢画面としては摩擦がちゃんとあるように作ってくれてうれしいな、という感じですね。

 ややトリッキーなのは、タッチ操作などで画面に手垢がついているとペンの摩擦がほとんどなくなり、ツルツルな感触になってしまうということです。

 というわけで、ラフはおおむね快適に描けました。ジッターの問題は、顔などの比較的丁寧に触る部分では違和感として感じ取れますが、ほとんどの間、気にしないでいることはできます。

線画

 ラフが普通だったので心配していたほどではないのでは、と思いながら線画を描き始めましたが、やはり心配していたジッターの問題が出てきます。

ジッターの問題で一番しんどいのは、正確に描きたいときほど不正確さが強調されることです。例えば、顔のラインなどの大事な部分を丁寧に描いていると、不随意に線が曲がってしまって大きなストレスになります。

 お絵描きソフトの手ブレ補正機能を強くかければ線を滑らかにできますが、このレベルのジッターを消すほど強くかけると、線に角をつけたいときに丸くなってしまったり、緩急をつけたのがうまく効かなかったり、平滑化処理のために遅延が発生したりと、多くの問題が出てしまいます。

 といったところで……本機では線画は快適とは言いづらい描き味になりますが、キャンバスを拡大気味に表示したり、線を素早く引くよう心掛けながら進めていきました。

最終的にある程度の線画を描いたには描いたのですが、快適ではないですし、時間も無駄にかかってしまいました。本機は15.6型で4Kという、線画にはこの上なくうれしい細密で正確な表示能力を持っているので、ペン性能がそれにふさわしいレベルに進化してくれなかったのは本当に惜しまれます。

彩色

 さてさて、一番心配だった工程が一応終わったので少しほっとしました。色を塗っていきましょう。

最近テストしたものの中では一番オン荷重が大きいので心配しましたが、多少意識してさえいれば上の画像のような淡い部分も塗っていけます。……と思ったのですが、今までの他機種のレビューでは体験しなかった、新たに気になる点が出てきてしまいました。「引っ張るようなストロークが途切れやすい」のです。

 ペンは普通、少し斜めに持ちます。それを、傾けた方に押すように描いた場合はペン先が摩擦で押されて筆圧検知が大きい値に、その逆に引くように描いた場合は、摩擦でペン先が引っ張られて筆圧検知が小さい値になることは理解してもらえると思います。

 この現象自体は普通のことで、Cintiq Proでも起こりますし、棒状の芯を採用していないApple Pencilですら起こることは手元で確認しています。仕方ないし気にするほどでもない、というのがこれまでの自分の結論でした。

 しかし、本機では、オン荷重が大きいことと、光沢画面のわりに摩擦があること、他にペンの構造なども関係しているのでしょうが、傾けた方向に引っ張るストロークが、軽いとはいってもちゃんとした筆圧をかけているつもりなのに出ない、または途中でぷつぷつと切れてしまう、ということが何度も起こりました。

 自分の場合は、彩色で薄めに広く引きたい場合に問題が出やすいストロークになりがちなので、ストレスを感じます。

 とまあ……いろいろありましたが、最後にPhotoshop CCで色や形をいじって光の効果などを加えて完成しました。

それにしても、もちろん期待もしていましたが、動作速度には感心しました。

 ゲーミング用途を見据えてIntel製ではなくAMD製GPUを内蔵するまでして作られたCPUを搭載した本機の処理能力は、さすがに高いです。細かい性能は他のレビューを見てもらうとして、CPUは先代ぐらいのデスクトップ向けCore i5と同等の計算パワーがあります。

 CLIP STUDIO PAINTのようなCPU偏重のアプリでもデスクトップ機に近い感覚で大きいブラシを振り回せる一方で、Photoshop CCなどのCPUに加えてGPUがあると有利になりやすいアプリでは、通常のノートPCに入っているIntel UHD Graphicsとは比較にならないパワーのRadeon RX Vega Mが働いてくれます。

 実際に、他の機種のレビュー時より大きめの解像度で作業をしてみていますが、やや単純な構成の絵という事もあって、普段使っているCore i7とGeForce GTXのデスクトップ機よりもモッサリしているように感じる場面はありませんでした。

まとめ

 それでは、いつものようにまとめていきましょう

気に入った点

  • ボディーが薄型で高品質
  • 4Kの高精細でしっかりした発色の画面
  • 15.6型の画面サイズは運搬性とガチ描きの両面で有用
  • ノートPCでありながら従来のデスクトップPCのような高パフォーマンス
  • ペンが1セット付属している
  • ペンの遅延が小さい
  • ペン使用時の優れたパームリジェクション
  • 薄型ながら確かな感触のキーボード
  • 長期間のオンサイト保守など、頼りになるサポートがリーズナブルに提供されている

難点になり得る点

  • ペンがお絵描き用としては重たい
  • ペンの摩擦が手垢で変化しやすい
  • 筆圧検知のオン荷重が大きく、ジッターの問題も大きい
  • ペンの価格が、より高性能なワコムPro Pen 2やApple Pencilよりもさらに高い
  • 付属のペンが、付与した保守プランの内容にかかわらず1年保証固定
  • 予備のペンチップ(替え芯)が1本しか付属しておらず、ペンチップ単体購入は保守パーツという扱いでもできず、ペンチップのみを交換する形式の修理も提供されていない
  • キーボードの打鍵音がやや耳ざわりで、タッチに一貫性がないキーがあり、スピーカーの音質に悪影響を与えている
  • 本体にUSB Type-A端子がない

 といったところでしょうか。

 ここで初めて書いた非常に重要な情報が、「替え芯買えない問題」です。まさかと思ってチャットと電話で別々の問い合わせ担当者に聞いてしまいましたが、同じ回答でした。お絵描き用途としてはこれだけでもノーディールになり得ると思います。

 総じて、ノートPCとして見れば上質でデザイン性も高く、デスクトップPC並の高性能であり、メモリ上限が16GBなのが若干惜しい以外は、イラスト制作業務にメインで使って困ることのないPCです。これに十分な運搬性と、業務用途で頼れるサポートプランが提供されていて、1台で何でもできる「モバイルなスタジオ」として見て、本当に良いものでした。

 ですが、ペンで画面に描くデバイスとして見ると評価は反転します。4000段階の筆圧や傾き検知での正確な表現が訴求され、商品ページでもアートを製作している様子が掲示され、ペン自体も「プレミアム」の名を冠してApple Pencilより高価に設定されています。これに加えて、Dell Canvasなどで製作用途のペンデバイスへの取り組みの実績があることから、自然に期待できるレベルというのはあると思います。

 ただ残念ながら今回は、そのレベルではありませんでした。性能もそうですが、PC本体への豊かなサポートからは想像しづらい、ペン自体へのサポートの欠如は、何年も前によくあった「付けました。これでいいよね」という、Windowsのペンデバイスの印象のままです。

 これが数年前ならば、満足とは言いづらいけど実用できなくもないペンデバイスがもう1台登場した、という感想で済むのですが、今はワコムは性能以上に感触の領域の進化を果たし、Apple Pencilは圧倒的な性能で登場し、Surface Proもそれを追い上げている時代です。そこにプレミアムと言いながら出すのがこのレベルでは、ちょっと無頓着なのではというか、絵を描く人がネグレクトされているような悲しさすら覚えます。

 逆に言えば、問題なのはペンだけです。例えば、Surface Proの新ペンよりちょっと優れているぐらいの出来だったら、普段は省電力な制作PCとしてCintiq Proを接続して使い、帰省や授業などには単体で持ち出し、Cintiq Proが故障した際のバックアップになる液タブとして、かなり真剣に購入を検討したと思います。

 デルも昔から好きなメーカーなのでがんばってほしいですし、AESというソリューションを提供しているワコムにもがんばってほしいと思います。ワコムは一時期Cintiq Proで、ある条件下でジッターが出やすくなることがありましたが、きちんと修正してくれました。

 現在のワコムはAESや外販デバイスなどのソリューション事業が、CintiqやIntuosなどの自社ブランド事業に近い規模の売上高に急成長しています。このように、業界の標準化に取り組み、重要度が増していくソリューション事業の中でも、「絵師が安心して使える」「ペンの品質は良いよね」というワコムのイメージが形成できるのか、それとも「ワコムの技術が載っているからといって油断ならない」のままで行くのか……今後も注目していきたいです。