Area 120というGoogle(グーグル)の社内インキュベータから、関心のあるトピックをAIがクラウドから集めてくれる、Keenというサービスが登場した。いわばGoogleアラートの改良版だ。ただしGoogleアラートがGoogle検索の結果をメールで通知するだけなのに対して、Keenは機械学習と人間の判断を組み合わせ、トピックをキュレーションする専用ページを作ってくれる。
ユーザー興味を抱いている個々のトピックはKeenと呼ばれる(頭の回転が速いことを指す形容詞から取ったのだろう)。
共同創業者のC.J. Adams(C.J. アダムズ)氏によれば、ヒマな時間にぼんやりスマホを眺めて画像や記事を延々とブラウズしていることに気づいたことがこのプロジェクトのアイデアのきっかけだったという。アダムズ氏は同じ時間を使うなら自分が興味を持つトピックについて学ぶほうがずっとよいと考えた。つまり深く知りたいと思っていたテーマや学びたかった技能などだ。
このアイデアを発展させるためにアダムズ氏はGoogleの同僚4人を誘った。またPeople and AI Research(PAIR、人間とAI検索)チームの協力を得て作ったのがKeenだという。「人間とAI検索」は人間の活動を中心としてそれを助ける機械学習に焦点を当てたテクノロジーを開発しているチームだ。
KeenはウェブとAndroidで公開されており、利用するにはGoogleアカウントでログインして調べたいトピックを入力すればよい。アダムズ氏はリリースノートでパン焼き、バードウォッチング 、タイポグラフィなどの例を挙げている。
キーワードを入力するとKeenは関連するトピックを提案してくれる。「犬の訓練」と入力すると、「犬の訓練教室」「犬の訓練本」「犬の訓練のコツ」「犬の訓練ビデオ」などが提案されるので適当なものがあればクリックするとそのテーマでKeenが作成される。
後でKeenを開くと興味に合致したコンテンツの画像がピンボードとして表示される。「犬の訓練」の例では、下の画像のように各種記事、YouTube動画、キュレーションされた役に立つソースのリストから、犬の訓練用おやつ製品のAmazonリンクなどが収集されている。
作成されたトピックについてサービスはGoogle検索と機械学習で新たなコンテンツを発見、収集する。ユーザーがKeenにコンテンツを追加、内容を整理すればKeen側からのレコメンデーションも精度もアップする。
使用感はPinterestのAI自動化版といったところだ。
Keenでトピックが作成されたらコンテンツを追加、削除できるのはもちろん、他のユーザーがコレクションを閲覧、編集できるよう共有するオプションもある。コレクションは公開することも、非公開にすることもできる。また新しいコンテンツが追加されたときメールで通知を受け取ることもできる。
実はGoogleアプリのニュースフィードは似たようなテクノロジーを使っている(The Verge記事)。ニュースフィードの場合、ユーザーの検索履歴とユーザーが興味も持っていると入力したテーマを組み合わせて収集された最新ニュースその他の情報がGoogleアプリのホーム画面に配信される。ただしKeenは検索履歴にはタッチせず、ユーザーが直接入力したトピックだけに基づいてコンテンツを収集するという。
2020-06-22 03:20:48