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Alphabetが成層圏気球によるインターネット接続プロジェクトLoonを閉鎖

Google(グーグル)の親会社Alphabetが、巨大な気球を使って世界の僻地に高速なインターネット接続を提供するというアイデアを模索している。

しかし、米国時間1月21日夜に行われた同社発表によると、2021年で発足から9年目になり、独立した企業になってから2年半になる、Loonプロジェクトを段階的に縮小する。持続可能なビジネスモデルやパートナーが、見つからなかったためだ。

Loonの終焉は、インターネットを10億人のユーザーに提供しようとする、もう1つの大きな努力だったGoogle Stationの終了から1年後のこととなる。StationでGoogleは、インドの400以上の鉄道駅にインターネット接続を提供し、多くの国で行われている公共施設の無料Wi-Fiを真似ようとした。

しかしそれでも、今回のAlphabetの決断は意外だ。2020年にLoonはケニア政府から承認され、商用接続サービスを提供する初めての気球を上げることになった。数カ月後に行われた気球の設置は成功し、プロジェクトはうまく行っているという印象を与えた。

Loonは2019年にSoftBankの一部門から1億2500万ドル(約130億円)を調達し、ウェブサイトには「Loonは、まだ接続サービスのない、あるいはあっても十分でない世界中のコミュニティに接続を提供することにフォーカスしている。私たちは世界各地の通信企業や政府と協議してソリューションを提供し、十分な接続のない地域にインターネット接続を広げようとしている」という宣言がある。

インターネット接続の世界的で大衆的な提供という分野では最近、SpaceXやAmazonへの関心が肥大しており、Alphabetはその影響を受けたかもしれない。しかしSpaceX、Amazonの両社は将来、実現可能性に関わる難問にぶつかるといわれている。

LoonのCEOであるAlastair Westgarth(アラステア・ウェストガース)氏は、ブログで次のように述べている。「次の10億ユーザーに接続を提供すると長年主張してきたが、Loonが追求していたのは、すべての接続技術の中で最も困難な問題だった。その難問とは、次の10億ではなく最後の10億のユーザーを接続することだ」。

「それらの地域では、到達の困難な、あるいは非常に遠すぎるところにコミュニティがあり、またそれらの地域は既存の技術でサービスを提供することが現地の人々にとって高価すぎてしまう。これまで、多くの意欲的なパートナーを見つけたが、長期的で持続可能な事業を構築することができる十分に低コストな方法は見つからなかった。ラジカルな新技術の開発は本質的にリスクをともなうが、どんな新技術でも、このコストの問題の解決は容易ではない」。

このブログ記事は、Loonの接続への取り組みを成功と評価している。「Loonのチームが、成層圏からの接続提供に取り組む組織のエコシステムを活性化したことを誇らしく思っている。世界は、接続に関して地上、成層圏、そして宇宙という層状のアプローチを必要としている。各層は問題の異なる部分に適している。この分野でLoonは、数多くの重要な技術的貢献をした」とウェストガース氏は述べている。

次はどうなるか

別のブログ記事で同社は、ケニアで接続とインターネットと起業家精神と教育にフォーカスしている非営利団体と企業に1000万ドル(約10億4000万円)の資金を提供したと述べている。

Alphabetにも、Loonの技術の一部を前進させ、このムーンショット・アイデアから学んだことを共有する計画がある。

さらに同社によると、「Loonの技術の一部は、すでにProject Taaraに生きている。たとえば高帯域(20Gbps+)の光通信リンクで、それは最初、成層圏内を動き回る気球間に接続を張るために使われた。このチームは現在、アフリカのサハラ以南のパートナーと協力して、未接続および粗悪な接続のコミュニティに低費用の高速インターネットを、ケニアを起点として導入していこうとしている」という。

最近では、GoogleやFacebookなど数多くの企業が彼らの接続努力のいくつかを縮小している。彼らのターゲットだったインドなど多くの途上国が、インターネットの問題を自力で解決しようとし始めているからだ。

また、最近明らかになってきたのは、何億もの見込みユーザーたちにインターネットアクセスを補助金で提供していくことは、顧客を獲得する方法としてあまり持続可能性がないということだ。

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