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グーグルがGoogle Payと連携するデジタルバンキング計画を拡大、BMO Harrisなど6行と提携

Google(グーグル)が米国でデジタルバンキングサービスを提供する計画を拡大している。同社は米国時間7月3日、6行と提携し、米国のGoogle Payユーザーに2021年のどこかでデジタル当座預金口座と貯蓄預金口座を提供すると発表した。新しく提携するパートナーはBank Mobile(バンクモバイル)、BBVA USA、BMO Harris(BMOハリス)、Coastal Community Bank(コースタルコミュニティーバンク)、First Independence Bank(ファーストインディペンデンスバンク)、SEFCU(State Employees Federal Credit Union)だ。以前提携が発表されたCiti(シティ)とSFCU(Stanford Federal Credit Union)にこの6社が加わり、現在合計8行がこのプロジェクトに向けて準備中だ。

グーグル内部で「Project Cache」(プロジェクトキャッシュ)と呼ぶ銀行サービスと個人金融サービス参入への大きな動きのニュースは2019年11月にThe Wall Street Journalが最初に報じた。多くのスタートアップが現在提供しているモバイルバンキングサービスと同様、グーグルはデジタルバンキングサービスに対し同社が開発する消費者向けフロントエンドを提供し、口座自体はFDIC(連邦預金保険公社)に加入している金融機関パートナーが管理する。

ただし、細かい字で銀行パートナーに関して触れるだけのモバイルバンキングのスタートアップとは異なり、グーグルは銀行とブランドを共有する。さらにグーグルは、大規模でグローバルな銀行から小規模でコミュニティーとのつながりが深い信用組合まで幅広いパートナーと連携することで、顧客の多様なニーズを満たすプロダクトを適切に構築できると説明している。

「当社は以前、Google Payを通じてデジタル銀行口座を提供するために、米国で銀行や信用組合と提携する方法を模索していると発表した。顧客はFDICまたはNCUA(全米信用組合協会)の保険の対象となる口座にお金を預けながら、有用な洞察を得たり予算ツールを利用できる」とグーグルの広報担当者は述べた。「デジタル当座預金口座と貯蓄預金口座を提供するために新しく6行が当社と提携したことを大変うれしく思う」。

同社は、今後もさらに米国の金融機関に参加してもらう予定だと語った。

グーグルは現在、デジタル決済サービスのGoogle Payおよびそれを補完するGoogle Walletにより顧客の金融ニーズに応えている。しかし今、より多くの消費者、特に若者が、実店舗を構える銀行から離れ資金をオンラインで管理するようになっている。Apple(アップル)は、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)との共同ブランド「Apple Card」クレジットカードを発表し、デジタルバンキングを求める消費者の需要に応え始めた。しかしながら完全な銀行サービスは提供しておらず、Apple Cashのみに止まっている。Apple CashはApple Cardの使用による「キャッシュバック」クレジット、友人からの支払い、接続した銀行から移した現金を貯めておく機能のみを提供する。

グーグルの計画はより広範囲にわたる。銀行口座は自社で提供しないが、データを利用して顧客に財務上の洞察や予算作成ツールなどを提供する。グーグルのサービスはパートナーに、「モバイルファースト」「オンラインオンリー」の市場で消費者にブランドを売り込む方法を提供する。

「デジタル空間で時間を費やす機会が増えている顧客の金融面の生活をサポートできることが重要だ」とBMO Financial Groupの最高デジタル責任者であるBrett Pitts(ブレット・ピッツ)氏は、BMOとグーグルとの提携について声明で述べた。「この新しいBMOのデジタルプロダクト立ち上げに向けグーグルと協力することは、顧客に財務アドバイスを提供する能力増強に寄与し、顧客へのサービス提供方法を進化させる革新的なステップとなる」。

BBVAにとってグーグルとのコラボレーションはBBVA Open Platform(BBVAオープンプラットフォーム)をまた一歩前進させることを意味する。BBVAは他のアプリやサービスに金融商品を埋め込むことで顧客を獲得できる。

「BBVAは、デジタルによって金融業界を進歩させる方法に何十年も力を注いできた。それにより顧客が自身の財務状態をより良く管理する機会を創出する」とBBVA USAのJavier Rodriguez Soler(ハビエル・ロドリゲス・ソレル)社長兼CEOは述べた。「グーグルのような企業とのコラボレーションは銀行の未来を示している」と付け加えた。

口座は2021年に開設予定だと複数の銀行が発表した。Googleはそれ以上の具体的なリリースの時期を明らかにしていない。

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