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フェイスブック、年間100億ドル以上をメタバースに投資へ

フェイスブックは10月25日、第3四半期の決算発表の中で、メタバースの構築に今年だけで少なくとも100億ドル(約1兆1400億円)のコストが必要になると述べた。この費用は、今後数年間でさらに増加する可能性が高いと、マーク・ザッカーバーグはアナリストとの電話会議で語った。

ザッカーバーグにとって、シリコンバレーの最先端の概念であるメタバースは、同社が直面する課題から逃れるための手段でもある。フェイスブックは、30億人以上のユーザーを抱えているが、若者の間での人気はこの10年間で低下している。また、反トラスト法(独占禁止法)関連で厳しい目を向けられる同社は、以前のように新興企業を買収することが難しい。

そのため、フェイスブックは、若いユーザーを呼び戻すための新たなサービスを自ら構築しなければならない。ザッカーバーグは若い層を取り込むために新たな刷新を行うと述べ、その試みが既存の高齢化したユーザーを犠牲にすることにつながることを認めた。

フェイスブックは、すでにメタバースへの注力を公言しており、そのために社名を刷新し、28日の年次カンファレンス「Facebook Connect」で発表すると噂されている。同社は、2014年に買収したオキュラスからVRヘッドセットを提供しており、「Horizon Worlds」と呼ばれる招待制のプラットフォームに、熱心なユーザーを惹きつけたいと考えている。

ザッカーバーグはアナリストに対し、「当社の目標は、次の10年間で、メタバースが10億人に利用され、数十億ドルの取引が行われるようにすることだ」と述べた。しかし、彼は「このプラットフォームを確立するためには、長い道のりが必要だ」と語り、フェイスブックのReality Labsが今後の数年間、赤字を出し続けることになると警告した。

フェイスブックはさらに、メタバースプロジェクトを率いるReality Labsを独立したユニットに移行し、第4四半期からはソーシャルネットワークのアプリ群と、Reality Labsの2つに分けて財務報告を行うと発表した。これにより、投資家はメタバースの成長過程を明確に把握することができる。

ザッカーバーグは、AR/VR担当副社長のアンドリュー・ボズワースを、Reality Labsのトップに任命しており、来年にはCTOに昇格させる予定だ。

メタバースには、フェイスブック以外の企業も注力しているが、その実現には長い時間がかかっている。オキュラスは10年以上前に最初のVRヘッドセットを開発したが、初期のバージョンは高価で不便で、人気のアプリも存在しなかった。サムスンやグーグルなどの競合も、ヘッドセットを開発しているが、完全な没入感を実現するには至っていない。さらに、9年間で40億ドルもの資金を調達したMagic Leapの試みも、ほぼ失敗に終わっている。

また、フェイスブックが1500件近くのAR・VR関連の特許を出願しているのに対し、サムスン、マイクロソフト、ソニーはそれぞれ2000件近くの特許を出願している。

しかし、ザッカーバーグはメタバースの推進のために巨費を投じることを躊躇していない。「我々は、メタバースがモバイルインターネットの後継者になり、現在よりもはるかに大きなクリエイティブ・エコノミーを解き放つものだと考えている」と25日に彼は述べ、メタバースが今後10年間の重要な柱になると語った。