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アップル、元iPhoneプロセッサ開発リーダーとの訴訟で有利な暫定判決。勤務中の起業準備は認められず

昨年末、アップルはiPhoneの中核となるAシリーズチップの開発を率いてきた元従業員が契約違反を犯していたとして提訴しました。

そして20日(米現地時間)、事件を担当するサンタクララ郡上級裁判所のマーク・ピアス判事がアップルに有利な暫定判決を下し、裁判が継続されると報じられています。提訴されたジェラルド・ウィリアムズIII(Gerard Williams III)氏は、iPhone 5sに搭載されたA7からiPad Pro(2018)のA12Xまでの開発をリードしてきた人物のひとり。同社のSoCにおいて様々なパーツのレイアウト監督も務めていたとされるほど重要な役割を占めていました。

2018年初めにアップルを退職したウィリアムズ氏は、2人の元アップル幹部を誘って新たな半導体スタートアップNuviaを設立。アップルでの勤務中、その計画を隠して自分の会社を創れるよう(会社をアップルに買収させることの期待を含めて)iPhoneプロセッサの設計を操作していたことや、他のスタッフも引き抜こうとした行いが雇用契約違反として訴えられていました。

こうしたアップルの主張に対して、ウィリアムズ氏はそもそもアップルの雇用契約条項が米カリフォルニア州の禁止する競業禁止契約に等しいとして、法的強制力がないと主張しています。

さらにアップルが法廷に提出しているウィリアムズ氏の社内テキストメッセージ(他の従業員とやり取りしたもの)は「非常に偏執的なiPhoneメーカーによって違法に収集された」として、証拠として採用しないよう求めていた次第です。

まず前者については、ピアス判事は「従業員が雇用主の時間とリソースを使う場合、退社前に競合する企業を計画して準備することは許可されない」との判断を述べています。つまり勤務時間内に給料をもらいながら、雇い主と競合する企業の創業準備はしてはいけないということです。

そして後者、すなわちウィリアムズ氏が「アップルで取り組んでいた技術を元に新会社を立ち上げるつもりで、アップルはそれを必要としているため買収する以外には選択肢がない」と自慢していた趣旨を含むテキストメッセージに関しては、プライバシー侵害はなかったとの判断です。「テキストメッセージが秘密の通信を盗聴したり記録した結果として得られたと主張する苦情には根拠がない」と述べられています。

その一方で、判事は懲罰的損害賠償を求めるアップルの主張を却下しています。ウィリアムズ氏が不誠実な行いにより、意図的にアップルに危害を加えようとしたことは証明されていないとのことです。

今回の暫定判決はアップルの訴えにおける本案(民事訴訟における主要な請求)には言及されていませんが、これが最終決定になった場合は、同社は公判前に情報共有を進められるとされています。

ウィリアムズ氏側の弁護士は、アップルは従業員が在籍中に新たなビジネスのアイディアを思いついただけで訴えることはできないと主張し、聴聞会では異議を唱えると語っています。

訴訟のゆくえはまだ不透明ではありますが、アップルにとって独自開発チップは競合他社と製品を差別化するための最大の武器です。長年の功労者に対する厳しめとも思える訴えも、社内の従業員に向けての「わが社に忠実であれ」というメッセージを含んでいるのかもしれません。