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14年ぶり!アップルがCPU変更でデバイス大統合を狙う3つの理由

過去5年で最大の発表

今年も、アップルの開発者会議「WWDC」が開催された。

例年とようすが異なるのは、同社の本拠地、米・カリフォルニア州サンノゼに開発者やメディア関係者を集めておこなうイベントではなく、オンラインでの映像配信イベントになっていることだ。日本時間6月23日早朝におこなわれた基調講演は、ライブ配信ではなく、事前収録したものを流すかたちだった。

コロナ禍を受けての異例の開催だが、それがWWDCの価値を下げた、ということはまったくない。むしろ、今回のWWDCは、過去5年で最も大きな発表がおこなわれた年だといえる。

最大の発表とは、「MacのCPUの変更」だ。

現在使われているインテルのCPUから、自社開発の「Appleシリコン」へ──。これにより、アップルはいよいよ、iPhoneからMacまで、すべてのデバイスを同じアーキテクチャでつくり分ける「大統合の時代」に突入する。

アップルはなぜ、そのような大きな舵を切ったのか?

我々ユーザーには、どのようなメリットと懸念すべき点があるのか?

早速、分析してみよう。

歴史的一日

アップルのティム・クックCEOは、基調講演の最後に「今日はMacにとって歴史的な日だ」と宣言した。Macの開発史上、4度目の大きな節目だから、たしかにその通りである。

基調講演をおこなうアップルのティム・クックCEO

その節目こそ、「CPUアーキテクチャの変更」だ。

現在のMacでは、一般的なWindows PCと同じ「x86系」のCPUが使われている。Macの場合は、すべてインテル製のものだ。

これが、英・Arm社からライセンスを受けてアップルが独自開発する「ARM系プロセッサー」へと変わる。アップルはこのプロセッサーを、仮に「Appleシリコン」とよんでいる。

アップルはMacのCPUをインテル製から、自社製の「Appleシリコン」へと変更する

Appleシリコンは、突如として登場したものではない。我々はすでに、Appleシリコンを搭載した製品を日常的に使っている。──iPhoneであり、iPadであり、Apple Watchがそれだ。Mac以外のアップルの主要製品はすでに、「アップルが独自開発した半導体」で動くようになっている。

次の画像は、基調講演中のデモに使われた「Appleシリコン採用Mac」のバージョン表記である。CPUの部分がインテルではなく、iPad Proに使われている「Apple A12Z Bionic」になっているのがわかる。

試作機での表記。CPUの会社名が「Intel」ではなく、「Apple」から始まっている点に注目

このA12Z Bionicを使ったものはあくまで開発キットで、「年末」とアナウンスされた、最初のAppleシリコン採用Macに使われるものと同じとは限らない。現時点では新プロセッサーの名称がわからないので、本記事でもアップルの呼び方に従って「Appleシリコン」とよぶことにする。

いずれにしてもアップルは、今後半年で「最初の次世代Mac」を発売し、以降2年にわたる「CPU移行期間」を開始しようとしているのである。

目指すべき到達点

では、アップルはなんのために、CPUを変更しようとしているのか?

理由は3つある。

3つの内訳は、「ユーザーを向いたもの」が2つ、そして「メーカーとしての事情」が1つだ。順に見ていこう。

1つめは「性能を強化するため」。といっても、x86系のCPUが速度面で苦戦していたわけではない。インテルのCPUは、PC向けとしてはいまだ十分に強力だ。

だが、消費電力を下げつつ性能を維持する、という面では、ARM系のほうに優位な部分がある。

アップルのハードウエアテクノロジー担当シニアバイスプレジデントのジョニー・スルージ氏は、基調講演の中でAppleシリコンが狙う領域を次のように説明した。