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PayPayでタクシー配車が可能に。新年会帰りにも便利になる!?

キャッシュレス決済サービスの進化が止まらない。いや、この表現はいささか語弊がある。そもそもキャッシュレス決済サービスのアプリは、当初から進化するように設計されているのだ。日本に限らず、世界の「財布アプリ」は巨大化していく。PayPayでは、2019年11月から中国のオンライン配車サービス『DiDi』との連携が始まった。これはDiDiと契約するタクシー会社の車両を、PayPayで呼び出せるというもの。

1月は新年会シーズン。うっかり終電を逃してタクシーのお世話になることもあるだろうが…(※画像はイメージです)

支払いはもちろんPayPayの残高からである。2019年も終わりに迫った頃、キャッシュレス決済サービスは新たな段階を迎えた。

◆苦境の中の日本進出

DiDiは中国国内では、ライドシェアサービスの大手として多大な支持を集めていた。ライドシェアとは、タクシーの営業免許を持たない一般車両と契約し、それを陸運車両としてオンライン配車するシステムである。日本では「白タク」扱いになってしまうが、世界各国ではタクシーよりも安価な交通手段として大いに受け入れられている。

ところが、2018年以降の中国では「ライドシェアの安全性」が議論の対象になっている。それはDiDiのライドシェア車両のドライバーが、乗客女性を殺害したという事件が2件立て続いたことがきっかけだ。さらに、その2件の殺人とは別の強姦事件が相次いで発覚し、DiDiはプラットフォームとしての信頼を失ってしまった。現地の有名女優までが「さようならDiDi」とSNSで発言する始末である。

DiDiの日本進出は、そのような苦境の中での出来事だ。日本でのオペレーションは中国のそれとは違い、既存タクシー会社との契約のみに絞っている。いわば「信頼回復の試金石」としてDiDiは日本市場を選んだ形だ。

※画像は、PayPayのアプリ画面

では、早速DiDiを利用してみよう。先述のように、DiDiはPayPayのアプリから利用することができる。筆者の地元は静岡県静岡市で、ここは12月にDiDi対応エリアになった。PayPayとは別にDiDiのアプリをダウンロードしてアカウントを作成すると、500円分のデジタルクーポンが2回分発行される。タクシー料金の支払いは、もちろんPayPayとの紐付けで対応できる。

待ち合わせ場所と行き先を入力し、配車予約。オーダーに応じてくれるタクシーが見つかったら、あとは待ち合わせ場所で待つだけ。

マップ上で予め行き先を指定しているから、運転中に乗客が細かい指示を出す必要もない。アプリとしての完成度は、やはり実績がある分だけ高い。

◆ドライバーの奮闘

だが、タクシードライバーから見たDiDiは「慣れない新サービス」でもある。

「今のところ、DiDiでタクシーを手配するお客様は海外経験のある方ばかりです。海外では、こういうオンライン配車は当たり前だそうですね?」

そう語るのは、静岡市ではよく知られた地元タクシー会社のドライバーである。首都圏や中京圏はともかく、静岡市のような地方都市では「スマホを使ったタクシー予約」は時代の最先端を行き過ぎたテクノロジーである。そう、「行き過ぎている」のだ。そのため、DiDiの利用者はドライバーの語るように、海外で長期を過ごしたことのある人か外国人がほとんどすべてだそうだ。静岡市民の大部分を占めるであろう「その土地に根付いたネイティブ」の利用は、今のところはまったくと言っていいほどない。

しかし、考えてみればドライバー自身も「その土地のネイティブ」である。だからこそ、いまだ数少ないDiDi利用者から詳しく話を聞いて勉強するしかない。

「業務用アプリの地図に表示されている道程ですけど、これってやたらと遠回りだと思うんですよ。え? 表示通りに進む必要はないんですか? なるほど、分かりました!」

筆者のアドバイスを必死で習得しようとするドライバーの奮闘が、よく伝わってくる。首都圏と中京圏の境にある静岡市は、独特の雰囲気の都市でもある。東京や名古屋で起こっていることは、静岡では起こり得ない。良く言えばマイペース、あえて悪く言えばどこか弛緩している空気が漂う町、それが静岡市だ。だが、そんな町にもオンライン時代の波が押し寄せている。

◆キャッシュレス決済とオンライン配車

さて、今回の記事では「PayPayのアプリからDiDiの配車サービスを利用する方法」を紹介したが、同様のサービスを展開しているのはもちろんPayPayだけではない。d払いはJapanTaxiと連携した配車サービスを行っている。

「オンライン配車後進国」と言われていた日本だが、その中でJapanTaxiと母体の日本交通は早くから「スマホで呼び出せるタクシー」の開発に乗り出していた。しかし、そのサービスが日本人に受け入れられるにはいくつかの鍵が必要だった。「キャッシュレス決済サービスの普及」という要素が、鍵束の中の重要な1本であることは間違いないだろう。<文/澤田真一>

【澤田真一】

ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』