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アップル幹部に聞く iPhoneの「ヘルスケア機能」を強化する理由

アップルはいま「ヘルスケア」に関わる機能とサービスの充実に力を入れている。iPhone 13の発売に先がけて提供が始まった「iOS 15」には、3つのヘルスケアに関連する新しい機能がある。

なぜいまヘルスケア領域に注力するのか。その理由を、米アップルのCOO(最高執行責任者)であるジェフ・ウィリアムズ氏、ならびにヘルスケア担当 副社長のサンバル・デサイ医学博士に聞いた。

健康状態を「先回りして知る」流れ

アップルは2014年、iOS 8の標準アプリとして初めてヘルスケアをリリースし、以後iOSが更新されるたびに新機能を増やしてきた。現在はApple Watchのほか、アップルが提供する開発者向けAPI「HealthKit」と連携するサードパーティのデバイスやアプリを巻き込んだヘルスケアの大きなエコシステムに発展している。

iPhoneのユーザーはヘルスケアアプリを開いて、様々な数値やグラフを見ながら自身の健康状態をチェックできる。ヘルスケアと一口に言っても健康の維持と増進、病の兆候を知ることなどユーザーの期待は多岐にわたる。そして、多くの人々は自身の健康を知ることに対しては「受け身」であり、何かの大事が自分ごとにならない限りヘルスケアに思いが及ぶことが少ないものだ。

「ヘルスケアにおいては、連続的に変化を追うことで見えてくる兆候を把握することも大切だ」と、ウィリアムズ氏が強調する。

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックを経て、以前に比べて多くの人々が自身の健康に強く関心を持ち、注意深く振る舞うようにもなった。アップルのヘルスケアに求められる機能や用途も変わりつつあるのだろうか。ウィリアムズ氏は次のように答える。

「多くの人々が日常持ち歩くスマートフォンやスマートウォッチは、今後ユーザーのヘルスケアにとってもっと密接な関係を築き、積極的な役割を担うと考えます。

Apple Watchは発売当時、ユーザーの健康増進意欲をかきたてるアクティブなデバイスになると私たちも確信しました。その後、機能やサービスの拡大とともにユーザーの健康的な生活を支援するための総合的な情報も集まりました。今後はユーザーが自身の連続した健康状態を把握して、先回りしながらケアできるデバイス、あるいは機能が求められると考えています」

ウィリアムズ氏が語る「先回りのヘルスケア」を実現する重要な機能が、最新のiOS 15に搭載された。そのひとつが「歩行安定性」の記録だ。

本来は大がかりな装置を使って記録したり、介護提供者によって質問表や対面調査を通じて評価される歩行安定性のデータが、ユーザーが腰近くのポケットやカバンに入れて持ち歩くiPhoneのモーションセンサーを使って自動的に取得される。

バランス、安定性、筋肉の協調を計測しながら導き出される歩行安定性になぜアップルは着目したのだろうか。

ウィリアムズ氏は歩行安定性を知ることが、「転倒による深刻な怪我のリスクを未然に防ぐために重要なだけでなく、徐々に進行する筋力の衰え、その他の健康を脅かす深刻なリスクの予兆を知るために欠かせない」からであると説明する。ウィリアムズ氏によると、歩行安定性の記録はApple Watchが搭載する転倒検知機能を発展させたものであるという。

「バランスを崩すことなく歩行ができれば転倒もしないであろうという考え方から、アップルは歩行安定性の機能を開発しました。正確なデータに基づく開発のため、アップルとブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびアメリカ心臓協会が連携する形で、2年半以上をかけて10万人を超える歩行データのサンプルを集めて総合的な検証を行ってきました」

ヘルスケアアプリに入り、「歩行安定性」のメニューを開くと、足腰の衰えを意識的に防ぎ、歩行安定性を向上させるためのエクササイズが収録されている。歩行安定性のデータはサードパーティのデベロッパがHealthKitのフレームワークに即してその指標を参照しながら、様々なサービスを開発できる仕組みも整う。

米国から先行する事例が立ち上がっているようだ。ウィリアムズ氏は、歩行安定性の機能が今後ヘルスケアに関わる様々な知見の拡大にも貢献することを期待したいと話している。

iOS 15からは安静時心拍数から睡眠、心肺機能を含む20種類の“自らのトレンド(傾向)”をヘルスケアアプリから俯瞰できる。平均的なユーザーの場合、任意のデータが蓄積されると、およそ数カ月ごとに状態の変化を示すトレンド(=兆候)が発生するという。

アップルが設計したアルゴリズムは、1カ月と6カ月の時間枠で特定のデータタイプを見ることで、短期的および長期的なトレンドが把握できるように作られているそうだ。トレンドの解析はアップルのヘルスケアと連携するサードパーティのデバイスから集まるデータにも適用される。