今や普通になってきた完全独立型イヤフォン。初めて製品をみたときはこういうのがほしかった! とテンションが上がったものだが、出始めのころは音質や音ズレなども多く、視聴してもう少し待とうかな……と思った。
しかし、月日がたって技術が進化したことで、各メーカーから音質が向上し音ズレもほぼなくなった製品が登場しだした。中でも、完全独立型でこの音質はスゴイ! と感じたのが、Jabraの「Jabra Elite Active 65t」。音質だけではなく、動画視聴時の音ズレもないうえに、フィット感も素晴らしく、今でも愛用している完全独立型イヤフォンだ。
そしてその後継機種である最新機種「Jabra Elite 75t」が、11月29日に発売された。価格は2万3800円(税別)。今使っているJabra Elite Active 65tと比べてよりコンパクトになり、駆動時間も伸びているため、かなり気になっている製品だ。今回はJabra Elite 75tを試す機会を得たので、どんなイヤフォンなのか紹介する。
左がJabra Elite 75t、右がJabra Elite Active 65t
よりコンパクトになった本体とケース フィット感も変わらずいい!
本体は約5.5gとコンパクト
Jabra Elite 75tは、Jabra Elite Active 65tと比べてイヤフォン本体もケースも小型化している。本体のサイズはおよそ幅19.4×奥行21.9×高さ16.2mmで、重さは約5.5g。Jabra Elite Active 65tよりも小さく軽くなり、装着したときのおさまりもよくなった。加えて、人間工学に基づいた形状を採用しているため、あらゆる耳の形にフィット感を提供するとしている。
ケースもJabra Elite Active 65tと比べてコンパクトに
これは耳の形は人それぞれなので何ともいえないが、編集部で3~4人捕まえて装着してもらったところ、フィット感に不満を覚える人はおらず、むしろかなり高評価だった。なお、シリコンイヤージェルは、S/M/Lの3種類用意されているので、自分にフィットするものを利用するといいだろう。
シリコンイヤージェルはS/M/Lの3種類
ケースもコンパクトになったことで持ち運びやすくなったほか、従来は楕円だった底面がたいらになっており、机の上などにも置きやすくなった。また、ケースのイヤフォンを収納する部分にマグネットを採用しており、向きさえ合っていればスルッと収納できるのも地味にうれしいポイントだ。
底面が平になった
そして、充電はJabra Elite Active 65tはmicroUSBだったが、Jabra Elite 75tはUSB Type-Cに。フル充電では最大7.5時間、充電ケースを使用すると最大28時間駆動する。Jabra Elite Active 65tと比べて結構駆動時間が長くなっており、ここはかなり買い替えたくなるポイントだった。
というのも、普段使っている分にはJabra Elite Active 65tでも充電切れになることはほぼないのだが、帰省(地元が福岡なので新幹線だと5時間くらいかかる)など、長い移動のときなどに充電が切れてしまうからだ。たまにとはいえ、長時間使う場合に駆動時間が長くなっているのはとてもうれしい。
低音がさらに強化されたJabra Elite Active 65t Hearthrough機能が便利
Jabra Elite 75tは、スピーカーサイズが6mm、周波数帯域(音楽再生時)が20Hz~20KHzで、オーディオコーディックはSBC、AACをサポートしている。Jabra Elite Active 65tは、低・中・高域のバランスがよく、どちらかというと中・高音域の音がよくボーカルやギターの音が鮮明に聞こえるイメージだった。
Jabra Elite 75tは、Jabra Elite Active 65tに比べて低音が強化された感じがする。私はHIPHOP系の音楽をよく聞くため、より一層好みの音になった。ただし、音に関しては好みがあると思う。その場合は、専用アプリ「Jabra Sound+」のイコライザーでカスタマイズも可能だ。プリセットとして「デフォルト」「音声」「低音ブースト」「トレブルブースト」「エネルギー」がそれぞれあるので、そちらを選択するのもありだ。
イコライザーで音のカスタマイズが可能
そして、Jabra Elite 75tはイヤフォンの遮音性を高めて物理的に周りの騒音を遮るパッシブノイズキャンセリングにより、音楽に集中できる。加えて、Jabra Sound+で「Hearthrough(外部音取込)」機能をオンにすれば、周囲の音が聞こえるようになる。音に集中したいときはオンにして、周りの音も聞きたいときはオフにできるのは、とても便利だ。Hearthroughは左側のボタンを1度押せばオン/オフが可能となっている。
Hearthroughをオンにすると、周囲の音が聴きやすくなる
4マイク強化テクノロジーで快適な通話が可能
Jabra Elite 75tは、マイクが優れているのも特徴だ。周囲の邪魔なノイズを除去するために強化された4マイク通話技術で、騒がしい環境でも問題なく通話に応答できる。昔使っていたイヤフォンだと通話相手から何を言っているのかわからないと文句を言われることも結構あったので、イヤフォンを外して通話していたが、Jabra Elite Active 65tないしJabra Elite 75tを使っているときに文句を言われたことはない。
本体のボタンで様々な操作が可能
なお、通話は本体のボタン操作で応答などが可能。ボタン操作では音楽の再生/停止や音量調節なども可能。さらに、Alexa、Siri、Google Assistantに対応しており、右側のボタンを2度押せば起動できる。
主なボタン操作
そのほか、ユニークなのは片方のイヤフォンを耳から取り外すと音楽再生が停止する点。急にイヤフォンを外さなくてはいけないときなど、外すだけで勝手に音楽が止まってくれるのは個人的にはありがたいポイントだ。なお、ケースから取り出したままでも15分接続されない場合、または60分操作がないと自動で電源はオフになる。なお、スリープまでの時間は、Jabra Sound+で15分/30分/60分/120分が選択可能だ。
最大2台まで同時に接続できるのも地味にうれしい。スマートフォンで音楽を聴き、ノートパソコンで動画を観るといった場合に、いちいちペアリングを切り替えなくていいのはありがたい。
オススメした人が即ポチッた音質
Jabra Elite 75tは、フィット感や充電時間もさることながら、やはり一番オススメできるのは音質だ。Jabra Elite 75tを借りて使っているときに最近完全独立型イヤフォンがほしいという人に実際に聞かせてみたところ、その場で注文するということもあったくらいだ。その人は結構イヤフォンの音にはこだわる人で、これはいいね! と即ポチったことにもご満悦の様子だった。
最近は数が増えてきた完全独立型イヤフォン。どれを買っていいかわからないという人は、量販店などでJabra Elite 75tを実際に聞いてみてほしい。価格は2万3800円(税別)とそこそこするが、高品質な完全独立型イヤフォンのなかではリーズナブルな方だろうし、音質を考えるとコスパは高いと思うので、もし音を聞いて気に入ったら購入してみてはいかがだろうか。
2020-01-04 20:12:45