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東芝、ソリッドステートLiDARで200mの測距を可能とする受光技術を開発

東芝は、次世代LiDARであるソリッドステートLiDAR向け技術として、従来の機械式LiDARと同程度となる200mの測距を可能とする受光技術を開発したことを発表した。

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同成果の詳細は6月15日~18日にかけて開催された半導体デバイスならびにプロセス技術に関する国際学会「2020 Symposia on Technology and Circuits(VLSIシンポジウム2020)」にて発表された。

自動運転を実現する要素技術の1つとしてLiDARがあるが、現在、主に実験車両などに用いられている多くのLiDARは機械式のため、機器の小型化、低コスト化、メンテナンス性など量産車への適用に向けた課題が残されていた。そうした課題を解決するのが、半導体技術を活用して駆動部をなくすことで小型化、低コスト化、高メンテナンス性を実現可能なソリッドステートLiDARである。

しかし、ソリッドステートLiDARはいろいろな方式が提案されている段階であり、用途ごとにカスタマイズする必要があったり、性能が出ないなど、各々一長一短があるなど、その技術も発展途上の段階にあり、そうした課題の解決が模索されている。東芝の今回の発表もそうした取り組みの一環で、同社は非同軸系LiDAR技術を中心に開発を行っている。

非同軸LiDARは、走査型投光系(MEMSミラー)と受光系が別々なので、受光系に市販のCマウントのレンズを用いることで安価にシステム再構成を行いやすい反面、2次元の受光素子が必要で性能が出ない、という課題があった。

今回、研究グループはこの問題解決のために、受光素子にSPAD(Single Photon Avalanche Diode)ベースのシリコンフォトマルチプライヤ(SiPM)を採用したが、SiPMは通常のイメージセンサに比べて数十倍ほど大きい素子サイズとなってしまうため、画素数を増やそうと思うと現実的なパッケージサイズを超えてしまうという問題があった。そこで、アクティブクエンチ(AQ)型SiPMとすることで、受光セルに入った光を効率よく検知することを可能とした。

また、併せてA/Dコンバータ(ADC)とTDC(Time to Digital Converter)を1回路で処理する回路を開発。これにより従来技術と比べて回路面積は1/5に低減することに成功。同回路はVCOを活用して、電圧と時間に変換するもので、処理の際にADCの平均をとることで、ばらつきのある太陽による入射光と、一定タイミングで照射される測定用レーザーを識別することで、高速な長距離測定を可能にしたほか、TDCにより近距離の高分解能測定も両立することに成功したという。

長距離測定の試験では受光レンズの視野角7°で200mを実現したほか、視野角30°のレンズに置き換えることでより近い距離の高精度測定ができることも確認したという。

ただし、今回の解像度は300×80と実用化レベルではないので解像度を高めるためにSiPMのセル数を増やしていきたいとしており、すでにセルサイズの小型化を実現する技術にもめどがついているとのことで、そうした技術を活用することで解像度の向上を図っていく模様である。

なお、同社では今回の技術の実用化を目指しており、2022年度までに中距離以上のソリッドステートLiDAR向けコンポーネントの提供を行いたいとしているほか、市場ニーズなどを踏まえつつとなるが、受光モジュールなどの形態での提供の可能性なども探っていきたいとしている。