羽田空港 自動運転バス実証実験で計測を繰り返す埼玉工業大学自動運転AIバス(2020年6月21日)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期)
もっと画像を見る
「はいバスが正着しましたーっ」「はい計測しまーす。289ミリ!」 羽田空港 第3ターミナルに仮設した、バス乗降用プラットホームに、自動運転バスの研究チームと計測員の声が響く。羽田空港エリア公道上で始まった公共車両優先システムなどの実証実験だ。
実験エリアは、羽田空港第3ターミナルと東京モノレール・京急空港線 天空橋駅付近を結ぶ8の字コース。取材に入った6月20日の午後は、埼玉工業大学の自動運転AIバスが、実験エリア内2か所に仮設したバス乗降用プラットホーム(バス停)に、1か所50回を超える正着テストを重ねていた。
◆後付けタイプ自動運転システム(レベル3)で正着試験に挑戦
内閣府による戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の自動運転実証実験に参画する埼玉工業大学 自動運転AIバス(日野『リエッセ II』ベース)は、これまで兵庫県や愛知県など全国各地の実証実験を積み、今回のSIP東京臨海部実証実験にも継続参加。
埼玉工業大学 自動運転AIバスは今回、磁気マーカーやITS無線路側機を活用した公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)などを試すエリアで何度もテスト走行。が、インフラ側に整備したこうした磁気マーカーなどに頼らず、あくまで LiDAR(レーザー・レーダー)やGPS・GNSS(衛星からの位置情報)、カメラ画像解析を基本とする後付けタイプ自動運転システム(レベル3)だけで正着制御試験に挑んだ。
◆この羽田空港 テスト走行にむけて LiDAR を6本に増設
この後付けタイプ自動運転システム(レベル3)も、今回の羽田空港 実証実験にむけて進化させた。これまでルーフだけについていた LiDAR を、前2本、後2本、ルーフに2本と、合計6本で全方位をみながら走ることに。LiDAR 6本によるテスト走行は初めてというぶっつけ本番で、計測者たちを驚かせた結果が次々と出てきた。
この日は9時半から、羽田空港第3ターミナル 仮設プラットホームへの正着試験の計測をスタート。埼玉工業大学 自動運転AIバスは、自動運転レベル3でバス専用レーンへ車線変更し、ゆっくりとバス停へつける。
◆誤差3ミリ以内、バス停にぴたっとつけてみせた
2020-06-21 20:24:33