現状のiPadOS 14のもとでは、16GBものRAMを搭載するM1 iPad Proの1TBモデルでもアプリが使えるRAMは上限5GBとされています。しかし21日に配信予定のiPadOS 15では制限が緩和されて最大12GBとされ、従来の倍以上になることが明らかとなりました。
なぜアプリで使用できるRAMの量が制限されているかといえば、1つのアプリが全てのメモリを使い尽くして、中核システム機能に悪影響を及ぼさないようにするためです。こうした「アプリがシステムの特定機能にアクセスできる権限」をエンタイトルメントと言いますが、アップルが提供している具体的な情報は限られています。
さて、新たな情報は画像編集アプリ「ArtStudio Pro」の開発者が報告しているものです。その調査によると16GBのRAMを搭載したM1 iPad Pro(1TB)では、アプリはエンタイトルメントを通じて最大12GBの使用を要求できるとのことです。それ以外の8GBのRAMしか搭載していないM1 iPad Proで要求できるRAMは、最大6GBと伝えられています。
この新たな変更は、画像やビデオ編集ソフトなどRAM容量が増えれば増えるほど動作が軽くなるプロ向けアプリケーションに大きな恩恵をもたらすと思われます。実際、ArtStudio Pro開発者はより大きなキャンバスサイズや多くのレイヤーが扱えるようになると述べています。
アップルは、この新たなエンタイトルメントが「サポートされたデバイス」で利用できると述べているとのことですが、現時点ではM1 iPad Pro 以外のどのデバイスがサポートされているかは不明です。
たとえば新型iPad miniや第9世代iPadの搭載RAMはそれぞれ4GBと3GBになる可能性が高い手がかりが報告されていますが、おそらくシステムの上限を超えるRAMを要求することは認められないと思われます。
ともあれ、これまでM1 iPad Proでは持て余していた8GBなり16GBのRAMが、iPadOS 15以降では有効に活用されるはず。これらのデバイスを画像や動画編集に多用しているヘビーユーザーにとっては嬉しいニュースと言えそうです。