メガドライブの内蔵FM音源を使ったシンセサイザーや、ゲームボーイを一面に貼り付けまくったGameboy Mega Machineなどで知られるDIY系ミュージシャン兼YouTuberのLook Mum No Computerことサム・バトル氏が、こんどはファミコンの幻のコントローラー「パワーグローブ」を改造し、シンセサイザーの各種パラメーターを操作可能にしました。パワーグローブと言えば、マテル社が開発し、1989年に米国で発売。日本ではパックスコーポレーションが販売した手袋型コントローラー。手の動き(ロール方向)と、指の曲がり具合を検出するセンサーを備えています。また前腕部には十字キーとABボタン、その他のコマンドボタンが装着されています。
サム・バトル氏はこのパワーグローブの信号をハッキングして、シンセサイザーと接続し、カットオフ、ピッチ、パルス幅、音量の書くパラメーターを指の動きでいじくれるようにしました。動画の中では、バトル氏が自らグローブを装着し、ブミブミボワボワとシンセを鳴らし、ちょっとしたリフレインを演奏して見せたりします。
通常のシンセサイザーならシンセサイザーの各パラメーターはボリューム式のノブで調節するところですが、指で曲げられるようにすることでより直感的な操作が可能...かもしれません。ただ、微妙な曲げ具合や、特定の指だけを曲げる必要も場面によってはありそうで、多少の訓練は必要そうです。
そこでバトル氏はグローブだけでなく、グローブをはめて動かすためのロボットハンドも制作しました。このロボットハンド、ボリュームの部で書く指を自由に曲げられる優れもの、本来ならシンセサイザーのパラメーターを操作するボリュームノブをパワーグローブで制御可能にし、そのパワーグローブを履かせたロボットハンドを別のボリュームノブで操作するという、なんというかマトリョーシカ的なシンセサイザー制御をも実現しています(別のシンセサイザーからの入力に連動させることも可能)。
バトル氏は親切にも、いつも制作したデバイスの回路図をウェブサイト上に公開しています。今回も、もとになるパワーグローブが手元にあれば(それが一番ハードルが高いことではありますが)、示された図面に従ってだれでも同じものが作れます。
バトル氏は今後さらにこのグローブを改造していくことを考えているとしたものの、どのようなアイデアが用意されているのか、いないのかは今後のお楽しみです。
2020-05-25 02:43:35