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魔法のように被写体を自動で切り抜いて背景を変えられるPhotoRoom

PhotoRoomは、フランスのスタートアップが開発しているモバイル写真ユーティリティアプリだ。コンセプトはとてもシンプルで、おそらくそれこそが過去数カ月間で膨大なダウンロードが行われた理由だろう。

写真を選択すると、PhotoRoomはその写真から背景を削除し、別の背景を選択できるようにしてくれる。写真の調整が終わったら、保存して別のアプリで開くことができる。

「もともとの着想を得たのは、私がGoProで働いていたときのことです」と共同創業者でCEOのMatthieu Rouif(マシュー・ルイフ)氏は語っている。「写真から背景を削除しなければならないことが多く、デザイナーが不在のときは、手作業で膨大な時間を費やしていました」。

そして多くの人びとが、編集した写真をカメラロールにできるだけすばやく出し入れできるシンプルなアプリを探していることがわかった。

例えばピアツーピアのeコマースプラットフォーム上で服やその他のアイテムを販売している人は、PhotoRoomを使用して写真を改善している。個人間売買サイトであるPoshmarkやDepopで行われている出品リストを魅力的にするための、オンラインディスカッションやYouTubeチュートリアルでは、PhotoRoomはしばしば推奨されている。

ダウンロードが本格的に始まったのは2020年2月頃だ。PhotoRoomの月間アクティブユーザーは現在30万人。現在のところ、アプリはiOSでのみで利用可能だ。ツールを常用するプロフェッショナルなら、月額9.49ドル(約1040円)または年額46.99ドル(約5100円)を支払うことで、透かし(ウォーターマーク)を削除し、より多くの機能を利用することができる。

「サブスクリプションは、写真およびビデオ向けモバイルアプリを最高に役立つものにします」とルイフ氏は語る。

PhotoRoomは写真上のオブジェクトを識別するために、機械学習モデルを利用している。そして、彼らのビジョンとして背景の除去以上の機能も狙っている。

写真編集のリーダーであるPhotoshopが設計されたのは、数十年前に遡る。もしPhotoshopをプロのように使いこなしたいと思ったときには、険しい学習曲線が待ち構えている。レイヤー、レイヤーマスク、チャンネルなどを理解するのは難しい。

PhotoRoomは、Photoshopのメタファーやインターフェイスの要素を安易に借用することなく、モバイルファーストの写真編集アプリを構築したいと考えている。「写真の内容を理解できるとしたら、Photoshopはどのようなものになるでしょうか」とルイフ氏はいう。

現在のアプリはテンプレートに大きく依存してはいるものの、オブジェクトを追加したり、移動したり、シャドウを追加したり、要素を個別に編集したりして、画像を微調整することはできる。画像の構成は、ユーザーに100%任されている。

VSCO、Darkroom、PicsArt、Filmic Pro、Halideと同様に、PhotoRoomは写真やビデオの編集にさまざまな方法で取り組んでいるプロシューマーアプリ群に属している。ビジュアルソーシャルネットワークを使用して育った世代のユーザーが、これらのアプリの限界を押し広げている。初めて使用するときはシンプルに見えながら、それらで何ができるかを学ぶにつれて、非常に深いものが提供されるのだ。そして彼らは、スマートフォンがコンテンツの消費機械にとどまらず優れたコンピューターになり得ることを証明している。

ルイフ氏は、2016年にGoProによって買収されたパワフルな動画編集ソフトStupeflixの製品責任者だった。PhotoRoomは、2人のインターンを含めて4人しかアプリ製作に関わっていないため、まだ始まったばかりだ。