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スーパーのレシートって必要? キャッシュレス決済の未来を考える

2019年は、急速に「キャッシュレス決済」が叫ばれた年でもあった。では、キャッシュレス決済が完全普及した先の「未来」とは何か? それはペーパーレスの時代である。電子ウォレットにチャージしたお金は、言い換えればデジタルデータ。そしてデータは常に累積されるものだから、いざという時にその履歴を見れば「いつどこでいくらの買い物をした」ということが分かる。わざわざ店で紙のレシートを発行してもらう必要性はなくなる。

だが、どういうわけだろうか。PayPayやSuica等のキャッシュレス決済サービスが浸透しようとしている今でも、レジからレシートが飛び出てくる。言うなれば、デジタルの中にアナログが住み着いているのだ。これは明確な「矛盾」である。

◆レシートにシャチハタを押す「不思議な動作」

筆者の自宅の近所にあるスーパーマーケット。地元静岡市では有名なチェーン店舗だ。このスーパーでは最近、キャッシュレス決済サービスへの対応を始めた。PayPayから始まり、LINE Pay、メルペイののぼり旗も立つようになった。レジ前に掲げるQRコードを、利用客のスマホで読み込む方式だ。

財布がなくとも、このスーパーで買い物ができるようになった。キャッシュレスの手軽さ、便利さはもはや誰しもが知るところである。が、決済直後に不思議な光景が繰り広げられる。レジから出てきたレシートに、店員が自分の名の彫られたシャチハタを押して渡すのだ。

店にとっては、いつ誰がレジ対応を行ったのか明確にするための措置なのだろう。しかし、現金決済の時にはない「レシートにシャチハタを押す」という動作がキャッシュレス決済の場合には存在する。もちろん、その分だけ店員に余計な負担がかかるし、利用客も待たされる。そもそも、これではキャッシュレス決済の意味がない。

取引が発生する毎に、その記録はサーバーに蓄積されていく。店舗運営者がそれを閲覧することはいつでもできるし、元来キャッシュレス決済というものは「人の手で記録をつけなくてもいい」という点を強みにしている。

それは新興国のキャッシュレス決済サービス、或いはオンライン流通サービスを見るとよく分かる。インドネシアはASEAN諸国の中でも突出した総人口を誇るが、一方で国民間の教育レベルが均等とは言えない。高校卒業、中学卒業どころか小学校卒業が最終学歴という人も珍しくない。ところが、いや、だからこそ成長した彼らは会社に就職することができず、結局は個人事業主になるしかない。

屋台の店主になるにしても、自分で帳簿をつける必要がある。もしも、それを完全オンライン化できたらどうだろうか? つまり、全ての決済をキャッシュレスにして、そのデータが自動的に更新されるという仕組みの導入である。スマホのタップひとつでその年の全ての売り上げが算出されれば、簿記会計がなくとも屋台を運営できる。

インドネシアでは今、そのようなサービスが急拡大している。これはジョコ・ウィドド大統領の公約「中小零細事業者の技術的発展」にも合致しているから、半ば国策で事が進められているような状態だ。ところが、経済先進国であるはずの日本は未だ「紙の世界」である。

◆ファックスとレシート

日本では今でもファックスが広く使われている。これは海外のビジネスパーソンの間でもよく知られたことだ。

ファックスは2000年代までにはその役目を終えると言われていた。今年9月にポケベルのサービスが終了したことは記憶に新しいが、一方でファックスは今でも新製品が投入されている。

それが良い悪いということではもちろんないが、日本人がファックスを求めるマインドは同時に紙のレシートを求めるマインドと共通している。その上、事業主にとっては「領収書問題」というものがある。

事業主は毎年の確定申告のために、必ず領収書を保管しなくてはならない。が、日本では電子帳簿保存法がそれを阻んだ。電子データの利用に関しては厳しい条件が付与され、結局は紙で出された原本を必要とする状態なのだ。その法律を改正し、キャッシュレス決済本来の持ち味を生かそうという動きがある。領収書の電子化が進めば、日常触れるレシートも当然ながら電子化されていくのが自然な流れだろう。