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幻滅からの脱却を図る、RPA導入の本質とは 第3回 企業組織の重要な業務を安全で安定して自動化できるのか

今回はRPAによる自動化において求められる安全性や安定性について解説します。企業組織の中でロボット活用を考えると、そのロボットが安全で安定して動作しなければリスクになります。→過去の回はこちらを参照。

そもそもRPAは何のためにあるのか?

もちろん、重要業務を任せることなどできないでしょう。この安全性、安定性については事業継続に影響があるため、先に解説してきた費用対効果などを議論する前にしっかり検討される必要があります。

この点は非常に重要であるにも関わらず、十分な機能が備わっていないソリューションや、充分な検討がされていない運用を見かけることがあります。例えば、ユーザのデスクトップ上にあるロボットがユーザ権限を流用して稼働していた場合、ロボットが適切に制御、管理がなされているのか、また安定稼働しており重要業務に耐えうるものなのか、経営の視点からは非常に気になるところでしょう。

Blue Prismが自動化ソリューションの提供を始めた際に、すぐ徹底して取り組んだものの1つは、この安全性と安定性です。例えば、いつ誰が、どんなロボットを作成・変更し、操作したのか、それはどの環境で動作したのか、動作は適切に完了したのか、それらのログは監査に耐えうるレベルで取得されているのか、そしてログは改ざんされていない保証はあるのか、ロボットが誤動作したり意図しない動きをしたりすることはないのか。

これらは業務を安定的に遂行できるかというレベルを超え、企業組織としての基本的なガバナンスが有効であるか、という話になります。それでは、安全・安定のためのポイントを見ていきましょう。
○業務を安全に自動化するということ

安全にというのは、ロボットがかかわるすべての事項を企業組織が意図するように完全に管理できているのか、ということです。

まず、Blue PrismはRPAにかかわるすべての情報をデータベースに暗号化して格納しており、一元管理する仕組みを採用しています。データベースにアクセスできない限り誰も何の操作もできない、ロボットも動作しない状況を作り出しています。

ユーザのデスクトップ上で動作するロボットの場合はそうはいきません。また、データベースにアクセスできても、組織や役割に応じてロボットの作成・操作など詳細な権限設定、管理が可能になっており、組織の意図を完全に反映して、自動化のルールを徹底させることがシステム上では可能となっています。
○内部統制に準拠したロボットの運用をできるのか

さて内部統制や監査という観点でも見てみましょう。Blue Prismでは、すべての自動化定義にかかる変更履歴、ログイン履歴、設定変更履歴、自動化処理の実行履歴を詳細に記録していきます。

そして、ログデータを改ざんできないことを保証していますので、内部統制の監査証跡に耐えうるものになっています。

他のソリューションでは、ログをテキストファイルで保存している場合もあり、規制の厳しい業界などでは許容できない場合もあります。それ以上に、企業統治における重要な監査証跡が機能しないというのは大きなリスクになります。
○安定した業務の自動化のために考えておくこと

ここからは、ロボットの安定性について考えてみましょう。不安定なロボットは業務遂行にあたって大きな壁となり、事業の安定性に影響がでることもあります。また、ロボットが停止するとメンテナンスに非常に工数がかかってしまい費用対効果という観点でも課題となります。次に、安定化に必要な4つのポイントを列挙してみます。

1つ目は、基本的ですが構造認識を利用して自動化の精度を高めることです。以前は多用されていた画像マッチングに頼って自動化すると、ディスプレイの解像度が変わったり、少し動作環境が変わったりするだけで自動化を再現できないことがよくあります。

これがすぐに止まるロボットの正体です。そこで、Blue Prismではマウス・キー操作やアプリケーション構造をしっかり認識して自動化をするアクセシビリティAPIを使うことでロボットの安定性を保つようにしています。アクセシビリティAPIは多様な形態のアプリケーション(HTML、Win32、Active Accessibility、UI Automation、Java Accessibility API)に対応したものがあり、それぞれのアプリケーションを構造解析して自動化ができます。

メインフレームも同様に精度を高めることが可能です。また、1つのアプリケーションの構造解析のために複数のアクセシビリティを駆使しながら自動化の精度を高めることも可能です。基本的ではありますが、構造認識の活用は押さえておきたいポイントです。

2つ目のポイントは、RPAが自動化するアプリケーションの状態を確認し待機することです。自動化はRPAがアプリケーションに操作を命令することで行いますが、アプリケーション側で処理に必要な時間を考慮せず、どんどん操作命令を投げてしまうと意図した動作を実装できないことがあります。

従ってRPA にアプリケーションの処理状況を確認したり、時には待機したりしながら処理ステップを刻む仕組みがあることが安定化に重要です。

3つ目は、例外処理ハンドリングです。2つ目にあったように待機を使って適切なタイミングで動作させることができても、ネットワーク通信の不具合や、アプリケーションがメンテナンスでダウンしていたなどの理由で自動化が異常終了することもあります。

この場合、異常終了した処理のステータスを把握した上でリトライするという例外処理の機能によって問題を解決することができます。一方、自動化の処理の中身そのものに誤りがあってアプリケーションが動作しなかったり、そもそもパスワードが間違っていて動作しないなどの場合はリトライしても機能しないので、しっかりとその状況をレポート・通知する仕組みが重要です。

4つ目は、中間データの保存と分散処理です。一連の自動化プロセスを(全体処理ロジックに影響がない範囲で)分割して処理を分け、各処理による結果を中間データとして保存(どこまで処理したかを把握)しておくことができます。これと、3つ目のリトライと組み合わせることで安定した自動化が実現できます。

○事業継続の観点でも注目を浴びるRPA

新型コロナウィルス感染症の影響を受け、テレワークでの業務が推進されましたが、持ち出しできない会社のPC上で動作するロボットへアクセスができず、ロボットの活用ができなかった、というケースがありました。ある調査によればリモートワークでは、通常の30%程度しかRPAを稼働させられなかったというデータもあります。

先に述べたように、Blue Prismはユーザ環境とは切り離されてサーバ上でロボットが安全・安定して稼働することから、パンデミックをはじめとする有事における事業継続のエンジンとして機能することを期待されはじめました。

特に今回のパンデミックでは、接触による感染リスクを抑制し、従業員を守ることができました。今後はさらに自動化が進み、従業員が直接介在することなく安定稼働する業務も増えていくと思われ、事業継続という観点からのRPAの導入検討も増えるのではないかと感じています。

今回は、安全で安定したRPA実現の仕方について整理しました。国内のRPAに対するイメージは従業員のデスクトップ上で動作するツールですが、セキュリティ上の課題、不安定な稼働に悩まされることがあると思います。解決策として、上記のようにデータベースでの暗号化、権限の細分化、安定稼働のためのスケジューリング、エラーハンドリングなど重要なポイントが参考になれば幸いです。

次回は、RPAプロジェクトの運用方法論、Robotic Operating Model(ROM)について解説します。