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好調な富士通のPCは「オンライン生活最適PC」を加速 - FCCLの齋藤社長に聞く

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、「オンライン生活最適PC」の提案を加速させている。FCCLでは、2020年度第1四半期(4月~6月)の販売実績が当初計画を上回る形で推移。特にコンシューマPCは、計画だけでなく、前年同期の実績を上回る好調ぶりだ。

生まれ変わって「Day1000日」が近づくFCCL、今後の姿を齋藤社長に聞いた

その背景には、新型コロナウイルスの影響でテレワークが浸透し、それに伴うPC需要の拡大がある。在宅勤務が広がり、テレワークのために新しくPCを購入するといった動きが顕在化した。FCCLの齋藤邦彰社長兼CEOは、「国内PC市場において唯一、『オンライン生活最適PC』という提案ができるのがFCCL。製品ラインナップ全体で、テレワーク利用に求められるスペックを持っている」とし、「国内トップシェアを奪還したい」とも語る。FCCLの齋藤社長にPC事業への取り組みについて聞いた。

FCCLの齋藤社長は、「新型コロナウイルスの影響によって、これまでの経験値を生かすことができない状況で2020年度に突入した」としながらも、「2020年度第1四半期(4月~6月)のPC販売状況は、計画値を上回った」とする。

特に好調なのがコンシューマPCだ。冒頭でも紹介したように、当初の計画を上回っただけでなく、前年実績を上回る結果だったという。当初計画では、2020年1月のWindows 7サポート終了に伴う特需の反動もあり、前年実績を下回る形で推移すると見られていただけに、まさに想定外の好調ぶりを見せた。

齋藤社長は、「ノートPCの販売比率が上昇している。在宅勤務をするために、すぐに入手できるコンシューマ向けノートPCを購入する動きが出てきた。法人向けでも、在宅用途を前提とした仕入れが先行している」とする。

在宅勤務ではノートPCを導入する傾向が強く、共働きの夫婦がそれぞれのPCを用意したり、子供のオンライン学習用にPCを調達したりといった、一家に複数台の環境が増えている。また、会社の高性能デスクトップPCにアクセスするために、家庭にノートPCを導入するといった、1人が複数台のPCを利用するケースも多い。

「家庭で仕事をするときは、子供や家族がいる環境を考慮して、リビングやダイニング、寝室を移動することもあるため、軽量、薄型、堅牢なノートPCが人気」だという。また、在宅勤務でオンライン会議システムを利用するケースが多いことから、スペックが高いノートPCの売れ行きが好調とのこと。

だが、新型コロナウイルスの影響は、部材調達ではマイナスに働いているようだ。

長期化しているインテル製CPUの不足は、依然として品薄の状態が続いており、PC業界全体の課題となっている。加えて、中国、アジア地域の生産拠点が一時的に操業を停止するなどの動きもあり、部材不足は広がっている。

齋藤社長は、「中国やアジアでは生産が再開され、部材はギリギリでつながっている状況。だが、多くの生産拠点はまだフル稼働とはなっていないため、潤沢な供給状況ではない。需要が旺盛なノートPC用の部品が足りなくなる一方、デスクトップPCの部品は余り始めているという状況もある」とする。

よって、すべての機種が安定的に市場に供給できるわけではない、というのが実態だろう。こうたし中でFCCLは、2020年6月から「オンライン生活最適PC」の提案を開始している。

斎藤社長は、「オンライン生活最適PCといえるのは、いまはFCCLのPCだけだと自負している。人に寄り添うPCを作り続け、現場の声を反映し続けてきた結果が、テレワークにも最適なPCを実現することにつながっている」とし、そうしたモノづくりがFCCLのPCの好調な販売ぶりにつながっていることを示す。そして、「部材の供給状況にも左右されるが、国内トップシェアを奪還したい」(斎藤社長)と意欲を見せる。
○FCCLの「オンライン生活最適PC」とは

FCCLが「オンライン生活最適PC」と標榜するには2つの理由がある。

ひとつは、テレワークに最適化されたともいえるスペックを持ったマイク、スピーカー、カメラ、キーボードを搭載しているという点だ。例えばFCCLのノートPC(一部を除く)は、ディスプレイ上部の左右に4個のマイクを搭載している。一般的なノートPCのマイクが2個であるのに比べて、音声認識率が高く、オンライン会議時に声を拾いやすい。

FCCLによると、ノートPCの正面中心から45度の範囲では、2個のマイクでは89.0%の音声認識率であるのに対して、4個のマイクでは92.4%。また、90度の広範囲で計測すると、2個のマイクでは79.9%の音声認識率だが、4個のマイクなら87.5%まで高くなる。このため、「オンライン会議の際に、資料を見るために少し姿勢を崩しても、声が途切れず、円滑なコミュニケーションができる」という。

スピーカーには、オンキヨーと協業して専用スピーカーボックスを開発。さらに、音響補正アプリケーション「Dirac Audio」との組み合わせによって、「オンライン会議やオンライン飲み会でも相手の声を聞きとりやすくしている」という。

そしてカメラはフルHDカメラを搭載。キーボードは静音性の実現とともに、多段階の押下圧や球面シリンドリカル形状の採用により、長時間のレポート作成などでも打ちやすく、疲れないようにしている。

「こうしたハードウェア要件は、開発期間に1年以上がかかるPCでは、テレワーク需要が増加したからといって、すぐに搭載できるものではない。新型コロナウイルス感染拡大の前から実現していたことで、他社との差につながっている」とする。

実は、FCCLがこうしたテレワークに最適なPCのスペックを実現していた背景には、同社のAIアシスタント「ふくまろ」の存在が見逃せない。ふくまろは、PCに話しかけるだけで、音楽や写真を再生したり、家電を操作したり、外出中に部屋の写真を送信してくれたりといった使い方ができる。こうした機能をストレスなく利用するために、マイクやスピーカー、カメラなどのスペックを強化していたのだ。

「ふくまろは、PCが人に寄り添うための機能として搭載した。それを追求した結果、テレワーク環境においても、人に寄り添うPCが実現できた」と斎藤社長は語る。

○ノートPCの使い勝手を左右する外部インタフェース

そして「オンライン生活最適PC」を掲げるもうひとつの理由は、インタフェースの搭載に妥協しなかったことだ。

例えば、最軽量となる698gを実現した13.3型ノートPC「LIFEBOOK UH-X」では、USB 3.1ポートを4基、HDMI出力ポートのほか、有線LANポートも搭載。軽量化を徹底的に追求しながらも、使い勝手を犠牲にしないインタフェースを実現した。

こうした豊富なインタフェースは、在宅勤務時にも効果を発揮している。家の中で、無線LANが届きにくい部屋で仕事をする場合でも、有線LANポートを活用して安定的なネットワーク環境で利用できるわけだ(もちろんその部屋で有線LANが使えることが前提)。

「FCCLのエンジニアが、PCを利用している現場に直接出向き、そこでの課題を見つけ、現場の要望をもとに開発したのがFCCLのPC。そうした積み重ねの結果が、いまにつながっている。在宅勤務によるテレワークが広がっているいまだからこそ、市場のニーズに最も適したPCを提供しているのがFCCLであると断言できる」と、齋藤社長は自信を見せる。そして、「PCの性能やスペックを訴えるよりも、使ってみてもらえれば、その差が理解できる」とした。

人に寄り添う開発姿勢が、「オンライン生活最適PC」の実現につながっているというわけだ。

では、今後のモノづくりに、社会の変化や、PC産業を取り巻く環境変化は、どう影響するのだろうか。斎藤社長は、「これまでのモノづくりの結果が『オンライン生活最適PC』を実現した。ノートPCでもデスクトップPCでも、ニューノーマル時代においても、モノづくりの基本姿勢は変わらない」とする。

斎藤社長は、かねて「世界最軽量の座は譲らない」と断言し、2020年後半にも発売が見込まれているLIFEBOOK UH-Xの後継機では、さらなる軽量化を実現し、世界最軽量の記録を更新する姿勢を見せている。

「ニューノーマルと呼ばれる時代において、PCに求められる要素は、より幅広くなるだろう。そして、搭載される機能も増えることになる。だが、そうした状況においても、より軽いノートPCの開発に挑む」と語る。

これまで同様のモノづくりの基本方針を維持することで、「オンライン生活最適PC」のコンセプトは維持できると考えており、今後は、オンライン生活に一層の最適化を図るための独自ソフトウェアや、セキュリティの強化に取り組むという。最軽量ノートPCだけでなく、幅広いラインナップにおいて「オンライン生活最適PC」を実現し続ける姿勢を見せた。