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インド政府による禁止措置を受けてTikTokがインドでアクセス不可に

インド政府がセキュリティとプライバシーの懸念を理由に、人気のショートビデオアプリTikTokやその他の58のアプリを世界で2番目に大きいインドのインターネットマーケットで禁止したことを受け、ユーザーがTikTokにアクセスするのをブロックするインターネットサービスプロバイダーが増えている。

AirtelやVodafone、その他のサービスプロバイダーの多くのユーザーが、インド時間6月30日午後に「スマホからTikTokアプリにアクセスできない」と報告した。ユーザーがいうには、TikTokアプリを開くと「インターネットにつながっていない」と表示された。(アップデート:インターネットサービスプロバイダーは、自分たちがTikTokをブロックしているのではなく、アプリそのものがインドでアクセスできなくなっていると述べた。インドの電気通信局はインターネットサービスプロバイダーに「すぐさま」TikTokをブロックするよう命じていた[ETTelecom.com記事])。

TikTokアプリを開くと、このアプリはインド政府の命令に従ってサービスを提供できないというメッセージが表示される。インドでTikTokのウェブサイトを開くと、同様のメッセージが出てくる。

6月30日にインドのApple(アップル)のApp StoreとGoogle(グーグル)のPlay StoreでTikTokアプリをダウンロードできなくなった。この件に詳しい2人の人物がTechCrunchに語ったところによると、TikTokを開発したByteDanceが自らアプリをストアから引っ込めたという。

Alibaba GroupのUC BrowserとUC News、eコマースサービスのClub Factoryなどを含め、インド政府が6月29日夜に禁止した他のアプリのほとんどがまだアプリストアでダウンロードできる。これはグーグルとアップルがまだインド政府の決定に従っていないことをうかがわせる。

インドに2億人超のユーザーを抱えるTikTokは、アジアで3番目に大きな経済のインドを、同社にとって最大の海外マーケットととらえている。インドにおけるTikTokのオペレーションを監督するNikhil Gandhi(ニクヒル・ガンディー)氏は、同社がインド政府の命令に従っている「最中」であり、インド政府の懸念を和らげるために議員たちに協力したいと話した。

モバイル調査会社のSensor Towerによると、TikTokアプリはグローバルで約20億回インストールされ、そのうちインドでのダウンロードは6億1100万回だ。2020年6月末までの四半期でインド政府が禁止を命じた59アプリは計3億3000万回インストールされた。これらのアプリの2020年5月におけるマンスリーアクティブユーザーベースは、App Annieの幹部がTechCrunchに示したデータによると計5億500万人だった。

人口13億人の半分近くがネットを使用する世界第2位のインターネットマーケットであるインドがこれほど多くの外国アプリの禁止を命じたのは初めてのことだ。インド政府は「多くの『治安問題に影響を与えるデータセキュリティとプライバシーの流出について市民からの抗議』がコンピューター緊急対応チームに寄せられていた。こうしたデータの編集では、インドの国家安全と防衛にとって敵対的な要素を持ってマイニングとプロファイリングが行われている」と述べた。

今回の驚くべき発表は、インド政府がこれらのサービスをどのように「禁止」するのか混乱を生じさせた。しかしそれは現在、明らかになりつつある。

TikTokは2019年にインドで1週間禁止されたが、すでにアプリをダウンロードしていたユーザーは利用できた。その際、裁判所に提出した書類の中で、1日あたり50万ドル(約5400万円)失っていると述べた。ロイターは6月30日、ByteDanceがTikTokをさらに浸透させるためにインドに10億ドル(約1080億円)を投資する計画だったと報じたが、今となってはその計画は立ち消えたようだ。

中国外務省の報道官であるZhao Lijian(趙立堅)氏は6月30日の記者会見で、中国はインドの動きを懸念しており、インドは「中国の投資家を含め海外の投資家の法律上の権利を維持する責任を負う」と述べた。