2001年のデビュー以来、今やピッチシフト/タイムストレッチだけにとどまらないオーディオ編集ソフトウェアの定番となったCelemony Softwareの「Melodyne」が4年ぶりにメジャーアップデート。「Melodyne 5」のダウンロード版の先行発売がスタートした。パッケージ版は6月中旬発売予定。
「Melodyne 5」は、前バージョンで一新されたエンジンを基に、新たな機能を追加。洗練された直感的なユーザーインターフェイスはそのままに、スタンドアローンはもちろん各種プラグインとして動作し、主要DAWではARA (Audio Random Access) テクノロジーによりあたかもDAWの一部として統合して動作する。
ラインナップは、ピッチとタイミング編集のみとベーシックな機能に特化したエントリーバージョンの「Melodyne 5 Essential」、プロフェッショナルなボーカル編集に必要なツールを網羅した「Melodyne 5 Assistant」、和音から個別のノートを認識して編集できるポリフォニックオーディオ用のDNAアルゴリズムを搭載した「Melodyne 5 Editor」、マルチトラックノート編集などすべての機能を搭載した「Melodyne 5 Studio」の4種類。
Melodyneでは、録音やサンプル、音のひとつひとつに含まれる音楽的ディテールのすべてにアクセス可能。これは録音やサンプルを精査・解析し、そこに含まれる音の音楽上の関係性(各音とその特徴、スケール、キー、コード、タイミング、テンポ、音色)を識別して理解するという、Melodyneならではの洗練された分析によるもの。
さらにMelodyne 5では、楽音成分と非楽音成分を個別に編集できる新「メロディック」アルゴリズムを搭載。今まではマニュアルで識別をする必要があった歯擦音を自動検出し、より自然な編集が可能。作業時間も短縮できる。また、歯擦音ツールも新搭載(Essentialを除く)。楽音成分と非楽音成分の音量比をノート単位で編集可能(歯擦音を減衰、完全にミュート、強調、さらには分離が可能)。他の成分に悪影響を及ぼさないディエッサー効果が得られる。また、ピッチのずれの分析はより音楽的に進化。音響心理学に基づいた最適なイントネーション補正を行うことで、人間の聴力に沿った音楽的に適切な結果が得られる。
2020-06-01 00:38:44