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大学の新学期をいかに迎えるか?

4月から新しい大学で教鞭をとる予定も いまだ見えない状況が多数

筆者はこの4月から、東京都墨田区に新設される「情報経営イノベーション専門職大学」(通称はiU、https://i-u.ac.jp/)で教鞭をとることになっています。

4月に新設される情報経営イノベーション専門職大学。難しい課題とともにスタートすることになりそうです

名前のとおりに、そして自分のバックグラウンドからも、当然テクノロジーに関連する授業をすることになっています。大学について、授業についてはまたおいおい、ご紹介できればと思っています。

それにしても、先ほどから「なっています」という歯切れの悪さがあります。というのも、予定どおりに授業が始められるかどうか、まだ決まっていないからです。

原因はもちろん新型コロナウイルスです。この原稿は3月19日以前、つまり政府から次の判断がある前に書いています。教職員の全体会議は3月15日に開催されており、4月に向けた状況は3月19日を待ってから。宙ぶらりの状況、というわけです。

この状況は新設されるiUだけではなく、世界中の学校が直面している問題です。日本でも3月いっぱいの休校が要請され大きな議論を呼びましたが、個人的にはこの措置は賛成です。諸外国でも市中感染やクラスター防止のため、同様の措置を取っており、人の移動を制限する、より厳しい措置が欧州や米国では始まっています。

しかし対策や補償がないのは大きな問題です。仕事が思うようにできなくなった家庭に対する金銭的な補償ということになります。ただ、フリーランスをフリーターと勘違いしている政府であることに、個人的には失望を隠し切れません。そして、教育が受けれらなくなった子ども、学生に対するサポートがほとんどない点もまた、問題となります。

安易に「ネット授業」と言っても、そのインフラとノウハウが、日本の学校には驚くほど用意されていないのです。そもそも、家にインターネットがあるかどうか、アクセスするデバイスが家族の中で、生徒や学生の数だけ用意できているかどうかが問題です。中学生のお兄さんがタブレットで数学をやっているから、小学生の妹は理科の授業が見られません、では困るわけです。

加えて、特に高校や大学の場合、オンラインの授業で成績をつけていいのか、制度上の問題があり、今回の状況から特別措置を講じるべきなのかどうかもまだわかりません。実際にどうするかという問題、そして制度上の問題など、課題は山積しており、これを4月までにどう解決するか、残された時間を無駄にできない状況です。

新キャンパスで取ろうとしている作戦

一方で、先日の教員会議では、先生方からも不安の声が上がりました。

どんな技術を活用すれば円滑にできるのか? まだ顔を合わせたことがない生徒同士、あるいは生徒と教員で、オンラインでコミュニケーションを取れるかどうか不安というものでした。確かに緊急時に、初めての試みにチャレンジするというのは、不安だしうまくいくかどうかわからないかもしれません。

学校の教務サイドが遠隔授業で行くという方針を立てたとしても、その実現方法まで細かく用意されていない大学もありそうで、この辺りはあと2週間でどう整備していくかが課題と言えます。本当に、新入生が入学式やガイダンスにも集まれない場合はかなり厳しいというのが実感です。

200人以上の新入生を迎える1年目のiUでは、次のような作戦が共有されました。これから試してチューニングしていく必要があると思いますが、一旦共有します。

・研究室を講義室として、教員が一人で授業を行う環境を整える。 ・授業ごとに会議室ホスト用のパソコンを用意し、そのパソコンでZoom会議室=「バーチャル講義室」を立てる。 ・教員は研究室で自分のパソコンから「バーチャル講義室」に入り、学生にも講義室に入ってもらって授業をする。 ・受講生側は発言のタイミング以外はミュートに設定し、チャットで議論やフィードバックを返す。 ・出席、授業の資料や課題、フィードバックなどはLMS(ライニング・マネジメント・システム)を介して行なう。 ・教員と職員はチャットで繋がり、授業前後のコミュニケーションをする。 ・研究室には緊急コールボタンを設置し、これを押してトラブルを職員に伝え、サポートを仰ぐ。 ・学生側のサポートとしてSlackチャンネルを立ち上げ、技術的な問い合わせに随時回答する。

こうする形で、授業は教員が一人で研究室から配信し、授業を時間割通り行う体制を整えるアイディアです。

このように列挙されると、遠隔授業をやったことがない人にとっては不安ばかりが募るかもしれませんが、問題点の多くを解決してくれる方法だと感じています。

多くの場合は接続トラブルが問題です。なかなか教員や学生が参加できず、授業が始められなかったり、Zoomで会議室をホストしている教員のPCがダウンして参加者が全員行き場を失ったりといった問題が起きますが、この辺りをうまく対策できる方法になるのではないかと。実際やってみなければわかりませんが。

学生のネット回線をどうするか

こうした遠隔授業でいつも思うのは、受ける側としても、実施する側としても、スマートフォンやタブレットなど、マルチタスクに向かないデバイスでの不自由さが付きまとうという点です。

システム自体はZoomを使っているため、スマートフォンで参加できないわけではありません。ただ、スマホからチャットにコメントを書き込んだり、Slackなど別アプリのチャットに参加する場合、Zoomの画面から離れなければならなくなります。

やはり、複数のウインドウを表示できるPCなどのデバイス、もしくはスマホとPC・タブレットの2台利用が必要で、このあたりは致し方ないのかなと思います。

もう1つは、アクセスする方法についてです。たとえば、4月に一人暮らしを始めたばかりの学生は、部屋にまだインターネットの固定回線がなかったり、スマホしかネットアクセスの手段がないという人もいるかもしれません。

スマホしかない場合、毎日何時間もビデオ会議で行なわれる授業に参加していれば、すぐにデータ容量一杯まで使い切ってしまうことにもなるでしょう。通信会社の皆さんにおかれましては、ぜひ学生向けに、遠隔授業が行なわれる期間、データ容量の融通をしていただけるとうれしいのですが……。