近年、映像技術がますます発達しています。たとえばテレビの分野では、2003年にデジタル放送が導入開始され、それまでのアナログ放送とは全く異なる映像体験をお茶の間にもたらしました。そして現在では「4K放送」という言葉も世に広まり、2020年に控えたオリンピックの影響もあって人気を博しています。
4Kが主流になりつつあるのはテレビだけではありません。パソコンを普段よく使う方であれば、パソコンを4Kモニターに変えることを検討している人も多いのではないでしょうか。
アナログ放送からデジタル放送に移行したときの感動を覚えている方も多いでしょう。しかし、パソコンを現在主流のフルHDから4Kに変えたら一体どうなるのでしょうか。
特に、繊細なグラフィックが魅力的なPCゲームをプレイしている方にとって画質というのはとても大切ですよね。ゲームの世界にどっぷりつかり、よいスコアとあげるためにも、4Kモニターについてより深く知って自分に最適な商品を選びたいものです。
そこでこの記事では、4Kモニターの魅力や注意点についてまとめるとともに、4Kモニターのおすすめ商品についてもまとめてみました。
4Kモニターへの買い替えを考えている方のお役に立てれば幸いです。
4Kモニターならではの機能やメリット
4Kモニターに変えるともっときれいに映像が見られるというのはなんとなく感覚としてはわかりますが、実際どのくらいきれいなのでしょうか?4Kモニターの魅力を理解するために、まずは「解像度」について知っておきましょう。
解像度というのは、画像の細かさであり、もっと平たくいうのであれば画像を構成している「点」の多さのことです。「点」が多ければ多いほど、よりこまかく画像を表現することができるようになり、「画質が良い」ということになります。
大きな画面で表示してもぼやけず、細部まできれいなまま見ることができるので、これまでもより快適にパソコンを使うことができるのです。
この解像度は横×縦の画素数であらわされます。現在一般的なモニターはフルHDというのですが、このフルHDの解像度は2K(1440×1080)です。
4Kモニターは規格が4K UHDTV(3840×2160)とDCI4K(4096×2304)の2つがあるようですが、一般的な4Kモニターは前者、iPadのMacには後者が多く採用されています。
つまり、単純計算でフルHDの4倍もの解像度を持っている、言い換えるとこれまでの4倍きれいな映像が見られるということです。
パソコンを4Kモニターに変えることによって、生まれるメリットは、単に画面がきれいだという点にとどまりません。
たとえばパソコンでオフィス文書を閲覧するとき、テキストが若干読みづらいと感じたことはありませんか?4Kモニターであれば文字がよりくっきり表示されるので、ストレスなく文章を読むことができます。
また、1台のパソコンで複数のディスプレイを使う「マルチディスプレイ」を検討している方にも、4Kモニターはおすすめです。4Kモニターの高解像度を活かし、1枚のモニターで最大4つまで違う画面を同時に表示することができるのです。
従来のフルHDによるマルチディスプレイは、確かに便利ではありますが、ディスプレイの数が増えるぶんスペースも多く取ります。加えて、視線移動が増えることによって目や肩の疲れが増してしまうというデメリットもあります。
一方、4Kモニターであれば1枚のディスプレイをマルチディスプレイのように使用することができるのです。健康面と効率面のどちらの観点から考えても、ぜひとも4Kモニターを導入したいですよね。
また、疑似解像度を使用することができるのも4Kモニター―の魅力的です。疑似画像度というのを簡単に説明すると、そのパソコンの解像度ではない解像度を設定することによって、対象をより小さく表示させることができるということです。画質の良さを保ったままパソコンの画面の作業領域を広げることができるのは、大きなメリットですよね。
4Kモニターの購入にあたって注意しておきたいこと
さまざまなメリットがある4Kモニターですが、注意しなければならないこともあります。4Kモニターを購入するまえに、デメリットや注意点を知っておきましょう。
4Kモニターのデメリットとしてあげられるひとつは、グラフィックボードやその他の周辺機器を購入しなければならない場合があるということです。
グラフィックボードというのは、モニター(ディスプレイ)に画像を表示させるための部品のことです。実はグラフィックボードそのものだけでなく、ほかの部品にも「オンボードグラフィック」という部品が搭載されています。そのため、グラフィックボードがなくても表示させること自体は可能です。
しかし、動画やゲーム画面を4Kで表示させたい、画面をこまかく分割したいという場合は4K対応の独立したグラフィックボードを購入することが必要です。逆をいえば、せっかく4Kモニターを購入しても、グラフィックボードが4Kに対応していないとあまり意味がないということになります。
4Kのグラフィックボードは安いもので2万円台後半からあるようですが、全体的には7~8万円台が主流のようです。4Kモニターを購入する際の予算は人それぞれだと思いますが、4Kのグラフィックボードを購入する場合はその費用も発生するので注意が必要です。
また、4Kを視聴するにはそれに対応した回線速度も必要です。必要な回線速度に達していないと、動画視聴やゲームプレイの最中にカクカクした感じになってしまいます。
たとえばYouTubeを4Kで視聴する際には、25Mbps~40Mbpsの回線速度が必要です。フルHDであれば3~5Mbps程度ですので、かなり大きな差がありますよね。
自分の回線速度はパソコンから簡単に調べることができます。たとえばWindows10の場合は「ネットワークと共有センター」内の「イーサネット2」をクリックして確認します。「速度」の右側にある数値が回線速度です。
デメリットとして「文字が小さくなる」というのもよくある声です。先ほど4Kモニターのメリットとして作業範囲を広げることができるとご紹介しました。しかし、作業範囲を広げると文字が小さくなってしまい、文字を大きくすると作業範囲が小さくなってしまうと感じている方が多いようです。
OSとブラウザの両方のズームを拡大させると解決できるようですが、快適に使用するために購入したのに、自分で設定しなけれならないというのは確かにデメリットですね。
このようにデメリットとしてあげられる点を総括すると、「4Kでパソコンを快適に使用するためには、4Kモニターを購入するだけでは不十分である」ということになりそうです。
4Kモニターの周辺機器の購入資金や快適に視聴するための設定の手間さえクリアできるのであれば、4Kモニターを購入するメリットは十分にあるのではないでしょうか。自分のお財布やこだわりと照らし合わせて、満足のいく4Kモニターを購入したいですよね。
2019-12-25 02:50:49