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来年iPhoneの有機ELディスプレイ供給が見込まれる中国企業BOEとは何者なのか?

2021年のiPhoneモデルから有機EL(OLED)ディスプレイの供給開始が噂されている、中国BOEとはいったいどのような企業なのでしょうか?英メディアWiredがBOEの背景的情報をまとめています。

今年はサプライチェーン入りを逃したBOE

今年秋に例年よりも数週間遅れて発売されると公式に発表されたiPhone12シリーズには、すべてのモデルにOLEDディスプレイが採用される見通しで、おおよそ3分の2をSamsung、残りの3分の1をLG Displayが供給する、と先日伝えられたばかりです。

2020年のiPhone新機種のディスプレイサプライチェーン入りは逃しましたが、来年からAppleに本格的にOLEDディスプレイの供給を開始するといわれている中国企業BOEに、今注目が集まっています。

現在OLEDの出荷量世界第2位のBOE

あまり知られていませんが、BOEは中国でも随一のディスプレイ製造業者で、スマートフォン、テレビ、その他の電化製品と家電用品のスクリーンを生産しています。

BOEは、1993年に中国の首都北京で設立され、2001年に韓国SK HynixのSTN液晶とOLED事業を買収し、現在ではフレキシブルOLEDの出荷量で世界第2位となっており、2020年第1四半期(1月〜3月)は市場シェアの11%を占めるに至っています。

BOE製OLEDディスプレイはSamsung製と遜色ない?

Samsungは、2020年第1四半期にOLED市場で81%のシェアを占めており、圧倒的な存在感を示していますが、BOEはHuaweiのハイエンドのPシリーズやMateシリーズのOLEDディスプレイを供給しており、今年のHuawei Mate 40にもBOEのディスプレイが採用されています。

Huaweiの折りたたみスマホMate XにもBOE製のOLEDディスプレイが使用されていますが、Samsung製ディスプレイ搭載のGalaxy Foldと比べてトラブルの報告が少なく、品質において決して劣っているわけではないことが伺えます。

BOEはすでにAppleのサプライチェーンに入っている

BOEは、すでに旧iPhoneモデルのLCDや、いくつかのApple Watchモデルの小さなOLEDパネルの生産を担っており、これまでAppleとサプライヤー契約を一度も結んだことがないわけではありません。

BOEは、数年前からiPhone向けOLEDのサプライヤー候補として名乗り出ていますが、ディスプレイ品質はAppleの求める水準にまだ達していないとされています。

BOEは今年の始め、Apple専用のOLEDモジュール生産ラインを設置するため投資を行うと報じられました。日経は先日、BOEのOLEDディスプレイが2021年のiPhoneに採用される可能性は十分ある、と伝えたばかりです。