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AI採点で体操リモート競技会夢じゃない!!今夏の東京五輪で実用化へ期待

新型コロナウイルスの感染が広まる中、価値を高める先端技術がある。体操の採点支援システムだ。富士通が国際体操連盟(FIG)と手掛ける人工知能(AI)を利用した装置は、今夏の東京五輪での実用化が期待されている。将来的にはリモートによる競技会を実現できる可能性があり、審判の削減にもつながりそうだ。(取材構成・鈴木智紘)

◆3次元画像に変換し技を自動認識

AIが体操界に新しい息吹をもたらしている。富士通が手掛ける採点支援システムを使えば、リモートによる競技会の実現も夢ではない。「同じ基準で採点ができる。チャレンジの途中」。FIGの渡辺守成会長(61)は昨秋、このようにアイデアを明かした。

このシステムは3Dレーザーセンサーで選手の動きを立体的に捉え、AIが3次元の画像に変換して技を自動認識する。技の難度を示すDスコアの判定において、審判は画像を活用できる。

◆昨年11月、国際大会で運用

昨年11月に日本、米国、ロシア、中国が参加して東京・国立代々木競技場で開かれた国際大会では、男女の跳馬で運用された。渡辺会長によると、英国とドイツの選手もリモートで跳馬のデモンストレーションを行う計画があった。

同社は2017年にFIGと提携し、システムの開発に着手。19年の世界選手権で初めて導入し、男子のあん馬とつり輪、男女の跳馬で運用した。他種目でも2、3年後までの導入を目指しており、東京五輪での実用化が期待されている。

体操の技の数は男女で約1500。出来栄えを示すEスコアとDスコアの合計が得点となる。10点満点のEスコアは、腰のひねりや肘の角度などで欠点があれば引かれる。同社は現在、採点規則で細かく定められた減点項目をシステムに反映している。

◆審判削減しコロナ対策

同社でプロジェクトリーダーを担う藤原英則さん(50)は「採点規則には『わずかに曲がる』などと書いてある。今まで曖昧だったものをデジタル化している」と説明。Eスコアの採点基準も確立できればリモートによる競技会が実現する可能性は高まると見込み、「システム的にはできる」とうなずく。

渡辺会長は「AIによる採点は審判の削減に役立つ。コロナ対策になる」と主張する。男女が同時に試合を行う場合、会場で採点する審判は100人超。人の密集を避ける観点でも効果を期待できそうだ。

◆技術向上にも

19年世界選手権の平均台で、日本女子はジャンプした際の重心が種目別のメダリストより平均5センチほど低かった。課題の克服に向けてもシステムは活用されている。

五輪代表を目指す畠田瞳(セントラルスポーツ)は「(AIの分析)結果を知ることで、もう少し(体を)ひねり切らないと確実に難度を取ることはできないと感じた。技術を向上させるために使える」と実感を込める。テクノロジーの進化が、競技や選手の未来を豊かにする。

◆審判の負担軽減や採点基準の公平性高まる

体操の採点支援システム1秒間に約200万回照射する3Dレーザーセンサーを使って選手の動きを立体的に捉え、AIを利用した装置が体の角度などを分析して技を自動認識し、判定に必要な数値を導く。近年は技の高度化が進み、正確かつ素早い判定を目視で下すのが困難。審判の負担軽減や採点基準の公平性を高める狙いがある。東京五輪では時計メーカーが得点集計を担い、審判が確認する際の役割が期待される。

◆将来的にはフィギュアスケートにも

富士通は発展途上国におけるスポーツの普及や高齢者の健康促進、教育現場での活用も見据えてシステムを開発している。ゴルフのスイング改善に向けた運用を進めており、将来的にはフィギュアスケートなどの採点競技にも活用の道が開ける可能性がある。藤原さんは「(システムがあれば)コーチがいなくてもトレーニングできる。これが全世界に広まり、効果をもたらせれば」とビジョンを語った。