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まるでブドウのように大量の実が成るトマトが遺伝子編集技術で開発される

将来的な食糧不足や宇宙開発を見据えて、農作業に適さない場所でも多く収穫できるような作物の研究が進められています。そんな中、1つの茎に大量の実が成ってまるでブドウのような見た目をしたトマトが、CRISPRシステムを応用した遺伝子編集技術で誕生しました。

新しいトマトを遺伝子編集で生み出したのは、コールド・スプリング・ハーバー研究所のザック・リップマン教授の率いる研究チームです。リップマン教授は「まもなく貯蔵ユニット、高層ビルの屋根、さらには外宇宙で、遺伝子編集された作物が栽培されるようになるかもしれません」と述べ、都市環境や植物の生育に適していない場所でも成長させることができる多種多様な作物を開発することが研究の目的だと述べています。

研究チームは、以前からトマトの芯止まり性に関与する「SELF-PRUNING(SP)遺伝子」と花の形成に関与する「SP5G遺伝子」という2つの遺伝子を編集して新種トマトの開発を行っていました。しかし、思ったほどの結果が得られなかったことから、さらに研究を重ねた結果、トマトの茎の長さを制御する「SIER遺伝子」を発見したとのこと。

そこで、研究チームはSP遺伝子、SP5G遺伝子、SIER遺伝子の3種類をCRISPRを応用して編集し、「茎が短くコンパクトで、収穫量の多いトマト」を開発することに成功したそうです。

以下の画像の左に写っているのはSP遺伝子とSP5G遺伝子の2種類を編集したトマトで、細く短い茎に実が成っています。一方、右のトマトはSIER遺伝子も加えた3種類の遺伝子を編集した種で、何本もの太く短い茎がまるで花束のように束ねられ、その茎にはブドウのように大量の実が成っています。肝心の味については、リップマン教授は「サイズは小さいですが、味はいいです。ただし、もちろん個人の好みによります」とコメント。

これまでにも気候条件を制御可能な施設の中で農作物を栽培する試みは行われており、一部は実用化もされているものの、栽培されるのはレタスのような葉菜類がほとんどだったとのこと。コールド・スプリング・ハーバー研究所は「CRISPRを応用したおかげで、困難な環境でも理想的なトマトを作り出すことができました」と述べ、実験農業プラントの様子をムービーで公開しています。

都市部や宇宙基地の農業プラントで求められるのは、1株ごとの作付面積が小さくかつ収穫量の多い作物です。リップマン教授の率いる研究チームが開発したブドウのようなトマトは、まさにその条件を満たす作物だといえます。リップマン教授は今回の研究で使った遺伝子編集技術をキウイのような他の果樹にも応用したいと語り、「NASAの科学者も私たちが開発した新しいトマトに興味を示しています」と述べました。

また、今回の研究で最も重要なことは「新種の作物が環境に優しいこと」だと研究チームは論じています。「植物がコンパクトであるということは、農地として開墾される森が減り、肥料の量も抑えられるということを意味します。また、植物がコンパクトになり収穫量が増えることは、農業による二酸化炭素排出量の削減につながります」とリップマン教授は説明しました。