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原発の放射性廃棄物を電池としてリサイクルできる「ダイヤモンド電池」の研究が進んでいる

原子力発電などに伴って発生する放射性廃棄物は、産業利用が終わった後も継続して有害な放射線を放出しているため、厳重な取扱いが必要です。そんな放射性廃棄物を電池としてリサイクルする、「ダイヤモンド電池」の研究が進んでいます。

原子力エネルギーを利用した原子力発電は排出する二酸化炭素量が少なく、火力発電などと比較してクリーンな発電方法とされていますが、発電後に残る放射性廃棄物の処理が問題です。たとえば、太平洋上に位置するマーシャル諸島共和国のルニット島には冷戦中にアメリカが残した放射性廃棄物が残されており、プルトニウムが漏れ出している危険性が指摘されています。

そんな中、イギリス・ブリストル大学の研究チームは、核廃棄物を利用して電気を生成する新たな技術を開発しました。2016年に発表されたこの技術は、放射線を放つ物体の近くに置くだけで電荷を生成する「人工ダイヤモンド」を電池として用いるというもの。

研究を率いているブリストル大学で材料科学を研究するトム・スコット教授は、人工ダイヤモンドと放射性廃棄物による発電システムについて、「可動部品も排出物もなく、メンテナンスが不要で、直接発電するだけです。放射性物質をダイヤモンドにカプセル化するだけで、放射性廃棄物の長期的な問題を原子力電池とクリーンエネルギーの長期供給に変えることができます」と述べています。

2016年の時点で、研究チームはニッケルの放射性同位体であるニッケル63を放射線源としたダイヤモンド電池のプロトタイプを作成しており、動作も実証済みです。その後、ダイヤモンド電池の効率を改善するために、研究チームは炭素の放射性同位体である炭素14を用いたダイヤモンド電池を開発したとのこと。炭素14は原子力発電の減速材として用いられた黒鉛から抽出可能であり、使用済みの黒鉛から炭素14を抽出することで放射能が低下し、放射性廃棄物の保管コストが削減できるそうです。

また、研究チームのニール・フォックス氏は炭素14をダイヤモンド電池に利用した点について、「炭素14は短距離放射線を放出しており、これはあらゆる固体材料に素早く吸収されます。人間が摂取したり素肌に触れたりすれば危険ですが、ダイヤモンドの中に保持されていれば短距離放射線が外に逃げられないため安全です」と述べています。

放射性廃棄物を利用したダイヤモンド電池は既存の電池と比較すれば低電力であるものの、電池としての寿命が非常に長いという利点があります。炭素14を使用したダイヤモンド電池が寿命の50%に達するまで5730年かかるとのことで、スコット氏は「これらの電池は交換や充電が不可能な状況で使用されることを想定しています。低電力ですが長寿命の電池が必要な、ペースメーカーや衛星といった電子機器に適用されます」と主張しました。

研究チームは、1989年に運転が停止されて記事作成時点で廃止措置が実施されているバークレー原子力発電所の放射性廃棄物をリサイクルして、ダイヤモンド電池を作成することを計画中。「最終的な目標は、ダイヤモンド電池で使用する炭素14を黒鉛から抽出する拠点を、旧原子力発電所の近くに建設することです」と、スコット氏は述べました。