新品互換用パソコン バッテリー、ACアダプタ、ご安心購入!
ノートpcバッテリーの専門店



人気の検索: ADP-18TB | TPC-BA50| FR463

容量 電圧 製品一覧

スペシャル

ソニーが立体音響360 Reality Audioで聴かせる「音楽のミライ」- CES 2020

ソニーは「CES 2020」のブースで、立体音響「360 Reality Audio」に対応したサウンドバーやワイヤレススピーカーの試作機を参考展示していた。ソニーが取り組んでいる360 Reality Audioとはどのようなものか、各コーナーで体験したデモのインプレッションを交えながら改めてお伝えする。

○360 Reality Audioとは?

360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ、以下360RA)は「CES 2019」でソニーが発表した、オブジェクトベースの空間音響技術で実現される音楽体験のことだ。コンテンツの制作時に、アーティストやクリエイターの創造性や音楽性に従い、ボーカル、コーラス、楽器などの音源に位置情報を付けて配置することで、臨場感のある音場を再現。対応機種で再生することにより、「音に包まれ、アーティストが目の前にいるかのような体験が楽しめる」という。

既存のチャンネルベースのサラウンドオーディオと大きく異なるのは、オブジェクトベースの音響技術を採用して、複数スピーカーの位置に制限されずに立体音響を再現できること。360RA音源を再生できるAmazonのスマートスピーカー最上位機「Echo Studio」(2019年12月発売)を見ると分かりやすいが、ホームシアターのような複数のスピーカーを使わず、単体のスピーカーシステムで立体音響を再現できるようになっている。

また、国際標準のMPEG-H 3D Audioに準拠し、音楽配信に最適化したフォーマットになっているため、ソニー以外の他社製品やサービスとの連携も可能だ。

CES 2019での発表後、360RAは技術デモの域を超えて、対応機器の商品化や各種サービスへの導入が進んでいる。欧米など海外ではAmazon MusicやTIDAL、Deezerといったストリーミング配信サービスが360RA音源を配信開始。国内でも、2019年12月からAmazon Musicのプレミアムサービス「Amazon Music HD」において、360RA音楽が「3Dミュージック」音源の一部として提供されており、スマートスピーカーEcho Studioで楽しめる。

なお余談だが、Amazon Music HDの3Dミュージック音源には360RAとは別の規格「Dolby Atmos」を使った楽曲も含まれており、現状ユーザー側では2つのフォーマットの違いを明確に判別できる仕組みが備わっていないことに気をつけたい。

○サウンドバーやワイヤレススピーカーの試作機で360RAを体験

CES 2020のソニーブースでは、360RAを体験できる2つのデモルームを用意。デモルームのひとつは、壁掛けテレビの下にサウンドバー型スピーカーとサブウーファー、さらに後方に2つのリアスピーカーの試作機を設置していた。

デモ音源が流れ始めると、テレビには室内を想定した広いサウンドステージの中で、ボーカルや楽器の音を示すバルーンが動いていく様子が表示され、360RAの立体音響がどのように構成されているかが一目で分かるようになっていた。

続いて、TIDALのライブ映像+立体音源などを再生。歌声や楽器などの異なる音が自分の周囲に立体的に配置される感覚で、一般的なバーチャルサラウンドとは別次元の立体音響だと感じた。まるでライブ会場の中の席にいてアーティストを目の当たりにしているような気分が味わえた。

もうひとつのデモルームでは、コンパクトな円筒形のワイヤレススピーカー1台で360RAの立体音響を体験できた。こちらの小型スピーカーも試作機で、デモルーム内のどこにいても音楽の聞こえ方が大きく変化しないことがメリットだ。

サウンドバー型スピーカーがある部屋のほうがリッチなユニット構成だったので、迫力ある立体音響体験はそちらのほうに数歩譲ってしまう感はあった。だが、小型スピーカーによって部屋中に音楽が満たされていき、ながら聞きでも立体音響が味わえる点は「360RAが日常的に当たり前に存在する生活」をイメージしやすいと感じた。

ソニーブースの360RA関連では、既存のワイヤレスヘッドホン「WI-1000XM3」とデモ用スマートフォンを使って360RAを体験できるコーナーもあった。

さらに、CES 2020で大きな注目を集めたソニー「VISION-S」のコンセプトカーも360RAをサポート。限られた招待者のみではあったが、試作車の車内で360度オーディオを体験できたようである。「できたようだ」と伝聞調になってしまうのは、試作車は前方席のみが360RA対応になっており、後部座席に座った筆者は残念ながら車内で360RA体験ができなかったためだ。

ソニーが今回のデモで使用した360RA対応のサウンドバーと小型スピーカーは、いずれも製品化は未定とのことだが、CES 2020で行われていたデモからは360 Reality Audioを次の音楽体験として普及させたい考えを持っていることが伝わった。今のところ、国内で360 Reality Audioを手軽に体験できるサービス・デバイスはAmazon Music HDとEcho Studioに限られているが、本家ソニーのオーディオ製品や音楽配信サービスもいち早く対応して、手軽に立体音響を楽しめる環境が整うことに期待したい。