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宇宙でも、都会でも。驚くほど速くぶどうのように実るミニトマトが遺伝子編集で誕生(米研究)

トマトは栽培するには少々厄介な野菜だ。立ち枯れ病になりやすいし、たっぷりと日の光に当ててあげなければならない、倒れないよう支柱だって必要だ。美味しくて栄養たっぷりのトマトだが、育てるのは楽じゃない。

そこである植物生物学者が考案したのは、遺伝子を編集することで、低木のようなしっかりした茎に、まるでぶとうのように実るミニトマトだ。しかも従来のミニトマトよりも短期間で収穫することができるという。

このトマトなら栽培スペースが狭い宇宙船の中でも都市部でも栽培できるし、約40日間で収穫できるという。

【他の記事を見る】植物すんげぇ!植物界では自ら遺伝子の組み換えが行われていた。サツマイモから発見された”外来生DNA”(ベルギー研究)

葉と花の成長バランスをコントロール

アメリカ・コールド・スプリング・ハーバー研究所のザッカリー・リップマン氏によると、どんな顕花植物にも葉の成長を止め、花を咲かせるホルモンの情報が書かれた、普遍的な遺伝子システムが備わっているのだそうだ。

自然界では、葉と花の成長期間はうまい具合にバランスが取れている。しかし、農家が主に関心を示すのは、野菜として食べられる葉っぱの部分を成長させる期間だろう。

一方、花の成長だってやはり美味しい実と種を作り出す。リップマン氏らが花の成長期間を伸ばす研究をしていたのはそのためだ。そして、花の成長を速めるために編集しなければならない3つ目の遺伝子を発見した。

3つ目というのは、花と実の成長を直接コントロールする遺伝子ならすでに2つ見つかっていたからだ。ただ、この2つを編集しただけでは求めたトマトはできなかった。そこで茎の長さをコントロールする第3の遺伝子が必要だったのだ。

これらの遺伝子のスイッチを遺伝子編集ツール「CRISPR-Cas9」でオフにしてしまう。すると、40日未満で実を実らせる低木のようなミニトマトが誕生した。

通常のミニトマトなら種まきから収穫まで約3.5か月かかると言われているから、その成長速度もかなり速い。

3つの遺伝的突然変異を組み合わせ、適切に調整することで、コンパクトで花束のようなミニトマトが誕生した。遺伝子2つだけの編集では普通のトマトが短くなるだけ(左枠内)。3つを編集することで、ぶどうの房のような形状になる。

Cold Spring Harbor Laboratory

現代の環境に適合した作物作りが急務

植物の遺伝子改変技術は歴史があり、数千年もの昔から営まれてきたことだ。

人類は大昔から、突然変異によって普通よりたくさん収穫できたり、速く成長したりする作物を選別して育ててきた。また植物が自らの力で遺伝子組み換えた事例も報告されている。

昔とは状況が激変している現代では、新しい環境や形状で育つ作物が必要とされている。それも可及的速やかに、だ。

温室効果ガスを減らし、増加を続ける世界人口に食料を供給するためにも、すぐに収穫できる作物の開発が望まれており、遺伝子編集技術の出番となる。

スペースの限られた宇宙や都市での栽培に最適

リップマン氏らは、花束ミニトマトのことを「都市農業トマト」と呼んでいる。というのも、今回の研究は、スペースの限られた都市部であっても育てられる作物を作り出す研究の一環としてなされたものだからだ。

高層ビルなど、都市の環境で育てるには、コンパクトかつ効率的で、縦に伸びて成長する作物でなければならない。

今回の研究は、顕花植物に普遍的な遺伝子を利用しているため、さまざまな作物で応用できるという。

現在アメリカの各地では垂直農業が成長産業とみなされているが、栽培されているのは葉物野菜だけで、トマトのような実の野菜が待ち望まれていた。

またトマトは栄養価も高く、これからの今よりも暖かい気候でもきちんと成長してれるという点も考慮された。

この研究は、NASAも注目しており、狭い宇宙船内でも栽培する作物の1つとして視野に入れているという。

なお、一番気になるこのミニトマトの味はというと、一般的な普通のミニトマトと遜色のないおいしいトマトだそうだ。