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AppleがProject xCloudやStadiaといったクラウドゲームサービスはApp Storeのガイドラインに違反しているためiOSでは動作しないと発表

クラウドゲームサービスであるGoogleの「Stadia」やMicrosoftの「Project xCloud」は、ゲーム機だけでなくTVやスマートフォンなどでも気軽にゲームをプレイできるようになるというサービスです。しかし、これらのクラウドゲームサービスがiOS向けのアプリとしてApp Storeに登場することとなった場合、ガイドラインに違反することになるとAppleが声明を出しました。

2019年11月からスタートしたGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」に対抗するMicrosoftのゲームストリーミングサービス「Project xCloud」が、2020年9月15日に正式にサービスをスタートさせます。Project xCloudは2019年10月から一部の国でパブリックベータテストをスタートしていたのですが、iOS版のProject xCloudのみテストが早期に打ち切られたことが2020年8月6日に報じられました。

iOS版Project xCloudのテストが早期に打ち切られたことと、GoogleのStadiaやNVIDIAのクラウドゲームサービスであるGeForce NOWといったサービスのiOSアプリが存在しないことは、同じ理由であることが明らかになっています。

AppleはiOS版Project xCloudのテストが早期に打ち切られたことに対してBusiness Insiderに声明を出しており、この種のクラウドゲームサービスは根本的にApple Storeのガイドラインに違反しているため、iOSアプリとして実現することができないと述べています。

Appleは声明の中で「Apple Storeは顧客がアプリを見つけてインストールするための安全で信頼できる場所であり、すべての開発者にとって素晴らしいビジネスチャンスを提供するように作成されています。Apple Store上のすべてのアプリは、顧客を保護し、開発者に公平で平等な競争の場を提供することを目的としたガイドラインに照らして審査されます。顧客は何百万人もの開発者が作成した優れたアプリやゲームを楽しんでいます。審査のためにゲームを個別に提出し、チャートや検索に表示されるようにし、すべての開発者に適用されるガイドラインに従えば、ゲームはApple Store上で配信することが可能となります。App Storeに加えて、開発者はSafariやその他のブラウザを介し、すべてのiPhoneおよびiPadユーザーにウェブ経由でリーチすることも選択できます」と説明しています。

つまり、クラウドゲームサービスで配信されるゲームタイトルの審査を個別にApp Store側が審査することができないため、クラウドゲームサービスがアプリとして配信されることはないとAppleは説明しているわけです。

一方で、Appleは独自のゲームサブスクリプションサービスである「Apple Arcade」を提供しているため、他社製の競合サービスを排除するような動きは独占禁止法に違反するのではないかという指摘もあります。

AppleはSteamのゲームをiOS端末からプレイできるようになるValveの「「Steam Link」」アプリをApp Storeで配信しています。このアプリは自宅のPC上に存在するゲームをストリーミングでプレイするというものですが、StadiaやProject xCloudはクラウド経由でゲームをプレイするためその仕組みが根本的に異なります。

AppleはApp Store Reviewガイドラインの「4.2.7 リモートデスクトップクライアント」上で、リモートデスクトップアプリに関する詳細を以下のように説明しています。

4.2.7 リモートデスクトップクライアント:リモートデスクトップのAppが、ホストデバイスの一般的なミラーリングではなく、特定のソフトウェアやサービスをミラーリングする場合は、以下に準拠する必要があります。(a)Appはユーザーが所有するホストデバイスである個人用のコンピュータ、またはユーザーが所有する専用のゲームコンソールにのみ接続し、ホストデバイスとクライアントの両方をローカルのLANベースネットワークに接続する必要があります。(b)クライアント側に表示されるすべてのソフトウェアやサービスは、ホストデバイス上で完全に実行され、ホストデバイスの画面上にレンダリングされます。リモートデスクトップのストリーミングに必要でないAPIやプラットフォームの機能は使用できません。(c)アカウントの作成や管理はすべて、ホストデバイスから開始する必要があります。(d)クライアント側に表示されるUIで、iOSやApp Storeの表示画面を模倣したり、ストアに似たインターフェイスを提供したりすることはできません。また、ユーザーがまだ所有しておらず、ライセンス付与もされていないソフトウェアを閲覧、選択、購入できる機能を実装することは許可されません。なお、トランザクションがホストデバイスで処理される限り、ミラーリングされたソフトウェアで行われるトランザクションではApp内課金を使用する必要はありません。(e)クラウドベースAppのシンクライアントは、App Storeには適しません。

つまり、「Steam Link」や「PS4 Remote Play」のように自分で購入したゲームやコンテンツをストリーミング形式でiPhoneなどでプレイすることは可能であるものの、完全にクラウドベースのサービスはApp Storeのガイドラインに違反することとなるわけです。

加えて、アプリ上にアカウント作成オプションが存在しない場合、ガイドライン「4.2.7 リモートデスクトップクライアント」に違反することとなります。一方でアプリ上にアカウント作成オプションが存在する場合、サブスクリプション収入の30%をApple側に支払う必要が出てきます。これは「App Storeの決済システムを介さず購入する必要がある」としてApp Store上から除外された有料アプリ「HEY」が直面した問題そのものです。

Appleの決済システムを介さず購入する必要のある有料アプリがApp Storeから除外される可能性 - GIGAZINE

それでもクラウドゲームサービスでありながらApp Storeのガイドラインに違反することなくiOSアプリとして配信されている「Shadow」のようなものもあります。ShadowはiOS版アプリからクイック起動機能を削除し、リモートデスクトップアプリのように機能させることでApp Storeから承認されたそうです。Shadowでは他のリモートデスクトップアプリと同じようにSteamをインストールしてログインし、既存のタイトルにアクセスする必要があります。しかし、ユーザーがリモートでアクセスするのはShadowの用意したゲームPCであり、海外メディアのThe Vergeは「Appleのガイドラインを回避する賢い方法」と記しています。