東芝映像ソリューションは5月28日、4K有機ELレグザをフルモデルチェンジすると発表した。「すべてが新しい、オール・ニュー・レグザ」がキャッチフレーズ。有機ELテレビは、X9400シリーズ(45V型~77V型まで4サイズ)とX8400シリーズ(48V型/55V型の2モデル)の2シリーズ展開になる。液晶モデルと区別するため、型番を4ケタにした。
価格はすべてオープンプライス。6月19日から順次発売するが、X9400シリーズの48V型/77V型については2020年秋の投入とのみアナウンスされている。店頭での販売価格は、9400シリーズ/65V型が約47万円(税抜)。55V型で約30万円(税抜)、X8400シリーズ/55V型が約25万円(税抜)、48V型が約22万円(税抜)。
加えて、4K液晶レグザでは最大サイズの75V型「75M540X」も投入する。発売は6月19日で実売価格は約25万円になる見込みだ。
発売に先立ち、「東芝 レグザ オンラインストア」にて、モニター販売も実施する。X9400/X8400の購入者に向けた1万円のキャッシュバックキャンペーンも実施されるとのことなので、興味のある人は確認してほしい(7月26日までに購入、8月17日までの応募が対象)。
タイムシフトマシン搭載の上位機「X9400」シリーズ
X9400はタイムシフトマシン機能を搭載。従来の65V型/55V型に加え、2サイズを追加する。同社最大サイズで初の77V型、至近距離の視聴で濃密な高画質が得られる48V型だ。特に48V型は、都市部でマンション暮らしする家庭のリビングやゲームプレーなどに適したサイズで、有機ELパネルならではの高輝度感と高コントラスト感が得られる。2020年の新トレンドとしても注目だ。
X9400の77型モデル
映像処理エンジンには「ダブルレグザエンジン Cloud PRO」を採用。X8400が搭載してする「レグザエンジンCloud PRO」(2チップ構成)に加え、緻密な高精細処理・低ノイズ処理をする新チップを追加し、デュアルの映像処理エンジンにしている。再構成型超解像技術、自己合同性超解像処理など、従来から積み上げた高画質化処理を補う、より高精度な処理が期待できる。
独自のガンマ特性と輝度特性を持つ、レグザ専用の高コントラスト有機ELパネルを採用。これはX8400シリーズも含めた、4K有機ELレグザ共通の特徴だが、X9400シリーズの65V/55V型には、有機ELパネルの高コントラスト化、高輝度化で発する熱に対策するため、自社開発の高放熱インナープレートを追加している(48V型と77V型はパネルメーカーからモジュールとして提供されたものを使用)。
画像だけが浮かび上がるような感覚を出すため、ベゼルレスのミニマムで無駄をなくしたデザインにした。下部には、豊かな音響を視覚的に訴求するため、メタルサウンドバーを配置している。音響面では「レグザパワーオーディオX-PRO」と称し、140Wと高出力なパワーアンプで10個のスピーカーを駆動するサウンドシステムを採用する。
X9400シリーズは、後述するように放送・ネット動画・ゲームコンテンツなど、再生するコンテンツの種類に適した高画質化機能を、フル搭載している。
大きすぎない感動大画面「X8400」シリーズ
X8400シリーズは、「レグザエンジン Cloud PRO」「レグザパワーオーディオX」などを採用。“大きすぎない感動大画面の提供”がコンセプトで、50インチ前後のサイズに絞り、タイムシフトマシン機能など、一部の機能を省略している。価格は抑えつつ、上位機譲りの高画質が体験できる製品となっている。
デザインはベゼルレスに加えて、メタルビームと名付けた重量感を感じさせない控えめなスタンドデザインを取り入れている。また、このクラスとしては初めて、声だけでテレビを操作できる、ハンズフリーボイス機能を搭載している。
クラウドを味方につけた、レグザならではの高画質化処理
X9400/X8400シリーズに共通の高画質化機能について紹介する。
「クラウドAI高画質テクノロジー」は、クラウドと連携して放送番組の画質向上を目指す技術で、「業界初」を自負する。番組に応じて、色の濃さ、色合い、ガンマ調整、シャープネス度合いなどを変えるパラメーターを事前に用意。これをクラウド上の映像調整データバンクに収め、同じジャンルに分類される別の映像との偏差などを参照しながら、番組個別に最適なパラメーターを当て、画作りを補正していく。
このコンセプトは、発売済みの「M540X」「Z740X」の発表時に6月から稼働すると告知済み。基本的なアルゴリズムはこれらの機種と共通になっている。しかし、使用するパネルやエンジンパフォーマンスが異なるため、テレビごとに最適なチューンをする。
2020-05-27 21:31:41