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DVD-R/RWとDVD+R/RWの両方に対応した初のドライブ「DRU-500A」:スイートメモリーズ File067

「DRU-500A」は、ソニーが開発したDVDドライブ。最大の特徴は、DVD-R/RWとDVD+R/RWの両方に対応し、どちらにも書き込み、書き換えが可能になったことです。

今、この話を聞いても「それのどこがすごいの?」となると思いますので、当時の状況を少し説明しておきましょう。

1995年、規格争いによる乱立を避けるため、業界統一の規格団体としてDVDコンソーシアム(後のDVDフォーラム)が設立されました。この団体によって策定された記録可能なDVDが、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMという3つの規格。映像家電では、基本的にこの3つの規格が使われることになります。

PC向けドライブはDVD-RAMがその先陣を切り、1998年に片面容量で2.6GBというドライブが登場。その後、片面4.7GBにまで容量アップしたドライブが登場しています。ただし、このDVD-RAMはDVD-ROMとの互換性はありません。

DVD-ROMと互換性のあるDVD-RとDVD-RWに対応したPC向けドライブは、2001年から本格的に普及が始まり、6月にパイオニアのDVD-R/RWドライブ「DVR-103」を採用した製品、そして7月にパナソニックのDVD-RAM/Rドライブ「LF-D321JD」が発売されています。

ここまではDVDフォーラムによる規格だけなので、それほど混乱はなかったのですが、問題は2001年の9月。リコーのDVD+RWドライブ「MP5120A」が登場したことです。

DVD+RWという規格は、DVDフォーラムに少なからぬ不満を抱くソニーやフィリップス、リコーなどが設立したDVD+RWアライアンスによるもの。

当時の書き込み速度は、DVD-Rで2倍速、DVD-RWで等速、DVD-RAMで2倍速(ベリファイ込みなら等速)というものでしたが、DVD+RWは2.4倍速と登場時から上回っていたのが強み。また、DVD-R/RWドライブが登場時9万円台だったのに対し、DVD+RWドライブは登場時から5万円台と安かったこともあり、かなり強力なライバルとなりました。

とはいえ、基本的にはDVDフォーラムとは別団体の規格となるため、DVD-ROMとの互換性の面では不安が残ります。しかし、DVDビデオを作るのではなく、PCのデータ用として使うのであれば気にする必要がありません。純粋に、速くて使いやすく、そして安いというDVD+RWのメリットが享受できます。

当初懸念されたメディアの供給もしっかりとされ、さらに、より低価格なDVD+Rが登場すると、DVD-R/RWと勝負できるまでに存在感を増しました。このDVD+R/RWの登場によって、規格争いを避けたはずのDVDで、規格争いが起こるという状況になってしまいました。

規格争いが起こると困るのがユーザーです。DVD-R/RWドライブを選べばDVD+R/RWは書き込めませんし、その逆もまたしかり。メディアの価格とにらめっこしつつ、どちらのドライブを買うべきか、悩みに悩む必要がありました。

そんな混乱した状況が1年ほど続いた後、2002年の10月に登場したのが「DRU-500A」です。このドライブなら1台でDVD-R/RWもDVD+R/RWも読み書き可能となるため、ユーザーがどのメディアを選ぶのかで悩む必要がなくなりました。「DVD-Rのメディア買ってきて」とお使いを頼み、DVD+Rを買ってこられても困らなくなったのです。

ということで、そんな画期的なドライブだったDRU-500Aを見ていきましょう。

5インチベイ用の内蔵ドライブで、DVD+R/RWが2.4倍速、DVD-Rが4倍速、DVD-RWが2倍速と、当時のドライブとしては最速クラスとなっていました。後にファームウェアの更新で、DVD+Rも4倍速へと高速化されています。

ベゼルは、銀色の梨地に透明な樹脂がかぶせてあるという凝ったデザイン。ドアのようにパカッと開くのではなく、トレーに固定されているタイプです。

インターフェースはATAPI。SATAが主流になる前に使われていたもので、HDD用のATA(IDE)を拡張し、リムーバブルドライブなどHDD以外でも使えるようにした規格となります。

40ピンのフラットケーブルを使って接続するので、着脱は結構大変です。1本のケーブルで、ドライブを2台まで接続できました。ちなみに、1台目はマスター、2台目はスレーブと呼ばれますが、今だと言葉狩りにあいそうですね。

ついでに、40ピンのフラットケーブルと、SATAケーブルの比較です。SATAのおかげで、ケーブルの取り回しがずいぶんと楽になりました。

このDRU-500Aの登場からDVD±R/RW対応が当たり前となり、ユーザーは違いをあまり気にせずにドライブが選べるようになりました。また、DVDプレーヤーなども(厳密にはDVD規格ではない)DVD+R/RWへと対応するものが増え、DVDビデオ作成においても気にせず使えるようになっていきました。例えば、PlayStation 2は2003年5月発売のSCPH-5000から記録型DVDの再生に対応するようになりましたが、これはDVD-R/RWだけでなく、DVD+R/RWもサポートに含まれています。

ところで、DRU-500Aの後継モデルとして「DRU-500AX」という製品があります。基本的なハードウェアはそのままに、最初からDVD+Rの4倍速書き込みに対応したもので、ほぼ、DRU-500Aのファームウェアを更新したものと同じです。外見は変わりないので、今回、このDRU-500AXをDRU-500Aとして紹介しました。ご了承ください。