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さくらと福岡大、世界最速級のハードウェア時刻同期サーバを開発

さくらインターネットは3月17日、私立総合大学の福岡大学と協力し、単体で約10ギガビット/秒(約1300万リクエスト/秒)の高負荷に耐え、Stratum1 NTP(Network Time Protocol)サーバとして働く専用デジタル回路を設計から開発したと発表した。また、開発サーバにて、FPGA(Field Programmable Gate Array)上で動作させて提供する実験を開始している。なお、NTPはstratumと呼ばれる階層構造を持ち、最上位のサーバが高精度な時刻供給源から標準時を取得し、下位のサーバーはそれを参照する事で時刻を合わせるため最上位のNTPサーバはStratum 1と表現される。

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NTPとは、スマートフォンなどを含む、ネットワークに接続される機器において、機器が持つ時計を正しい時刻に同期するための通信プロトコル。

NTPサーバは世界中の機器から到着する時刻同期のリクエストに対し、正しい時刻を応答し続ける役割を持っており、単なる時刻合わせの利便だけでなく、コンピュータ・ネットワーク機器・IoT機器のソフトウェアアップデートのため、NTPサーバのインフラ整備は欠かせないものになっているという。

福岡大学は公開NTPサービスを日本で初めて運用開始し、これまで多くのユーザの利用を支えてきたが、現在はサーバ通信負荷が数百メガビット/秒の規模に増大し、その対策が急務となっている。

将来的に需要が発生する可能性を踏まえ、福岡大学の協力を受け、さくらインターネットは高速な「FPGA ベース・ハードウェアNTPサーバ(Stratum1)」を開発。、汎用コンピュータ上で動作するNTPサーバソフトウェアに代わり、専用デジタル回路化されたNTPサーバと、GNSS信号受信機(GPS/GLONASS/QZSSなどを含む)が生成する情報から基準周波数を作り出すGNSS 同期周波数源回路を合わせた設計で成り立っている。

汎用コンピュータ上で動作する典型的なNTP サーバーは、ネットワーク回線から受け取った通信パケットを一旦メモリなどに蓄積し、ソフトウェアで一つずつ解釈する方式で動作するが、開発したNTPサーバ専用回路はNTPリクエストを含む通信パケットを直接受信し、リアルタイムに応答パケットを作成することができるため高速化を可能としている。

専用回路の動作には、高集積なデジタル回路を後から書き込んで専用チップのように動作させることのできるFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載したサーバ向け拡張カード(FPGA カード)を用いており、FPGA上に該当回路設計を導入することで、専用チップの開発なしに同等の動作を実現できるという。

また、10Gbps イーサネットへの直接アクセスと、時刻源として用いるGNSS信号受信を行うため、FPGAカードに追加装備できる子ボードのプリント基板(10GbE & GNSS コンボ増設カード)を自社設計して装備。特定機能に特化した専用回路の構成とすることで、数十ワットクラスの消費電力で、約10ギガビット/秒のNTPサーバ回路と基準周波数回路をサーバに装着されるPCI-Express カード1枚にまとめることに成功している。

開発に際しては、福岡大学NTP サーバーのバックアップ用回線を用い(2019年9月~11月)、実運用環境に近い状況にて、正しい応答を連続して返し続けられるよう試験とバグ修正を繰り返すことで品質の向上が図られている。

今後、トライアルの実施を予定しており、期間は今年3月~来年3月末日までの1年間に限り、研究・試験などの目的に限定してアクセスすることができる。