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楽天モバイルにとって厳しい状況だが三木谷社長は自信あり

決算会見はライブ配信された 撮影:編集部

5月13日、楽天は2020年度第1四半期決算会見を開催した。三木谷浩史会長兼社長からは、楽天モバイルに対しての現状や方向性が語られた。

「こんなものかな、って思っている」

三木谷浩史社長は楽天モバイルの契約者獲得に対しての満足度を聞かれて、こう答えた。

4月8日にスタートしたばかりであり、フルスロットルでマーケティングをしているわけではないため、冷静に判断しているようだ。

楽天モバイルでは、300万名を対象に1年間、通信料金が無料になるキャンペーンを展開している。実際、決算会見で契約者数が明らかにされることはなかったが、一部報道では「20〜30万契約程度なのではないか」と言われている。

三木谷社長としては、2020年末までに300万契約を獲得を目標としているようだ。三木谷社長は「1年間無料やパートナーエリアが5GBに拡大された点などが認知されていない。全国的にCMも打っていない。今後は1日に10〜20万の申し込みがあっても大丈夫だと確認している。これから第2、第3のロケットを用意している」と自信を見せる。

楽天モバイルでは「700万契約が損益分岐点になる。それまでは赤字だ」(三木谷社長)という。

年内に300万、早期に700万契約を達成しないことには赤字を垂れ流すことになるのだ。

■既存キャリアが解約しにくい状態

新型コロナウイルスの感染拡大により、楽天モバイルのショップは閉鎖を余儀なくされていた。しかし、もともと楽天はネット通販の会社である。そのため、楽天モバイルではオンラインにフォーカスした顧客獲得戦略を推進してきたという。結果、4月8日から30日の契約申し込みにおいては、オンラインが96.5%なのに対し、オフラインでの申し込みは3.5%だったという。

街中のショップが閉鎖していても、オンラインがきちんと機能し、顧客獲得につなげることができていたというわけだ。

とはいえ楽天モバイルにとってみれば厳しい状態にあるのは間違いない。なぜなら既存3キャリアが、新型コロナの影響によって「解約しにくい状態」に陥っているためだ。

キャリアショップの多くが営業時間を短縮している。また、ショップ店頭で受け付ける業務も限定し、解約を受け付けないところもある。

「解約は電話のみ」と言われても、その電話がまったくつながらない。先月末には「解約したくても電話がまったくつながらない」という不満の声がSNSにあふれていた。キャリアでは、新型コロナにより、ショップだけでなく、コールセンターも人を減らしている。結果として「店舗でも電話でも解約できない」という状態なのだ。

■MVNOが既に厳しくなっている

総務省では、第4のキャリアとして楽天モバイルが新規参入するということもあり、既存3キャリアに対してはSIMロック解除に対するルールを緩和させたり、2年縛りを見直しさせたりしてきた。しかし、ここ最近の3キャリアにおける「解約率」を見る限り、ユーザーが解約し、他社に流出するという流れは止まっているようにも見える。

たとえばNTTドコモでは、2018年度は0.47%だったハンドセット解約率は0.44%まで減少している。ソフトバンクでは18年度が0.83%、19年度が0.7%で過去最低の解約率となった。KDDIも18年度が0.76%で19年度が0.72%だ。

キャリアの解約率が下がることで、厳しくなっているのがMVNOだ。

IIJmioを手がけるインターネットイニシアティブでは、2018年第4四半期で106.3万件だった回線数が1年後の2019年第4四半期では107.5万件となっている。つまり1年間で1.2万回線しか増えていないのだ。格安スマホの大手であっても個人向け回線は厳しい状態であることがうかがえる。

現在、キャリアの楽天モバイルを使っているユーザーは基本料金が1年間無料というキャンペーンを魅力的に感じて契約している人が大半だろう。これが1年後、2980円という料金が発生した時に、ユーザーが定着してくれるかが楽天モバイルにとっての課題となる。

その点、三木谷社長は「うちのユーザーは他社のデータ量の2倍、3倍、使っている。このボリュームは他社では受け止められないのではないか。スケーラビリティという意味で大きな差別化ができていると思う」と自信を見せる。

■楽天経済圏とのシナジーが成功の鍵か

現状、楽天モバイルと楽天市場とのシナジーはほとんどないが、「(楽天スーパーポイントにより)実質的に無料で携帯電話が使えるようにということが実現する」(三木谷社長)という。

そこで、機能してくるのが、楽天モバイルが提供するコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」だ。音声通話やショートメッセージなどの機能が統合されたアプリとなっているが、将来的には楽天市場に出店する店舗とユーザーを繋ぐアプリとして機能していくものと思われる。

MVNOの楽天モバイルでもポイントで通信料金を支払えたりもするが、今後、Rakuten Linkが機能強化されることで、さらに楽天経済圏とユーザーの結びつきが強くなり、既存3社では提供できないサービスを実現することになりそうだ。

現状、既存3キャリアにユーザーが囲い込まれ、解約率も下がっているが、この状況を打開できるだけの魅力的なサービスを世間にアピールできるかが、楽天モバイルの成功の鍵と言えそうだ。


2020-05-17 19:15:37



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