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AirTagにはない強みとは? 紛失防止トラッカーTile CEOに聞く

キーホルダーとして使える「Tile Pro」「Tile Mate」のほか、カード型の「Tile Slim」、シールにより張り付けられる「Tile Sticker」の4製品が発売を迎える

紛失した持ち物に付いているTileを探す3つの方法

アップルがAirTagを発売した2021年の上半期には、Tileの売上も前年から50%以上増加したという。紛失防止トラッカーの市場が注目を浴びる中、勢いを背に受けてTileが新製品を投入する。

最新のTileにはキーホルダーとして使える「Pro」のほか、財布のポケットに入る薄型の「Slim」など、3000円から5000円の間に4つのラインナップが揃う。

万一Tileを装着した持ち物を紛失した場合、主な探し方は3通りある。ひとつはBluetoothで接続したスマホのアプリから遠隔操作によりTileのブザー音を鳴らす方法。室内で見当たらなくなった鍵や財布を探す時に役立つ。

残る2つの方法は、Tileを装着した持ち物を屋外で紛失した時に真価を発揮する。TileがBluetoothの接続圏外にある場合、最後に接続が切れた場所と時間がTileアプリに記録され、マップの表示を頼りに紛失した場所をたどれる。筆者は今夏にTile Slimを入れていた財布を地下鉄の駅で落とした時に、この機能に救われた。結局親切な方に駅事務所まで届けてもらえたことが幸いだったが、Tileで紛失したおおよその場所に目星が付けられるので、速やかに対処できた。

さらに世界230カ国で販売されているTileならではの「Tileコミュニティー」を使うと、遺失物をグローバルマップから探せる。紛失したTileの近くを他のユーザーが通りがかると、Tileアプリがデバイスに自動接続して位置情報をクラウドに送信、場所を知らせてくれるという仕組みだ。

Tileならば財布や鍵に直接装着できる

TileのCEO、Prober氏は「多くの人々が持ち歩く鍵や財布に直接付けて、すぐに使えるプロダクトデザインがTileの特長であり、ホルダーなど別途アクセサリーが必要になるアップルのAirTagと比較した場合のメリットにもなる」と説く。新しいProとMateは本体にキーホルダーのリングが通せる大きめの孔(あな)を設ける。

新世代のTileには3つの新機能が加わる。ひとつは裏面にある「QRコード」を落とし物を拾った人がスマホ等でスキャンすると、落とし主が登録している連絡先を調べて連絡が取れるようになった。

「スキャン&セキュア」は、持ち主不明のTileが自分の身の回りにないかを調べられる機能。今後のアップデートによる搭載に向けて現在開発が進んでいる。Tileを所有していなくてもスマホにTileアプリを入れて、最大75mから120mまでBluetoothの探索範囲でTileをスキャンできる。例えば自分の持ち物に不審なTileが紛れ込んでいないかを確認する用途に活用してほしいとProber氏は話す。

さらに2022年に発売を予定するTile UltraにはUWB(超広帯域無線通信)機能が内蔵される。同じくUWB対応のスマホをペアリングすると、TileアプリのAR探索メニューを立ち上げてより精度の高いトラッキングができる。グーグルが次期Android 12からOSレベルでUWB対応を強化することから、Tileも新世代のスマホと連携する先進的な探索機能としてこれをアピールしたいとProber氏は意気込む。なお、アップルは既にiPhone 11以降がUWB対応だ。

アップルのネットワークにも対応?

Prober氏は、「AirTagよりもTileが優れている点」をさらに次のように主張する。

まずTileは、本体のボタンを押せばペアリングしたスマホから音を鳴らして“逆探索”ができる。さらに、Tileは1台のデバイスを複数のユーザーがシェアして使える。家族用のスーツケース、社用車のキーなどに付けたTileにアプリから共有するメンバーを登録すればいい。これはAirTagも早く追いつくべき機能だと思う。

Tileが今後、アップルのAirTagと同じ「探す」ネットワークと両方に対応する可能性はあるのだろうか。例えば、Macの「探す」アプリからでもTileが探せるようになれば、間違いなく便利だ。

しかしProber氏は、「現状ではTileがアップルのエコシステムに対応することはない」と言い切る。その理由は「ひとつの製品に『探す』ネットワーク以外のプラットフォームが混在することをアップルが認めていないから」だという。

Tileのように既に自前の探索機能をトラッキングデバイスとともに作り込んでいるメーカーが、アップルの「探す」ネットワークにも対応することは当面のあいだ難しそうだ。

一方、Tileでも独自のエコシステムを、スマートキーホルダーや左右独立型ワイヤレスイヤホン、ヘッドホンなどのアイテムを手がける外部パートナーに提供して輪を広げつつある。Prober氏は新世代のTileを発売することによってパートナー展開の拡大にも弾みを付けたいと意気込む。アップルのAirTagなどライバルとの競争はこれから激しさを増すことになりそうだ。

Tileを試してみると、ハードとアプリ双方の完成度がAirTagよりも成熟している印象を筆者は受けた。安価なデバイスなのでAirTagと併用、比較しながら使ってみるのも面白いだろう。