今後ますます増加するといわれる訪日外国人が、日本でも言葉の壁を感じず、スムーズなコミュニケーションを可能とする「多言語音声翻訳技術」が、総務省と国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)主導で開発・推進されている。そのアイデアを審査する「多言語音声翻訳アイデアコンテスト(第2回)」の結果が先日発表された。受賞した8つの興味深いアイデアを紹介する。
2019年度 多言語音声翻訳アイデアコンテストの受賞アイデア8つ
2019年12月14日、「2019年度 多言語音声翻訳アイデアコンテスト」の審査・表彰式が東京にて行われた。
これは多言語音声翻訳技術の開発・普及に取り組んでいる、総務省と国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)の主催により行われているもの。この多言語音声翻訳アイデアコンテストは面白い発想・アイデアを組み合わせることで、社会変革のイノベーションを起こすことを目的としている。
2019年10月1日から11月20日までの期間に、多くの意欲的な提案が応募された。その中から、最終審査まで残ったのは21組。高校生や大学生から、働きながらアイデアを作り上げた社会人、企業、大学講師まで、さまざまな立場の応募者が会場に集まり、それぞれ個性的なアイデアを披露した。
そして審査の結果、次の8組が優秀賞を受賞した。それぞれのアイデアの内容と受賞者のコメントを見ていこう。
1.加藤優弥さん『多言語音声翻訳アプリを搭載したゲームソフトの開発』
日本のゲームは海外からも高い評価を受けている。現状、日本の個人向けゲームソフトを海外向けにする際は、ゲーム内のセリフをリストアップし、データを他言語に翻訳し、ゲームに再実装している。また販売する言語毎に対応する必要があり、多くの手間がかかる。
この課題を解決するのが、マルチ言語に対応する「多言語音声翻訳アプリ」だ。このアプリを搭載することで、煩雑な海外対応の手間を軽減し、ゲーム文化によるコミュニケーションの増進をはかる。合わせて、赤外線通信による無線イヤホンの具体的な形態も提案。審査員より「ぜひ使ってみたい」という感想を得た。
受賞コメント「僕の提案に対してこんな賞をいただいたことをうれしく思います」
2.「災害情報の一斉放送を考える」『災害情報を音声で伝達 多言語対応型防災無線アプリ「かんたん防災無線」』
2019-12-29 04:10:33