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「カラー電子ペーパー搭載スマホ」を検証。視認性はどう?(山根博士)

アマゾンのKindleに代表される電子ペーパーの表示はテキストを読むのに最適なモノクロ表示です。しかしハイセンスが今年中国で発売したスマートフォン「A5 Pro CC」と「A5C」は同じ電子ペーパーでもカラーディスプレイを搭載しました。

モノクロ電子ペーパーでは写真や動画を表示しても見にくいものでしたが、カラーになったことで普通のスマートフォンのように使うこともできそうです。A5 Pro CCのカラー電子ペーパーの性能は実際にどうなのか試してみました。

まずはスマートフォンとしての性能をチェック。A5 Pro CCのスペックはSoCがUNISOCのT610、ディスプレイは5.84インチのカラー電子ペーパー、メモリ構成はRAM 4GB+ROM 64GBまたはRAM 6GB+RAM 128GB、カメラはリア1300画素とフロント500万画素、そしてバッテリーは4000mAhです。価格は4+64GB版が1799元(約2万7000円)、6+128GB版が1999元(約3万円)。中国では同価格帯で買える5Gスマートフォンも出ているだけに、やや割高に感じられます。

本体はプラスチック製。質感は低価格機そのものといった感じで、艶消し仕上げで安っぽさはないものの、背面はカバーを付けないとすぐに傷や汚れがついてしまいそうです。ディスプレイ保護フィルムは最近の中華スマートフォン同様に最初から貼ってあるので助かります。

電源を入れて起動すると、やや淡い色合いのカラーアイコンがデスクトップに表示されます。カラー表示ですが、液晶や有機ELとは明らかに発色は異なります。電子「ペーパー」の名の通り、色のついた紙、という表現がぴったりかもしれません。

プリインストールアプリには中国の電子書籍サービスやオンライン学習サービスなども入っています。教育用ととしての利用も考えられているのでしょう。

さてA5 Pro CCは中国のチップセットメーカー、UNISOCのSoCを搭載している点も特徴の1つ。UNISOCは前身が低価格タブレット向けなどのSoCを開発していたSpreadtrumであり実績のあるメーカーです。AnTuTuのスコアは16000台とSnapdragon 660クラスの数字を出しました(A5 Pro CC 6GB+128GBモデルで測定)。

このようにスペックはミドルハイレンジクラスのA5 Pro CCですが、普通のスマートフォンとして使うのはあまり現実的ではありません。A5 Pro CCのカラー電子ペーパーディスプレイは4096色しか表示できません。また液晶や有機ELのように表示も速やかには切り替わりません。

そこでまずは電子ペーパーが得意とするテキストを表示してみました。A5 Pro CCはフロントライトを内蔵しているため電子ペーパーとは思えぬ明るさでテキストをはっきりと表示してくれます。暗いところでも十分読書できるでしょう。ただしライトの光り方にはややムラがあります。またフロントライトを消すとモノクロ電子ペーパーに近い表示となります。明るいライトの下で読書するならフロントライトがなくてもよさそうです。いずれにせよどちらの表示もバックライトを使っているのではないため目にはやさしそうです。

このようにテキスト表示ならば十分実用的です。しかし電子ペーパーは液晶や有機ELのように1秒間に何回も表示を切り替えません。そのためテキストを表示するだけならばくっきりとした美しい表示ができるのですが、スクロールして動かすと画面書き換えが追いつきません。そこでA5 Pro CCはコンテンツによって最適な表示モードを選ぶことができるよう、以下4つの画面表示モードを備えています。

・Clear
・Balanced
・Smooth
・Speed

テキストを読む分にはどのモードでもあまり変わりはありませんが、表示画面をスワイプしてページを送るときに違いが出ます。Clearでは文字の乱れや画面の残像は気にならないものの指先の動きと画面の表示がワンテンポ遅れます。Speedにすると指先の動きに合わせて表示もそのまま動くのですが、画面に残像が残ります。

ちなみに他社のモノクロ電子ペーパータブレットでも同様の表示モード切り替えを備えているものもあります。モードの切り替えはディスプレイ最下段の右端のアイコンをタップすると、ポップアップでフロントライトと表示モードを切り替えるウィンドウが表示されます。この切り替えウィンドウはどのアプリを使っている時でも表示できます。