今年、ギズモード・ジャパン編集部で新しい、新作のiPhoneを買ったのは僕とプロデューサーの尾田だけでした。
日本のギズモードといえばiPhoneです。iPhoneが大好きで、大嫌い。2007年、初代iPhoneの発表当時、初代編集長のいちるさんは、「とにかくiPhoneの情報は隅から隅まで追いつくせ」とギズチームに大号令をかけました。
iPhone 3Gで日本に上陸した2008年以降は、1年に1回、新型iPhoneの発売日に、編集部のほぼ全員がそのiPhoneを買い、ライターといっしょになって開封からファーストインプレッションまで、新型iPhoneのあらゆることを書いていく。その恒例行事は今でも続いています。
ですが、iPhone 6sのときくらいからでしょうか、「今年は買わない」「おれ、無印の年で変えるから」「成熟したSの年で」と編集部やライターが新型のiPhoneを買う頻度が顕著に落ちていったように思います。
その後、10周年のiPhone Xで燃料が足されたものの、去年や今年は、もはやギズモードで新作のiPhoneを買うのは少数派。去年なんてiPhoneを買ったら、なぜ買ったのかをインタビューされて記事になったほどです。
そして、もうiPhoneを特別なものとは思っていない編集者が多数派な気がします。実際に聞いて回ったわけじゃないけど。
そんななか、僕は今年も、iPhoneを買いました。iPhone 3Gからだいたい毎年買っています。だいたいというのは、ホワイトモデルを待ちつづけた結果、iPhone 4をスルーしたからですね。おととしはiPhone 8も、iPhone Xも買いました。ちなみにiPhone SEは買ってません。
で、毎年、なんで買ったかと聞かれると、惰性だけどね、と答えています。でも、そのことばをピンチアウトで拡大していけば、ことばは尽くせるわけです。
iPhoneはテックの中心地であり、公園です。標準値。ベンチマーク。そしてAppleというブランドが、どんなものを新作のiPhoneと名付けて発表するのか。それを純粋な1ユーザーとして知りたい、知っておきたい、体験しておきたい。そして、僕はそれがギズモードをつくる助けになるとも思ってます。iPhoneを買わない理由を知ることも、同じくです。
ただ、来年、同じように新作のiPhoneを買うかと言われると、キーボードを打つ手が止まり、目線は窓の外に向かいます。
来年、iPhoneとどう付き合うのか、僕自身も少し楽しみです。
※ほかに今年買ったもの:Kindle Oasis、WF-1000XM3、AirPods、AirPods Pro、Oculus Quest、α7 RIII、Slice Charge(充電マット)
2019-12-29 02:27:48