私たちの住む地球は太陽の周りを公転していますが、夜空に輝く星たち、つまり無数の恒星の周りにも、さまざまな惑星が公転していることがわかってきました。
好評連載「今月の科学ニュース」は、まさに「発見ラッシュ」と言ってもいいこれら「系外惑星」について、世界各地から届いた最新情報を紹介します!
夜空の星のまわりには系外惑星がある
先日、子どもの頃に大好きだった加古里子さんの絵本『宇宙 −そのひろがりをしろう−』を久しぶりに読んだ。自分たちのいる地球と広い宇宙との空間的なつながりを描いた1978年刊行の科学絵本だ。
大人になって改めて読むと、絵本でありながら、人工衛星や天体の名前や具体的なデータも載っている本格的な内容に驚く。同時に、しかたのないことだが、情報がすっかり古くなっていることにも気づいた。
1977年打ち上げのボイジャー惑星探査機までは載っているが、80年代のスペースシャトルの姿はない。
太陽系の外にある惑星「系外惑星」もない。子ども時代の私は、夜空の星の周りに惑星があることを知らなかった。
宇宙には無数の惑星がある Photo by Marc de Ruijter / Flickr
そうした系外惑星が初めて発見されたのは1995年。それから四半世紀たった今では、3000以上の恒星に合計4000個以上の系外惑星が見つかっている。そのうちの2000個以上が、ケプラー宇宙望遠鏡打ち上げの2009年から約10年間の観測で発見されている。
こうした数字だけみても、系外惑星の発見が驚くようなスピードで進んでいることがわかる。
系外惑星の研究者である東京大学の成田憲保教授も、著書『地球は特別な惑星か?』の執筆中、「新発見があったかと思えば、書いているうちにさらに新しい発見があって、それまでの原稿を泣く泣く書き直すということが何度もあった」という。
2020-05-25 02:06:40