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使ってわかった、“意外な”特徴に注目したいLaVie VEGAの「心地よさ」

クリエイターじゃなくても買っていいの?

LaVie VEGAは、NECパーソナルコンピュータ(以下NECPC)が「フォトグラファーに訴求するモデル」とする15.6型ディスプレイ搭載ノートPCだ。アドビシステムズとの連携でAdobe Creative Cloudフォトプランの1年間利用権が標準で付属する他、フォトグラファーをはじめとする「クリエイターの所有感をくすぐる」とNECPCが説明するボディデザインなど、特定のユーザー層に向けた訴求が目立つ。

ただ、その一方で、Core i7-9750HとノートPCとしてはハイエンドのCPUを搭載したことによる処理能力の高さや、主要アプリケーションのショートカットキーをワンアクションで実行できる「プロキー」の導入、そして、有機ELディスプレイに“センター”ポジションを維持したキーボードなど、実際に使ってみると、フォトグラファーなどのクリエイターユーザーのみならず、オフィスワークやホビーユースなど、より多くのユーザー層にも訴求できる「汎用性の高いノートPCの実力」に気が付く場面が多かった。

この記事では、NECPCが訴求するフォトグラファーに向けた評価というより、汎用性の高い15.6型ディスプレイ搭載ノートPCとしての能力を紹介していく。

○脂性の私でも安心して使える“ガラス天板”

LaVie VEGAの分かりやすい特徴として本体のデザインがある。特に、天板に採用した「プレミアムミラーガラス天板」は、本体表面の深みのある青と相まって、文字通り鏡のような光沢感を実現している。このように高級感を演出する「光沢感のある天板」は、多くの場合において触れた指の跡が残りやすい。使い続けているうちにこの指の跡が“幾重にも幾重にも”重なりついて、それはもうギラギラとそれ自体が何かの文様となってしまうことも少なくない。使っている自分は「なんか芸術的」と思っていても周りは「うわー、バッチ汚い気持ち悪い」と感じることがほとんどで、そうなると、本体を持って歩くことがおっくうになるだけでなく、ディスプレイの開け閉めにも神経を使ってしまいがちだ。

LaVie VEGAの天板も、そういう意味で「あー、なんかめんどっちい」と思っていたのだが、使ってみるとこれが思っているほどに指の跡が目立たない。よく見ると指の跡はついているものの、うっすらとしており、かつ、布でふくとすぐに取れる。こうなると、本体を持つときもディスプレイを開け閉めするときも指の跡を気にすることなく、気軽に扱える。それだけで、ノートPCは格段に使いやすくなる。

なお、“ガラス”天板ということで割れたり傷がついたりするのを恐れる人も少なくないだろう。NECPCでは、ガラス素材としてコーニングのGorilla Glass6の採用で強度は十分あることを訴求している。ガラスは一転に集中して負荷をかけると割れそうなイメージがある。しかし、米国ラスベガスにおいて1月に開催した2020 International CESでLaVie VEGAが初めて姿を発表しているが、その展示デモでは天板に鉄球を落下させても傷がつかないことを示していた。

○センターポジションだけじゃない、とにかく使いやすいキーボード

15.6型ディスプレイ搭載ノートPCでは、“テンキー”をキーボード右寄りに用意するモデルが多い。「ワークシートに大量の数字を入力する」という用途において重宝する一方で、文字入力作業では本体、というかディスプレイのセンターとキーボードのホームポジションの位置が左にずれてしまうため、「なんとなく気持ち悪い」「なんとなくタイプしづらい」と感じるユーザーも多い。

LaVie VEGAは、アドビシステムズやMicrosoftの主要アプリケーションのショートカットキーをアサインできる「プロキー」を左端に搭載したおかげで、キーボードのホームポジションを本体のセンターに配置できた。それに合わせてタッチパッドも本体中央に設けている。テンキーを右端に搭載したノートPCと一緒に使っていると(奇遇にもLaVie VEGA評価作業中に別案件で15.6型ディスプレイ搭載ノートPCの検証作業も実施していた)、やはり使い勝手が違う。「気持ち悪くない」「タイプしている時の姿勢が楽」という主観的な評価になるがLaVie VEGAはキータイプ作業がしやすい。

ただ、キータイプ作業がしやすい理由は「キーボードが中央にあるから」だけでない。これはNECPCもあまり訴求していなかったのだが、LaVie VEGAに搭載するキーボードの「タイプした時の感触」が非常に心地よい。これも主観的な評価でとても歯がゆいが、とにかくキーボードがたたきやすい。これほどストレスなくたたき“続けられる”キーボードは、自分の経験上ThinkPad Xシリーズ(X1 Carbonにあらず)以来かもしれない。

一応客観的データを記しておくと、キーピッチは19ミリでキーストロークが1.7ミリ確保している。薄型ボディが必須のモバイルノートPCと比べてキーストロークが長めにとってあるが、それだけでなく、キーをタイプして押し下げるときに必要な力加減やキーが下がりきったときに押した指の力を受け止める感触が適切であることが、キーをタイプしているときの「心地よさ」に貢献している。とはいうものの、どうしても主観的な評価となってしまうので、どんなに言葉を並べても的確に伝えることが難しい。「嗚呼、ThinkPadのキーボードが懐かしい」というユーザーが店頭でLaVie VEGAを見かけることがあったら、ぜひキーボードを試し打ちしてみてほしい。

○“ぎらつき”抑えた有機EL採用ディスプレイ

ディスプレイはサイズが15.6型で解像度は3840×2160ドットを確保する。パネルは有機ELを採用する。NECPCはDCI P3色域カバー率100%など、発色の良さや高いコントラスト比、応答速度の速さを訴求している。個人的に有機ELパネル搭載ノートPCを評価した時の経験から、「有機ELは発色がきつめになるので、サイズの小さなスマートフォンには適していても、サイズの大きいノートPCではちょっと疲れるかな」とこれまでは考えていた。しかし、LaVie VEGAの発色は落ち着いた色合いで、3DMarkやファイナルファンタジーベンチマークなど、ゲームベンチマークテストのような動きの速い、そして、色のコントラストがはっきりしている映像を眺めていても苦痛に感じなかった。そういう意味でも、LaVie VEGAは「使いやすい」ノートPCといえるだろう。

なお、LaVie VEGAにはCPUにAMD Ryzen 7 3750Hを搭載するモデルもあるが、こちらのディスプレイはIPS液晶パネルを採用して解像度は1920×1080ドットとなっている。

●実性能は? 騒音・発熱とセットでベンチマークテスト

○クリエイターでなくても処理能力は必要だ

NECPCは発表会で「高画質な写真もサクサク編集」とLaVie VEGAの処理能力を訴求するが、高い処理能力は別にクリエイターでなくても快適な作業環境を提供する。というわけで、今回も通常と同じベンチマークテストのスコアで検証してみる。今回取り上げる評価機材はLaVie VEGAの最上位構成となる「LV950/RAL」だ。LaVie VEGAには3機種のラインアップがあり、Intelプラットフォーム上位構成のLV950とその下位構成となるLV750、そして、AMDプラットフォームのLV650だ。LV950とLV750は搭載するCPUがどちらもCore i7-9750Hだが、システムメモリ(DD4-2666)の容量がLV950で16GB、LV750で8GBとなっている。なお、ストレージ構成でもLV950が1TB SSD(PCIe接続)とIntel Optaneメモリー32GBの組み合わせなのに対して、LV750では512GB SSD(PCIe接続)とIntel Optaneメモリー32GBの組み合わせとしている。

また、負荷の高いベンチマークテスト「3DMark TimeSpy」を走らせている状況における発生音の大きさとキートップ、パームレスト、底面における表面温度を測定したところ、次のようになった。

LaVie VEGAは処理能力の高いCPUを搭載する一方で2基のファンを組み込んだクーラーユニットを搭載している。そのため、ファンが発する風切り音がうるさくなるのではと予想していたが、実際測定した値はそれほどでもなく、静かな図書館では気になるかもしれないが、オフィスで使う分には気にならないレベルだった。また、キートップとパームレストの表面温度については、キートップで体温を上回る温度となったが、ほんのりと温かい程度で不快ではない。パームレストは30度をほんの少し超える程度でこちらは全く気にならなかった。

NECPCとしてはクリエイター向けのプロユースノートPCに訴求したいノートPCで、確かにそのニーズにはこたえられる実力を持っている(ただし、システムメモリの容量が16GBまでというのは少ないと思うが)が、それだけでなく、クリエイター以外でもスタイルがいい、処理能力が高いノートPCが1台必要であるなら、そして、キーボードの使い心地が最優先というユーザーなら、LaVie VEGAは検討の価値があると思う。