世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス感染症(COVID-19)。中国では国全体の交通網を封鎖する強力な政策をとったこともあり、脅威がだいぶ抑えられ、街は平穏を取り戻しつつある。
この国家封鎖という異常な状態の中で、中国ではさまざまなテクノロジーを駆使して、情報の発信・受信や、商品の販売や購入、それに医療活動などを行った。
「VR」もそこでの活用が試みられた技術の1つだ。大々的に活用したわけではないが、その試みは参考になるだろう。VRによって感染症と戦った事例をまとめて紹介する。
●医療現場でのVR活用
新型コロナのVRの活用でまずイメージするのは医療現場での活用だろう。
まず報じられたのは、上海に隣接するアリババの城下町、浙江省の大学病院だ。浙江大学第二医院救急センターの新型肺炎感染病エリアで、5GネットワークとVRを活用したリモートシステムが登場した。
同病院は中国移動(チャイナモバイル)とVR企業の熾橙数字と組んで「5G+VRリモート診療観測システム」をローンチした。病室の患者をVR空間で遠隔診療することで、二次感染を防ぎつつ、病室内の多くの情報を得ることができるようになったという。患者との面会したい家族や親族は、VRゴーグルを通して病室内の様子を遠隔で見ることもできた。
2020-04-17 20:32:06