ビデオ会議サービスは地味に重い。それなりのデスクトップPC環境ではまったく気にならなかったが、編集部から「ノートPCだとけっこうキツい」という話を聴き、いまだにノートPCのケースは確認していなかった。よって本稿ではいくつかのビデオ会議サービスをピックアップして負荷傾向を見ていこう。
テレワークにオンライン飲み会にと活躍しているビデオミーティングサービス群
注意点としては、環境依存率が高いことだ。ネットワークの回線状況によって映像と音声ビットレートやフレームレートを動的に変更するサービスがほとんどで、固定させることが難しい。これはほとんどのサービスが画質・音質を落としてでも接続を維持しようとするためだ。
またアプリケーションの使用状況で負荷が変動するため、定量化がひどく難しく、組み合わせも多すぎる。よって本稿はよくある状況ベースでの負荷傾向を見ているだけであり、定量化による検討を破棄し、テスト環境を以下に提示し、そのうえでのデータを元にする。つまりポエムだ。
取材用のXPS 13(7390)をテスト環境に採用。Core i7-10710U搭載機だが、Core i7-1065G7よりもグラフィック性能が劣るため、確認の都合の良さもある。またCore i5搭載のほどよいスペックのPCを入手できなかったのもあるのだが、後述するようにXPS 13でも快適とはいえず、結果的にほどよい選択になった。
@T COMヒカリマンションタイプ IPv6接続をスピードテストでみると時間帯による影響をあまり受けておらず、上記のスコアであることがほとんど
結論としては第10世代Core i5搭載ノートPCでもシーン次第では厳しく、3世代ほど前のノートPCでは最小限のことしか実行できない。シングルタスクとはいかないのがテレワークでのビデオ会議なので、余裕のある性能が望ましい。
また画面共有やホワイトボードはキャプチャーサイズとフレームレートで負荷が大きくなりやすい。画面共有での解説が多いのであれば、デスクトップPCやデスクトップ向けCPU搭載した15.6型ノートPC+サブディスプレーがベターだ。
15.6型はディスクリートGPUを搭載した製品が増えている
サービスはZoomを中心にGoogleハングアウト、Skype、Discord、BIZMEEでもテストした。Google Meetについてはまだ無料版が浸透していないが、負荷傾向的にはGoogleハングアウトと似ているので参考になるだろう。
またTeamsについてもSkypeでのそれと近しい負荷になる。なおMeet Nowについては、筆者宅環境だと頻繁にカットラインが起きてしまい、まともにチェックできていない。
バーチャル背景の使用と デスクトップ全体の画面共有は高負荷
Zoomの場合、ある程度負荷傾向が追いやすい。タスクマネージャーだけでなく、設定>統計情報に進むと、使用帯域幅やビデオ・オーディオの送受信状況を確認できる。Core i7-10710U搭載機の場合は、画面共有は状況次第だが、おおむね問題ない。ただファンの回転数は上がりっぱなしだった。また挙動を見ていると、GPUをそれほど使用していない。画面共有時にはGPU使用率が高まるアプリケーションが多いのだが、ちょっと意外だ。
2020-05-11 19:46:13