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アップルが考える2020年のコンピュータ

iPadは10年ごしで「コンピュータ」になってきた Apple

2010年にiPadが登場した時、「PCは死んだ」と声高に叫ばれていました。The New Republicの「The PC Officially Died Today」という記事は、Steve JobsがiPadを、ソファに座ってデモした1月27日に掲載されたものです。

CNNもForbesもWiredもそう書いたし、誰もが「iPadによってコンピュータは消えゆく存在になるんだ」「ソファに腰掛けてタッチ操作で、いまコンピュータでやっていたことがこなせるんだ」という夢を抱いたことは間違いありません。

しかしそれから10年近くが過ぎようとしている今日を見ると、かなり違った景色が広がっています。iPadは2014年を境に3年間の低迷を経て、ようやく復活の兆しを見せ始めました。

またPCはゲーム市場向けにハイエンドモデルが伸び、モバイルモデルを中心に2in1やデタッチャブルといった、モバイルノートパソコンとタブレットを掛け合わせたような形態進化を遂げ、いずれもMac失権を演出しています。

もう少し整理すると、iPadの登場で危機感をおぼえたPCが、ゲーミング需要を満たすグラフィックスを中心とした処理性能に特化したモデルをそろえ、結果的にクリエイティブプロの市場をMacから奪いました。またアップルはiPadとMacの融合は「ない」と繰り返し述べたことで、タッチ操作もしたいがPCソフトも動かしたいという需要は、WindowsベースのモバイルPCのみが選択肢となりました。

ちょうど2016年頃にユーザーや株主から「Mac軽視」の批判が上がってきましたが、その頃にはすべて済んでいた出来事だった、と振り返ることができます。

●iPadの転換点は2018年

少なくと、筆者の2019年を振り返るとYesとしか言いようがありません。2018年モデルのiPad Pro 12.9インチはすでに「メインマシン」。本連載の原稿もほとんどがiPadで書かれた原稿でしたし、プレゼンテーションも、写真の編集も、画像作成も、iPadのアプリの方が効率的にこなせるようになりました。

おなじみとなったMarkdownエディタのUlyssesと、Adobe Lightroom / Spark / Premiere Rush、そして今年加わったPhotoshopも、iPadでのコンテンツ制作の自由度を高めてくれています。またiPadOSのウェブブラウザSafariがユーザーエージェントで「Mac」として振る舞うようになり、Webアプリを使うためにMacを持ち出す必要もなくなりました。

個人的な経験としても、アプリケーションの充実からしても、やはり2018年はiPadがメインマシンを張れるようになる境目だった、と認識して良さそうです。裏を返せば、2010年の予測は、2018年までは予測でしかなく、実感を持ったPCのリプレイスたり得なかった、ということです。

筆者は2001年からMacをメインマシンにしてきましたので、2018年にメインマシンの座をMacからiPadへと引き渡すことになりました。しかし同時にSurface Goを手放すことはできません。Surface Goの非力さからすると、長時間仕事をしようとは思えないのですが、日本のオンラインバンキングを利用する上でWindows、というかInternet Explorerが手放せず……。

外的要因とはいえ、Macは起動しなくてもいいがWindowsは必要、という皮肉な結果となりました。

●Mac復権はパフォーマンス

アップルはMac軽視の批判があった2016年以降、Mac全体のアップデートに取り組んでいます。2016年はMacBook Proシリーズを、バタフライキーボードとThunderbolt 3ポート、Touch Barを採用したラインへ刷新しました。

バタフライキーボードは毎年改良が重ねられましたが、ついに2019年に登場した16インチMacBook Proでシザー方式のMagic Keyboardへと転換されました。その16インチモデルはグラフィックスの大幅な強化によって、モバイルでビデオ編集を行いたいユーザーを惹きつけました。

2018年にはMacBook Airが刷新され、またMac miniが超小型ワークステーションといえるだけのパフォーマンスを備えるアップデートを受けるなど、低価格帯のMac製品も充実しました。

問題となっていたハイパフォーマンスモデルは、2017年末にはiMac Proリリースから改革が始まりました。2年たっても最新のMac Proに次ぐパフォーマンスを維持した一体型モデルは、当時をふりかえればコストパフォーマンスに優れた製品だったと言えます。

Mac Proは2019年についに刷新され、6K解像度でコントラスト比100万:1を実現するProDisplay XDRとともに、Macの最上位モデルが出揃いました。

こうして2019年までの3年間をかけて、Macラインアップ全体を一通り刷新することになりました。MacBook Airを除いて、いずれの製品もパフォーマンスの高さを重視する構成へと移行しています。これは、iPadの存在感の高まりの中で、Macがどんなキャラクターを持って発展するか、を表しているようです。

●2020年のコンピュータ

アップルはiPadとMacを融合させない、という判断を、今後も貫いていくことになるでしょう。その理由は、どちらも売れるから。2019年、iPadもMacも比較的堅調だったのは、長く性能を保てて価格が安いiPadと、よりハイエンドのパフォーマンスを実現するMac、という共存戦略がうまくいったからでしょう。

販売台数はよりiPadが大きくなり、だからこそiPadOSをiOSから切り出したのだと思いますが、Macは単価が上昇していくことで、そのビジネスを維持できるようになっていくと考えているのではないでしょうか。引き続き2020年も、iPadとMacの対比が顕著になっていく施策が見られるのではないか、と期待しています。

その中で一つ注文をつけるとしたら、13インチMacBook Proです。個人的にはあまり嫌いではないバタフライキーボードですが、16インチモデルがMagic Keyboardへ移行したのは少しうらやましい。加えて排熱設計を見直し、より高いパフォーマンスに対応できるボディを手に入れた点は、13インチモデルにも取り入れるべきです。


2019-12-25 19:40:58



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