新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を国立感染症研究所が調べたところ、感染者が利用した部屋のトイレの床やリモコンなどからウイルスの遺伝子が高い頻度で検出されたことがわかりました。
国立感染症研究所によりますと、調査は乗客乗員700人以上の感染者が確認された「ダイヤモンド・プリンセス」の共用部分や部屋などおよそ600か所から検体を採取し行われました。
その結果、新型コロナウイルスの遺伝子が最も高い頻度で確認されたのは部屋の浴室の『トイレ床』で、感染者が滞在した33部屋のうち39%にあたる13部屋で検出されました。続いて枕が34%(11部屋)、電話機が24%(8部屋)、テレビのリモコンが21%(7部屋)でした。
感染していない人の部屋からウイルスは検出されませんでしたが、無症状の感染者の部屋からは高い頻度で検出されたということです。
国立感染症研究所は「症状の有無にかかわらず、感染者の環境は汚染されていて、日常的な手洗いや消毒が重要であることが再確認された」としています。また、空気からはウイルスは検出されませんでしたが、廊下の天井にある排気口からはウイルスが検出されたということです。
この点について国立感染症研究所は、「特殊な環境でウイルスが遠方まで浮遊する可能性について更なる検討が必要」としています。(05日15:12)
2020-05-05 01:59:03