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【西田宗千佳のイマトミライ】Xperia PRO-I・Pixel 6・Galaxy Z Fold3。バラエティ広がるハイエンドAndroid

今年のAndroidスマートフォンを俯瞰すると、「バラエティの広さ」が際立っている。あくまで付加価値を追求できるハイエンドに関してのことではあるが、メーカーによって方向性に変化が大きくなっている。

スマホは変化が出しづらい製品ではある。だがその中で、各社の持つ強みを出す形でハイエンドスマホが作られているのは良いことだ。

今回は、今年後半のハイエンドスマホを俯瞰して、各社の発想を見ていこう。

スマホを使ったカメラ「Xperia PRO-I」

先週発表され、話題を集めたのがソニーモバイルの「Xperia PRO-I」だ。

発表に合わせてメディア向けの体験会も開かれたので、そこで撮影した本体写真もご紹介したい。

Xperia PRO-Iは「1インチセンサーを使い、カメラに特化したスマートフォン」という言い方がされる。だが、触ってみると、それも正しい説明ではないように思う。Vlog撮影を含め、「大型のセンサーを使って撮影しやすい条件」が求められるシーンに合わせたスマホ、といった方がいい。

Xperia PRO-Iは「1インチセンサー」が注目されているが、実際にはセンサーの全域を使っているわけではなく、約2,100万画素のセンサーのうち、約1,200万画素の領域をクロップして使っている。

Xperia PRO-Iのセンサー。「RX100VII」に使われているセンサーを使いつつ、静止画の場合には、約1,200万画素の領域をクロップして使っている

理由は、撮影領域の90%という、カバーエリアの広い像面位相差AFを搭載することだ。リアルタイム瞳AFなども使っており、領域が狭い方が処理速度は稼げる。その上で、センサーサイズ自体は大きいので、円形の絞りを使って光学的なぼけ味を実現することもできる。なお、静止画では約1,200万画素だが、動画撮影時や手ぶれ補正などではその外側の領域も使っている。

F値を切り替えると円形の絞りが切り替わる。大きく開いているのがF2.0、絞っているのがF4.0の時

要は、スマホで使いやすいバランスを考えた上で「求められる撮影の要素」を高いレベルで実現しようとしたのがXperia PRO-I、ということになる。周辺機器である「Vlog Monitor」も、Xperia PRO-IでVlogをやるために必要な要素を細かく分析して作られている。

極論すれば、「カメラがすごいスマホ」ではなく、「スマホを応用して作られたカメラ」の一つがXperia PRO-Iなのだ。1インチにフォーカスしたプロモーションはちょっと本質からズレているようにも思う。

同じようなアプローチとして、今年の前半にライカがシャープと組んで作った「Leitz Phone 1」がある。こちらもソニーの1インチセンサーを採用し、「ライカのカメラ」として作られたものである。

シャープが製造・設計し、ライカが企画とチューニングを担当した「Leitz Phone 1」。7月にソフトバンクより発売

Xperia PRO-Iがビデオを含めた「機動性の高いカメラ」として作られているのに対し、Leitz Phone 1はちょっとクセがあり、じっくり使うカメラになっていたように思う。

機械学習という強みを活かした「Pixel 6」

それに対し、「スマホの一要素」としてカメラを作っているのがGoogleのPixel 6シリーズだ。

Pixel 6シリーズ。左がPixel 6、右が4倍光学望遠で120Hz対応の「Pixel 6 Pro」

自動で一部を消す「消しゴムマジック」のような機能はその一例だ。真っ先にアドビがソフトで「Photoshop Camera」あたりに実装しそうな内容だが、GoogleはGoogleフォトに載せてきた。

同業者の間では「レコーダー」機能の日本語書き起こしが話題だが、確かにすごい。実際に取材にも使ってみたが、「完璧からは程遠いが、これでもちゃんと中身があとからわかる」「自分語りの書き起こしなら9割くらいそのままで使える」という感じだろうか。これがオンデバイスで、クラウドを使わずに使えるのはすごい。