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AIモデルのストレステストを行うRobust IntelligenceがシリーズBで約34億円調達

企業のAIモデルのストレステストを支援し、失敗を未然に防ぐAIスタートアップのRobust Intelligence(ロバスト・インテリジェンス)は、米国時間12月9日、Tiger Global(タイガー・グローバル)が主導する3000万ドル(約34億円)のシリーズB資金調達ラウンドを実施したことを発表した。このオーバーサブスクライブされたラウンドには、同社のシリーズAラウンドを主導した前回の投資家であるSequoia(セコイア)の他、Harpoon Venture Capital(ハープーン・ベンチャー・キャピタル)およびEngineering Capital(エンジニアリング・キャピタル)も参加している。

同社は、ハーバード大学のコンピュータサイエンスおよび応用数学の終身教授であるYaron Singer(ヤロン・シンガー)と、彼の元学生である大柴行人氏が共同で設立した。

シンガー氏は「AIはこれまで学術的な試みでした。私が大学院に通っていた頃は、AIは学術的な学問であり、ビジョンでした。その後、インターネット、データ、Google、データ処理が登場し、7、8年の間にその可能性に気づくこととなりました。今、私たちは、AI開発をソフトウェア開発と同じくらい厳密に行おうとしています。ソフトウェア開発は人類が60年前からやっていることですよね。それに私たちはAIを追いつかせようとしていますが、AIはまったく別の生き物です」と述べている。

シンガー氏が指摘するように、統計的な性質を持つAIは、予想外の行動を示すことがある。同社の使命は、このようなAIのミスをなくすことにある。

これを可能にするために「ロバスト・インテリジェンス・モデル・エンジン(RIME)」と呼ばれる、AIファイアウォールを核としたシステムをユーザーに提供している。このファイアウォールは、企業のAIモデルを包み込み、これらのモデルを常にストレステストすることで、ミスの発生を防ぐことができる。

「AIモデルとデータがあれば、ボタンをクリックするだけでストレステストを実行します。モデルが本番段階に入る前も、本番中も、データとAIモデルを自動的にテストします」とシンガー氏はいう。ここでのアイデアは、任意のモデルの故障モードを自動的に見つけるだけでなく、データドリフトなどの問題や関連する問題をキャッチすることだ。

ここで興味深いのは、AIファイアウォール自体が、あるデータポイントが間違った予測につながるかどうかを予測するAIモデルだということだ。「これは、AIや機械学習において、解決しようとしている最も難しい問題の1つです」。とシンガー氏は説明する。

Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・カーティウス)氏は「私がRobust Intelligenceの能力に初めて触れたのは、同社の初期開発段階でした。過去1年間に同社とその製品が成長するのを見て、同社の提供する製品がAIの信頼性のあり方を変えていることが明らかになり、我々Tiger Globalが重要なリソースを提供できると確信しました」。と語っている。

同社は、今回の資金調達を営業活動の拡大に充てる予定だが、大半は製品とエンジニアリングに充てられる。