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Series 6とSEどちらを買うべきか? 最新Apple Watchハンズオン

アップルが9月18日に発売したスマートウォッチ「Apple Watch Series 6」と「Apple Watch SE」のハンズオンをレポートする。Series 6は最先端の上位モデルらしいこだわりと進化を感じさせ、またSEは上位機に劣らない性能と質感を備えるスタンダードモデルだ。

どちらにもGPS単体、またはGPSのほかにセルラー通信機能も備える2種類のモデルがある。ケースのサイズは44mmと40mmに分かれる。Series 6はケースの素材によっても値段が変わるが、最もベーシックな仕立てのモデルどうしでエントリー価格(いずれも税別)を比べると、Series 6が4万2800円、SEが2万9800円となる。価格が1万3000円開くことによる違いと、どちらがより自分の期待する用途にApple Watchなのかはこの後の詳しい説明を参考にしてほしい。

Apple Watchで「できること」は多種多彩

初めてApple Watchの購入を検討している方のために、いくつかの基本情報を整理しておきたい。Apple Watchの利用には初期設定の段階からiPhoneが必要だ。

Apple WatchはiPhoneとペアリングして使うウェアラブルデバイスだ。iOSのWatchアプリからApple Watchの各種設定を行う

iPhoneにペアリングすることで各種アプリによるヘルスケアやアクティビティのトラッキングが楽しめる。本体は50m防水性能を備えているので、スイミングも含めたスポーツシーンでも身に着けて記録が取れる。

本体にはマイクを内蔵しているので、iPhoneに着信した通話を受けてApple Watchでハンズフリー通話ができる。Bluetoothイヤホンをペアリングすればミュージックアプリで音楽も聴ける。ジョギングしながら音楽を聴きたい時に、iPhoneを持たずにより身軽に走れる心地良さは一度味わってしまうと後戻りができない。

Apple Watchにはミュージックプレーヤー機能も搭載されている。AirPods Proなどワイヤレスイヤホンをペアリングして音楽再生が楽しめる

セルラーモデルのApple Watchなら単体でインターネットに接続して、音声通話やApple Musicの音楽ストリーミングが利用できる。セルラー通信を活用するためには、iPhoneを親回線とする通信契約にひもづく、IoTデバイスのための通信サービスをキャリアと契約しなければならない。国内ではNTTドコモ、au、ソフトバンクがApple Watch向けの通信サービスを500円以内の価格で提供している。

パッケージがよりシンプルになった

アップルはデバイスを製造する段階から地球環境に与える負荷をさらに軽減するため、今年からApple Watch Series 6/SEの商品パッケージから充電用USBアダプターを省いた。

USBアダプターはiPhoneと同じものが使えるし、サードパーティの製品にも対応するので心配ない。Apple Watch専用の充電器は従来通り同梱する。こちらも以前のApple Watchと同じものになる。

上位機のSeries 6にはアルミニウムケースの新色として「ブルー」と「レッド」が加わった。今回レビュー用に借りている実機はブルーのSeries 6だが、飽きのこない高級感のあるダークブルーが好感触だ。ステンレスケースのモデルにはダークグレー系の「グラファイト」が加わる。落ち着いた上品な色合いの「ブルー/アルミニウム」のケース

アップルがウェアラブルデバイスのため独自に開発するSiP(System in Package:システム化されたICチップ)について、Series 6は最新世代の「S6チップ」を内蔵する。S5チップを搭載するSeries 5に比べると、アプリや音声アシスタントSiriの起動が速くなり、アプリ全般の動作がもたつかなくなった。

最新「S6チップ」によりアプリやSiriの起動が速くなった

S6チップはバッテリーの充電・駆動効率も向上している。充電残量0%から100%まで充電するためにかかる時間は、Series 5よりも約1時間短縮されて1.5時間とした。新しいwatchOS 7に追加された睡眠トラッキングを活用するために、ユーザーは日中から眠る間まで1日の中でApple Watchを身に着けて過ごす時間が長くなる。合間の充電に必要な時間が短縮されれば大きなメリットになる。

Series 6には常時表示に対応するRetinaディスプレイが搭載されている。常時表示ディスプレイは2019年のSeries 5から初めて搭載された機能だが、手首を下げたときや、文字盤を手で覆うジェスチャをした時には画面が暗くなる。そのため常時表示ながらも時刻等の情報が若干見づらかった。

Series 6では手首を下げている間の画面表示が明るくなって、日中の明るい屋外環境でも視認性が高まった。内蔵バッテリーによるトータルの連続駆動は最大18時間と従来のレベルをキープしている。

画面の明るさと文字盤を揃えて比較。左がSeries 5、右がSeries 6。Series 6の方が明らかに画面が明るく、文字盤の分針もクッキリと見える

Series 6の新機能「血中酸素ウェルネスアプリ」

Series 6には新機能の「血中酸素ウェルネスアプリ」が搭載された。名称は専門的に聞こえるかもしれないが、簡単に言うと血中に取り込まれている酸素のレベルを測定して、一般的なウェルネスとフィットネスの用途に役立てられるものだ。Apple Watchを使って血中酸素が手軽に計測できると、例えば日常のワークアウトや登山にスキー・スノーボードなど標高の高い場所で楽しむスポーツシーンで、自身の持久力や環境適応度を調べるのにも役立つだろう。

15秒間の計測で血中に取り込まれている酸素のレベルが測定できる「血中酸素ウェルネスアプリ」

Series 6は本体背面に血中酸素ウェルネスを測定するためのセンサーを新設する。SEにはこれがない。アプリ化されている機能を立ち上げて、メニューに従って約15秒間の血中酸素ウェルネス測定を行うとウォッチの画面に酸素のレベルがパーセンテージで表示される。

ユーザーがオンデマンドで行った計測、およびバックグラウンドで自動計測されたデータはiPhoneのヘルスケアアプリにデータが蓄積されるので、こちらから日・週・月・年単位で経過を振り返ることもできる。データの”読み方”についてはヘルスケアアプリに詳しい説明もある。

iOSのヘルスケアアプリで計測の結果を振り返ることもできる

Apple Watch SEが”Apple Watchの廉価版”であるという解釈は間違いだ。なぜならケースがアルミニウム製の3色以外に選べないことと、常時表示Retinaディスプレイが搭載されていないことを除けば、パフォーマンスは2019年モデルのSeries 5とほぼ変わらないからだ。アップル独自開発のSIPもSeries 5と同じ「S5チップ」を内蔵する。

100%リサイクル素材を使ったアルミニウムケースは質感も高い。アップルの厳しい品質基準に準拠したアルミニウム素材は耐久性・耐腐食性に優れ、軽量なので眠っている間も手首に重さを感じさせない。

左がApple Watch SE、右がApple Watch Series 5。どちらもスペースグレイ・アルミニウムのケースだが、SEの質感はSeries 5とまったく変わらない

Series 6との機能差分として、SEには血中濃度ウェルネスセンサーと電気心拍センサーがないことも挙げられる。後者については米国など一部地域でApple Watchを使って利用できるECG(心電図)や不規則な心拍の通知に関わるセンサーだが、どちらの機能もまだ日本では使えない。ワークアウトや睡眠のトラッキング用途をメインにApple Watchの購入を検討している方にはあまり必要のない機能かもしれない。だったらSEで良しと割り切るのも手だ。

文字盤のカスタマイズも自由自在

新しいApple Watchの発売直前には、無料のソフトウェアアップデートとして最新のwatchOS 7の提供が始まった。Series 6/SEはこれを初期搭載した状態で出荷される。睡眠トラッキングに手洗い、ダンスなど新たな種目を複数追加したワークアウトのほか様々な用途に答える多機能なOSだ。

文字盤も実用性の高いものからアーティスティックなものまで新しく揃う。カラーやコンプリケーション(アプリと機能へのショートカット)の配置をカスタマイズした文字盤をApple Watchを使うユーザーにシェアできる機能も加わる。さらにケースの色でも個性を主張したいユーザーは選択肢が豊富なSeries 6を選びたい。

watchOS 7には7種類の新しい文字盤が加わった。左が現在の場所と、1箇所指定した世界別地域の時刻を同時に表示できる「GMT」。右がイラストレーターのGeoff McFetridgeとのコラボレーションによる「アーティスト」

Series 6とSE、どちらを買うべきか

watchOS 7の新機能「ファミリー共有設定」では、1台のiPhoneにセルラー機能を搭載するApple Watchが複数ペアリングできるようになる。iPhoneを持っていない小さな子どもや、離れて暮らす高齢の家族にApple Watchを身に着けてもらい、音声通話で連絡を取り合ったり、位置情報をモニタリングして「見守り」用途にも使える。

国内の通信キャリアではKDDIが9月17日から、iPhoneとApple Watchで個別の電話番号を持たせて音声通話やデータ通信を可能にする「ウォッチナンバー」を月額350円で提供開始した。

「ファミリー共有設定」では1台のiPhoneに家族のApple Watchを複数台ペアリングして互いに通信や位置情報の共有などが利用できる

まだ筆者はこのサービスを試せていないため、あるいは安価に利用できるiPhone SEを家族に持たせる方が良いのではないかと思ってしまう。ただ、一日中身に着けて使うウェアラブルデバイスだからこそ、Apple Watchで記録した睡眠やフィットネスのデータを家族にシェアしやすいとも言えるだろう。初めての家族に持たせるならApple Watch SEが最適だ。

バックルや留め具のないソロループシリーズのバンドが登場。写真は極細のシリコン糸を編み込んだ「ブレイデッドソロループ」

Apple Watch Series 6には、アップルが独自に開発した空間認識のための超広帯域無線チップ「U1」が搭載されている。実は現時点でこのチップが果たす役割が明らかになっていない。

iPhone 11シリーズが初めて採用したU1チップは、近くにあるU1チップ搭載のiPhoneを検知して位置関係を正確に把握、AirDropによるファイル共有をスムーズにするために使われている。あるいは今後新たに発表されるデバイスやサービスと連係して、Apple Watchでさらに面白いことができるようになるのだろうか。筆者は取りあえずSeries 6を買って楽しみに待とうと思う。