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バイクでiPhoneが壊れるってマジ? Appleが警告するバイクのスマホ事情

スマホをバイクにマウントしてナビ代わりに使っているライダーは多い。しかし、衝撃のニュースが……。「バイクの振動がiPhoneのカメラに影響し、性能低下の恐れがある」とアップルが異例の注意喚起を行ったのだ。どうやらiPhoneのカメラに搭載される光学式手ぶれ補正システムが振動で故障してしまうらしい。

その詳細はどんなものか。さらにAndroidでも発生するのか? アップルジャパン、およびAndroidスマホで国内シェア1位を誇るシャープに話を聞いてみた。

文/沼尾宏明、写真/SHARP、SUZUKI他

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実は数年前からライダーの間で「故障」が噂になっていた

別売のマウントシステムをハンドルなどに取り付け、スマホをナビや音楽プレイヤーとして使うライダーはとても多い。2000年代にはバイク用のナビが存在したものの、スマホの出現により近頃はすっかりマイナーな存在になってしまった。
ところが、近頃「スマホのカメラが壊れた」という話をよく聞く。SR400にiPhoneをマウントして故障した知人がいるし、ネットを検索しても似たような話が後を絶たない。

どんな不具合が起きるかと言うと、「カメラの撮影画面がグラグラ揺れる」「ピントが合わない」「撮影した写真が歪む」といった症状。数年前からiPhoneを中心に起きており、ライダーの間で密かな噂になっていた。

そんな中、「オートバイの高出力エンジンなどの振動を受け続けるとiPhoneのカメラに影響することがある」と題したアナウンスがアップルのサポートページに掲載された。

アップルジャパンの公式HPに掲載された注意喚起。米国では2021年9月10日、日本では同9月15日に掲載されたもの

これによると、特定の周波数範囲で振幅が大きい振動 (とりわけバイクの高出力エンジンによる高振幅振動) が問題。iPhoneが長時間、これらの振動を直接受け続けると、一部iPhoneに採用されている光学式手ぶれ補正 (OIS=Optical Image Stabilization)とクローズドループ方式のオートフォーカス (AF) 機能が低下するという。

したがって、「高出力または大排気量バイクに iPhone を取り付けることは推奨されません」と注意喚起。

一方、原付やスクーターなど小排気量のバイク、電気エンジンを搭載したバイクに iPhoneを取り付けた場合、振動の振幅は比較的小さくなる場合があるが、損傷のリスクを軽減するため、防振マウントの使用を勧めている。それでも「長期にわたる常用は控えた方がよいでしょう」とのことだ。

なおOISは、カメラが誤って動いてもジャイロスコープが感知してレンズ自体を動かし、鮮明な写真が撮れる機構。iPhone 6 Plus以降に搭載されている。

クローズドループ方式AFは、磁気センサーが重力や振動による影響を測定し、レンズ位置を判定することでブレを補正。iPhone XS 以降から採用される。

iPhoneのカメラは年々、繊細かつ複雑化。最新の「13Pro」は3つのレンズを備え、デュアル光学式手ブレ補正、センサーシフト光学式手ブレ補正を備える

光学式手ぶれ補正は、ブレを感知したらレンズかイメージセンサーを三次元的に動かして補正するシステム。上記写真はともにレンズシフト方式だ。写真はTDKより

アップルジャパンに直撃、バイクの出力や排気量の目安は?

果たしてバイクの「特定の周波数」とは、単気筒のように一発が大きい震動なのか、あるいは4気筒のように微細な震動なのか。さらに「高出力エンジン」「大排気量」の目安も気になるところ。また、「長時間」とは、連続で何分ほどなのか、あるいは累積時間なのか?

これらの質問に回答を得るべく、アップルジャパン広報室に問い合わせたところ、「生憎ではございますが、サポートページに掲載していること以上の詳細はお答えしかねます。恐れ入りますが、ご理解いただきますようお願いいたします」との回答だった。

ちなみに、カメラの修理代は正規店で税込3万9380円(iPhone6Plus 筆者調べによる参考価格)。上位機種は4万円台~6万円台となる(筆者調べ)。修理はできたとしても相当に痛い出費だ。

Androidのシャープは「特に事例なし」との回答

iPhoneのライバルであるAndroidはどうなのか? こちらも光学式手ぶれ補正の機種は数多くラインナップされている。が、筆者が調べた限り、故障する事例はあるものの、iPhoneほど多くない印象だ。

そこで、国内のAndroidスマホ市場でシェアトップのシャープに話を聞いてみた。バイク関連の振動でスマホが故障する事例が寄せられているのか、との質問については、「現時点では、類似する事例は寄せられておりません」(シャープ広報担当)とのこと。

バイクにスマホを装着する際に注意すべきポイントとして、「ハード面では特にございませんが、高温になる場所に置かれると電池に影響がでますのでお控えいただきたいと思っております」との回答も得られた。なおシャープでは、「バイクに特定した注意喚起の予定は現時点ではございません」という。

AQUOSを展開するシャープ。豊富なラインナップと機能を有し、国内のAndroid市場ではこの数年トップを維持している

ソフト上で処理する「光学式」の方が振動には強い!

ライダーにとって有益な話も聞けた。「あくまでも原理的な話となりますが、手振れ補正の機能に限れば、機械的な構造(ハードウエア)を具備した光学式の方が故障する可能性は高いと考えます。電子式は、ソフトウェア処理で手振れ補正しているため、機械的な構造のない点では有利です」

「電子式手ぶれ補正」とは、光学式のようにメカでブレを抑えるのではなく、撮影した複数の写真を電子的にずらすことで被写体のブレを抑えるように補正するシステム。

つまりバイクにスマホをマウントしたい人は、「電子式手ぶれ補正」のスマホを使えば故障の可能性が減る、ということになる。

電子式手ぶれ補正は、撮影データをメモリに読み込み、複数の写真を合成して記録する。こちらはキヤノンの仕組み

バイク用に安い中古スマホを調達するのも手

電子式手ぶれ補正のスマホを探してみると、iPhoneはSE(初代)、6など。発売が新しめのSEでも登場は5年以上前。2018年秋頃までの販売なので新品の入手は厳しいだろう。Androidの場合、新品でも低価格帯でいくつか存在した(OPPO・Reno3 A、SHARP・AQUOS sense4など)。

または中古か低スペックのスマホをバイクにマウントし、メインで使っている高性能スマホとテザリングするのも手。高性能スマホは服のポケットやデイパックなど震動の少ない所に入れておけば、ハイスペックを活かせる(マウントした中古スマホは壊れるかもしれないけど……)。

バイクとスマホは今や切っても切り離せない関係。なるべく故障を避けつつ、何とか上手に使っていきたいものだ。

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