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新MacBook Pro 13インチは買い!? 新AirやPro 16インチとベンチマーク比較

本記事で中心的に考察するMacBook Pro 13インチ(Mid 2020)

MacBook Pro 13インチモデルのレビュー記事では、Pro 13インチに先立って発売されたMacBook Airの新モデルとの比較も交えながら、スペックの違いや使い勝手から選択のポイントを考えてみた。この記事では実際のベンチマークテストの結果を比較することで、より客観的な選択の判断材料として、さらに検討していくことにしよう。

比較に使用したモデルのスペックの違いをおさらい

ベンチマークテストの結果を見る前に、まず今回のテスト結果に登場するマシンと、それぞれのスペックを確認しておこう。主役は、もちろん新しいMacBook Pro 13インチのうち、CPUの異なる標準構成モデル2機種だが、そこに最新のMacBook Airの、やはりCPUの異なる2機種を比較対象として加え、さらに昨年発売されたMacBook Pro 16インチの上位の8コアモデルも参考までに示すことにする。つまり合計で3モデル5機種のテスト結果を比較して検討する。主にPro 13インチを中心に考察するが、必要に応じてAirや、Pro 16とも比較していこう。

まず、検証に使用したそれぞれのマシンの基本的なスペックを確認しておこう。

このうち、やはりPro 16は突出した存在と言える。第9世代ながら、8コアのCore i9という他に比べて極端に高性能なCPUを採用しているばかりか、CPUとは独立したGPU、AMD Radeon Pro 5500Mも搭載している。これは、MacBookシリーズとして、ほぼ上限の値を示すのが目的であり、同じ土俵で他のモデルと比較して、選択の検討の材料にすべきものとは考えていない。とはいえ、今回の結果を見て、やはりこれだけの性能が欲しいと思われるなら、購入を引き止めるつもりは毛頭ない。

16インチディスプレイに伴って本体サイズもかなり大きくなるし、もちろん価格もそれなりに高くなるが、それに見合うだけの性能向上が得られるマシンであることは間違いない。

純粋なCPU/GPU性能を測るGeekbench マルチコアのスコアでAirを上回るPro 13インチ

まずは、Geekbench 5.0の結果を検討してみよう。このテストには、「CPU」と呼ばれるものと「Compute」と呼ばれるものの2種類が含まれている。ひとつは文字通りのCPU性能で、もうひとつはGPUを本来のグラフィック描画ではなく、計算に使うもの。さらに前者のテストには、CPUのコアをひとつだけ使う「シングルコア」と、CPUの持つ複数のコアをすべて使う「マルチコア」がある。

また後者のテストには業界標準のOpenCLと、アップル独自のMetalを、それぞれ演算用のAPIとして利用するものの2種類がある。Pro 16インチの場合だけ、CPUとは独立したGPU、AMD Radeon Pro 5500Mを装備しているため、Computeの結果がさらに2通りに枝分かれして、OpenCL/Metal の2通り× 内蔵GPU/独立GPUの2通りで合計4通りになっている。

まずCPU性能全体を見渡して気付くのは、シングルコアの数値が、Pro 16も含めて、それほど大きくは変わらないこと。これは、第8〜第10世代と幅はあるものの、CPUとしての基本部分のアーキテクチャの共通性からくるものだろう。ただし、細かく見ていくと、Pro 13インチでは2ポートよりも4ポートモデルが、Airではデュアルコアよりもクアッドコアモデルの方が、わずかながらシングルコアの性能も高い。これは、CPUの基本クロック周波数(Airは同一)やメモリの仕様、L3キャッシュの容量などが複合的に影響していると考えられる。いずれにしても、CPU性能としては、どうしてもマルチコア計測時の差に注目すべき、ということになる。

理想的には、デュアルコアのCPUなら、シングルコア性能の2倍以上、クアッドコアなら4倍以上の性能を発揮することが期待される。「以上」にはならないのではないかと思われるかもしれないが、そもそもマルチコアは、シングルコアではCPUだけでなくメモリやバスなどを含むシステムとして、待ち時間などの無駄が生じることを防ぐための手段でもある。そのため、マルチコアのテスト結果としては、シングル性能×コア数以上の性能が出ることもある。そういう目で見ると、Pro 13インチはだいたいシングル性能×コア数に近い性能が出ていて、納得できる。

Airは、Airのレビュー記事でも述べたことだが、どういうわけかクアッドコアモデルのマルチコア性能が伸びていないのが気になる。8コアのPro 16は、マルチではシングルの6倍弱という結果だが、コア数が多くなるほど、ひとつしかないメモリなどのリソースに対する競合も激しくなるため、それほど悪い数字ではないだろう。

次にComputeでは、ほとんどのマシンで、業界標準のOpenCLよりも、アップル独自のMetalの方がよい結果を出しているが、Pro 13インチの2ポートモデルでは、逆にMetalよりもOpenCLの方が性能が高い。これは、第8世代のCoreに対してMetalが十分に最適化されていないのではないかという疑いを生じさせる。一方で、内蔵GPUの性能は、当然ながらCPUの世代が進むほど向上していることも読み取れる。第10世代のCPUを搭載するAirのクアッドコアモデルは、Pro 13インチの2ポートモデルをしのぎ、Pro 13インチの4ポートモデルに迫る勢いだ。

すでに述べたように、ComputeではPro 16のみ、CPUに内蔵のIntel UHD Graphics 630と、独立したAMD Radeon Pro 5500Mの両方の性能を別々に評価している。これを見れば明らかなように、いくら内蔵GPUの性能が向上してきているとは言え、独立GPUの性能は桁違いだ。もちろん、これが画面サイズ以外でPro 13インチとPro 16を隔てる、最も重要なポイントとなっている。

CPUによるレンダリング性能評価に特化したCinebench

CineBenchは、CPUによる精巧な3Dグラフィックのレンダリング処理に要する時間を測定するもの。3Dグラフィックと言っても、ゲームのようなリアルタイムのレンダリングではないので、GPUは関与していない。

純粋にCPUのみによる処理となる。結果の数字は指数なので、大きいほど性能は高い。GeekBenchのテスト内容は、プログラムサイズの小さなテストをいくつも実行した結果の寄せ集めなので、現実のアプリによる処理の体感速度とは一致しないこともある。その意味では、このCinebenchの方が、マシンの総合的な性能を反映した、体感速度に近い結果を示してくれることも多い。

実際の結果を見比べれば、それも納得できるだろう。同じ第10世代のクアッドコアでも、Pro 13インチの2.0GHzのCore i5は、Airの1.1GHzのCore i5の2倍近い性能を示している。また、Pro 13インチの4ポートモデルは、同じクアッドコアのCore i5でも、同2ポートモデルの第8世代の1.4GHzの1.2倍程度の性能となっている。この結果からは、CPUの世代による違いはさほど感じられない。それよりも、Pro 13インチのAirに対するCPU性能の優位が、はっきりと示される結果となっている。

評価が難しいディスク性能

ディスク性能に関しては、とりあえずディスク性能用のベンチマークソフト「Disk Speed Test」を使って、全機種を比較した。ただしこのテストは、同じ機種で計測時にも結果のバラツキが大きく、安定した結果を得るのが難しい。また、純粋なディスク性能というよりも、CPU性能に大きな影響を受けた結果になりやすい傾向も見られる。そのため、純粋なディスク性能の評価には適していないように思える。ディスク性能としては、あまり参考にならない「参考程度」に見ていただきたい。

実際にPro 13インチの2機種を比べると、特にWrite(書き込み)性能では、4ポートモデルが2ポートモデルの2倍以上の性能を示している。Read(読み込み)でも1.3倍以上だ。これは実際のディスクの読み書きを中心とする操作の体感速度には一致しない。

そこでPro 13インチに関しては、Finder上で大きな(2.82GB)のフォルダー(実際にはiMovieのアプリケーションパッケージ)をコピーする時間をストップウォッチで計測し、3回の平均で評価した。

このようなテストでは、特にディスクの空き容量が少ない場合、それ以前のディスクの使用履歴によって、結果がばらつく場合がある。今回は、いずれも空き容量は十分で、新品からさほど使っていない状態でテストしたので、そうした影響は小さいはず。それでも、予想とは逆に、4ポートモデルの方がコピーに要する時間が1割以上長いという結果となった。とは言え、体感速度として、それほど差があるわけではなく、妥当と言える範囲の結果と考えられる。

どのような用途に使うかによって、注目すべきテストは異なってくる。CPU性能に関して言えば、Pro 13インチの性能は、やはりAirとは異なるカテゴリーのマシンであることを示す、頼もしい結果となっている。ただし、Pro 13インチは、Airと同様に独立したGPUを装備しない。そのため、GPU性能に関しては大きな優位がないどころか、第8世代の2ポートモデルでは、Airの上位モデルに劣ることもあることは理解しておきたい。