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シリコンバレー101 第831回 新型コロナ問題で見えてきた検索のこれから、デジタルナレッジマネジメント

米ニュージャージー州が新たに立ち上げた新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)に関するオンライン情報ハブの検索機能が住民から高く評価されている。同州は、デジタルナレッジマネージメント (DKM)を手掛ける米Yextと提携、同社の「Yext Answers」を採用した。実際に検索してみると、その違いは明らかだ。州だけではなく、信頼できる様々なソースからのCOVID-19に関する正確な情報にアクセスでき、疑問を速やかに解決できる。誤った情報の拡大への懸念がこれまでになく高まる中、オンライン検索を通じて正確な情報を届けられるDKMが価値を発揮している。

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「感染したら症状はいつぐらいに現れるの?」「公園で子供を遊ばせのも禁止?」「新型コロナウイルスの感染検査を受けるべきなのか?」等々、様々な疑問の答えを求めて人々は州や連邦政府、ヘルス関係機関のWebサイトを訪れる。しかし、政府機関のサイトは膨大な情報を抱えている上にブラウズしにくく、新型コロナウイルス関連のページにたどり着けたとしても、そこにも情報がありすぎて自分の疑問の答えを見つけられない。そこでサイトの検索機能を使ってみるが、ほとんどが自然言語処理には対応していない。キーワードをいくつか入れて検索しても、COVID-19のFAQページが結果上位に表示されるだけで、あとはキーワードを含むページ、記事やニュースがずらりと並び、目的の答えになかなかリーチできない。

例えば、バスの運転手など公共で働かなければならない人が感染を防ぐ方法を知りたくても、「How can I protect myself from getting the coronavirus?」(コロナウイルスからどうやって自分のみを守れるの?)というシンプルな疑問の答えすら州や連邦政府のサイトからすぐに引き出せない。Googleだったら自然言語で質問文のまま検索できる。ただ、コロナウイルスに関してGoogleが優先的に対応を進めた今でこそ政府やヘルス関係機関からの情報を中心に重要な情報が上位に集中するようになったが、以前はSEO最適化されたアドバイスやハウツー記事で結果上位が入り乱れ、検索者が危うい情報にリーチしてしまうリスクがあった。

州や政府機関のWebサイトにおいて、Google検索を使うようにシンプルに、そして的確に目的の情報を得られるのが望ましい。ニュージャージー州のCOVID-19サイトは自然言語検索に対応している。下の画像は「How can I protect myself from getting the coronavirus?」と検索した結果だ。ニュージャージー州の情報と第三者の情報をひと目で目分けられるように分類。他にも、米国疾病予防管理センター (CDC)の情報だけに絞り込むオプションが用意されている。最大の特徴は結果の表示方法だ。リンクを並べるのではなく、検索に対して質問例から情報にアクセスできるように結果を表示する。

「(NJ州の情報)COVID-19/新型コロナウイルスから身を守る方法は?」→ 情報
「(NJ州の情報)職場外でウイルスにさらされて自己隔離を命じられた人に対する公的補助は?」→ 情報

結果に質問例というのを変に思うかもしれないが、例えば「coronavirus protect」とキーワード検索した時に「公的ヘルスの注意事項」という見出しでページリンクが検索結果に並ぶより、「新型コロナウイルスから身を守る方法は?」のような情報に関連する「よくある質問」で示した方が、検索者にとっては情報が自分の疑問に対する答えなのか判断しやすい。

ニュージャージー州のCOVID-19サイトの背後にあるのは、Yextの自然言語処理と独自のナレッジグラフだ。同社が手掛けるデジタルナレッジマネジメントとは、正しいオンライン情報の提供をコントロールすること。製品やビジネスに対する疑問を解決するために、昔の消費者は製品サポートに電話したり、店に直接問い合わせていた。それが今は検索で済ましている。ところが、Yextによると、オンラインで公開されているブランドに関する情報のうち、正しいものはわずか35%。企業やブランドはそこにしっかり対応していかないと、検索から誤った情報、事実に基づかない情報が消費者に広まるリスクを抱えることになる。公式サイトで正しい情報を得てもらうのがソリューションの1つになるが、それも消費者やユーザーがサイトを使いこなせてこそだ。Yext Answersは、公式サイトのサイト内検索を使って消費者やユーザーが目的の情報を容易に引き出せるようにすることで、正しい情報へのアクセスをサポートする。

Yextのソリューションはサイト内検索だけではない。同社が最初に注目されるきっかけになったのは「ナレッジネットワーク」という技術だった。Google、Facebook、Instagram、Uber Eats、Yelpといった100を超える検索エンジン、地図サービス、音声アシスタント、グルメサービス、SNSなどに表示される情報を一元管理できる。例えば、店の営業時間を変更した際に、公式ページに新しい営業時間を記載してもグルメサイトの情報が変わっていなかったら、それを見て来店する人が絶えない。ナレッジネットワークで最新の情報に更新するとネットワーク上の全ての情報がアップデートされ、古い情報の影響を避けられる。他にもグルメサイトで店舗関係者以外の利用者が誤った店情報を記載してしまったり、悪意のある情報攻撃があっても、ビジネスが提供する情報に従って自動的に修正される。

無料で大量の情報にアクセスできるWebには、誤った情報、ミスリードを誘う情報も多々存在する。それらに踊らされないためには「オリジナルの情報に当たる」または「複数の情報源で裏を取る」べきなのだが、その徹底を全てのWebユーザーに求めるのは現実的ではない。DKMは大量の情報に正しい情報を埋れさせないソリューションになり得る。ただ、その存在がエンドユーザーに気づかれにくいこともあって、デジタルナレッジマネジメント (DKM)という言葉の一般への浸透度はまだ低い。だが、新型コロナウイルス問題をきっかけにDKMを巡るプラス循環が起きようとしている。正しい情報へのアクセスを求める人々の声が高まり、それに応えるためにニュージャージー州に続いて他のいくつかの州でも同様のオンライン情報ハブの構築が検討されている。