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モノのデザイン 第127回 ご飯もトーストも最高の仕上がりを追求。アラジン「グラファイト グリル&トースター」(後編)

日本エー・アイ・シーから2021年4月に登場した「アラジン グラファイト グリル&トースター CAT-GP14A」(以下、CAT-GP14A)。2015年発売の初代から数えて第3弾にして、フラッグシップモデルと銘打つ製品だ。

ご飯が炊けるトースターに進化した「アラジン グラファイト グリル&トースター」

わずか0.2秒で発熱する特性を持つ「遠赤グラファイト」を搭載したトースターで、トースト機能をはじめ、冷凍トースト、温め・オーブン、高温グリル、煮る、蒸す、低温調理・発酵に加え、炊飯までをこなす1台8役のマルチな製品。その開発秘話を、日本エー・アイ・シー 企画本部 商品戦略課の片山幸二氏に伺った。
○新機能がトーストの仕上がりに影響、解決策を模索

一般的に多機能な製品というのは、相反する要素のバランスをうまく取る必要がある。CAT-GP14Aの開発でも、新たに搭載した自動炊飯機能が、既存の性能に影響を及ぼした。片山氏は詳細を次のように明かした。

「炊飯や高温のグリル料理、低温調理を可能にするため、扉の内側全周にパッキンを施し、庫内の密閉性を高めています。従来モデルでは扉の上の部分が(繰り返し使うと)変色してしまうとの声があったので、それを防ぐ意味もあります。密閉性が向上したらパンもおいしくなるだろうと期待したのですが、試してみたら、アラジンのトーストの特長である外側がカリっとした状態ではなく、もったりしたような焼き上がりになってしまいました。なぜだろう? と思い、試しに少し扉を開けて焼いてみたところ、いつものトーストになりました。パンの約40%は水分です。それが蒸発し、パッキンの密閉性により庫内に残ることで、温度が上がりにくくなってしまったんです」(片山氏)

解決策は、天面に設けられた蒸気口だ。「庫内の熱を逃さない位置やサイズ、形状をさまざまに検討しました。実は、底の部分にも何個か穴を開けてみたりもしたのですが、庫内の温度が下がり過ぎて焼くのに時間がかかるようになってしまい、最終的にこの位置と形に落ち着きました」と、片山氏は一口には言えない試行錯誤を語った。

トースターで炊飯する珍しさに目が奪われがちだが、フラッグシップとして誕生した新モデルでは、「連続して焼いて庫内が熱くても、毎回おいしいトーストが焼ける」、「冷凍の厚切りパンもしっかり焼き上げたい」など、既存製品のユーザーから寄せられたニーズにも見事に応えている。

それを実現したのが、新たに搭載した温度センサーと自動制御のためのマイコン。温度センサーが食材の状態を検知して、最適な焼き時間を自動で算出・調整。絶品のトーストを焼き上げる。片山氏にとっては、トーストのためのプログラムも一大事だった。

「朝から晩までパンを焼いては食べての繰り返しでした。1日10斤食べたこともありましたよ(笑)。常温だけでなく冷凍状態のパンも試し、時間を細かく調整しています。検証のとき、まずは焼き色で判断しているのですが、焼き色は数秒で変わります。今までのアナログ式な制御では秒単位での調整はできなかったのですが、デジタル式になったことで、使う人のお好みで、焼き色を5段階から選べるようになっています」(片山氏)

それ以外の機能も、フラッグシップの名に恥じない高度な仕様になっている。高温グリル機能は、最高温度320℃の高火力。0.2秒で発熱する遠赤グラファイトヒーターにより、余熱の必要もなく一気に加熱して、素材の旨味を引き出すことが得意。一方で40℃から90℃まで5℃単位で調節ができ、低温調理やパン生地の発酵まで対応するなど、オーブンとしても高性能な製品に仕上がっており、片山氏によれば「ヒーターの位置や扉の機構も密かに変わっている」とのこと。

○アナログとデジタルを融合した外観デザイン

外観のデザインについては、従来モデルの流れを引き継ぎながら、随所に新しい要素を採り入れている。

「優しさやなつかしさを感じさせるアナログ的な要素と、現代的なデジタルの要素を融合したデザインです。一目見たときのデザインのイメージは、これまでのアラジントースターと同様に天面カーブフォルムで統一感を出しました。グリーンとホワイトのカラー展開も、ブルーフレーム(※)の伝統色の継承です。一方、本体のエッジ・取っ手・ダイヤルなどのディティールに関しては、これまでの2枚・4枚焼きモデルでもそうだったのですが、各機種でデザインに変化をつけて、差別化を図っています」

※ブルーフレーム:アラジンの灯油ストーブ。青い炎が特徴的。

アラジンでは、アナログ式の操作方法にもこだわりがある。「操作部のダイヤルを回す動作は、アラジンブランドの代表的な製品である、ブルーフレームから引き継ぐ象徴的な所作です」と片山氏。

CAT-GP14Aでは、調理メニューダイヤルは「調理方法が一目でわかるように」と、メニューアイコンを◀位置に合わせる方法を採用。直感的で優しい操作性を実現している。

また、従来モデルの時間・温度を設定する方式に加えて、機能の拡張に合わせて機能選択と焼き色を設定するダイヤルも追加。「文字や数字を液晶ディスプレイに表示させるのではなく、ダイレクトに伝えたい数字や図形が浮き出てくるような表示方法にしました」と語るように、表示部にもレトロ感が漂う。

先進性・斬新さとアナログ感・レトロさを併せ持った、オリジナリティーあふれる製品を多数展開する「アラジン」ブランド。CAT-GP14Aはフラッグシップモデルとしての進化も著しく、調理家電のカテゴリーの線引きをも変えてしまったとも言える、画期的な製品だ。